わたしのON/OFF 明日に繋がるoff

わたしのON/OFF 明日に繋がるoff 齋藤 豪 札幌医科大学 教授

私のON

大学教授

齋藤豪先生
 私のOnは産婦人科教授です。自分の忙しさを愚痴っている訳ではないのですが、地方大学の教授の仕事は多岐にわたり、地域医療を守るための人事のこと、教室員を確保するための学生や研修医の教育や勧誘のこと、研究や学会のこと、附属病院や関連病院での患者や手術のこと、そして最近は附属病院の経営のこと等々、目が覚めている間はこれらのどれかを考えている毎日です。
僻地で産当番

僻地で産当番

手術の風景

手術の風景

私のOFF

動物写真家

齋藤豪先生
 そんなあるとき、自分がリタイアしたら自分は何をしているのだろうかと考えるようになりました。死ぬまで仕事か?そんなときに、北大の水上教授から「趣味は若いときから始めないといけないよ」との話をいただき、「確かに、自分も今から何か始めよう」と思って始めたのが、野生動物の写真撮影です。何で写真撮影かは話すと長いので今度の機会にするとして、早速ニコンの高級カメラを購入し、休日に近くの公園や山の野鳥撮影から始めました。すると自分の周りには実はたくさんの美しい鳥が生息しており、しかしその鳥たちを撮影することがとても難しいことがわかりました。今は日本に150羽しか生息していないシマフクロウの撮影にはまり、ひまを見つけては秘境知床に通っております。もちろん動物写真家の間は日常の煩わしい事は一切考えずシマフクロウに集中です。ナイスショットを撮れたときはすべての心の澱が消失します。若い先生方に言いたいことは、仕事に全力を集中する時期は必要ですが、歳を取る前に自分の好きなことを見つけ、それを少しずつ始めることで人生が全然違ってくるということです。金も名誉も墓場まで持って行くことはできないのですから。
オジロワシ・知床

オジロワシ・知床

シマフクロウ・知床

シマフクロウ・知床

2016年1月現在