わたしのON/OFF 明日に繋がるoff

わたしのON/OFF 明日に繋がるoff 杉山 隆 東北大学病院産婦人科 産科・周産母子センター 特命教授・産科長

私のON

母児という2つの命を取り扱うことができることに感じるロマン。

 私が産婦人科を選んだ理由は、大学の臨床実習において産婦人科を回った時に、母児という2つの命を取り扱うことができることにロマンを感じたからです。そしてふと気付いてみると四半世紀以上、産科医療に携わってきました。
 そしてこの間、周産期医療の臨床を中心に妊娠と栄養・代謝・内分泌に関した基礎研究も行ってきました。近年のわが国の妊娠可能年齢女性の栄養に関する特徴としてやせの増加と肥満の横ばいといった2極化が認められます。食習慣としては高脂肪食が特徴的変化であり、妊娠中の高脂肪食環境は母体のみならず次世代にも炎症様変化を介して影響を与えます。すなわち母体の栄養は胎児の遺伝子の異常発現(エピジェネティクス)を介し次世代の健康に影響を与えることになり、機序を解明できれば治療戦略につなげることができます。今後、食育といった基本的な生活習慣が周産期領域においても重要になります。このように世代を超えた研究を行えるのも産婦人科医の魅力です。

重要な研究チーム間の連携。産婦人科のチーム力は必ず生かされます。

ONも楽しく

ONも楽しく

 一方、大規模臨床研究も大切です。なぜなら人種により遺伝素因が異なるので、特に代謝・内分泌領域の根拠を語るには、わが国発のデータに基づくことが重要です。したがって日本のように分娩取扱い施設が分散した国では多施設共同研究を行うことにより、多症例を用いた臨床研究が必要です。このような視点より、現在は妊娠糖尿病の管理に関して後方視的多施設共同研究から前向きのレジストリー研究へとステップアップした臨床研究を展開しています。このような研究を行う際も研究チーム間の連携はとても重要であり、産婦人科のチーム力は必ず生かされます。
私のOFF

オフには自分の趣味を生かしたアクティビティを。

エア・スギヤマ!

エア・スギヤマ!

 オフは何と言っても自分の趣味を生かしたアクティビティを行うことが一番だと思います。また産婦人科医にとってフットワークはとても重要と考えています。私は基本的にスポーツ好きであり、観戦も好きですが自ら体を動かすことも好きです。小学校、高校、大学とサッカーにかなりエネルギーを注ぎ、社会人になってもサッカーチームに所属し、また40歳を過ぎてからはフットサルを楽しんできました。これは体力維持と生活の張りになることに加え、ストレス解消にもなり、オフの使い方としてはとても有用です。ただ50歳を過ぎますと、一度膝等を痛めたりすると完治に半年くらい要します。したがって、スポーツも自分の体力を客観的に評価しながら怪我で周囲に迷惑を掛けないような留意も必要です。そこで、現在は広瀬川沿いのジョギングを行っています。私がこのコースを好む理由は、春の桜から新緑、夏の早朝の涼しさ、秋の紅葉、11月の鮭の遡上、冬の雪景色等、四季の移ろいをからだ全体で感じることができるので、心身ともにリフレッシュできるからです。

気心知れた先輩や同輩、後輩とのプレイは心身のリセットに。

looks OK, but セカンドゴロ

looks OK, but セカンドゴロ

また最近は、週末に息子との球蹴りサッカーや娘とのテニスも楽しんでいます。ゴルフは、最近プレイの頻度はめっきり減りましたが、気心知れた先輩や同輩、後輩と一緒にプレイすることは心身のリセットにつながります。今からゴルフを考えている皆さんに一言アドバイスするとしたら、独学でひたすらやると往々にして綺麗と言えないフォームが固定してしまうので、適宜指導を入れてもらうことがポイントです。一旦基本を身につければ、あとは個々の応用で自分のマニアックな世界に浸るのも医学的手技等にも関連しオンにつながると思います。オフのとき、オンにつなげる工夫をすることもよいと思います。

2015年1月現在