コンセプト

 2004年に新しい研修医制度が始まり、市中病院から産婦人科医がいなくなり産婦人科医医療は危機的な状況に陥りました。以後、日本産科婦人科学会は様々な取り組みを行い産婦人科医師数は増加しましたが、まだまだ足りない状態です。

 私たち産婦人科医は全ての女性の健康を守ることを使命として働いています。それにやり甲斐を感じ、その充実感が原動力ともなっています。お産や婦人科の緊急手術に対応するため産婦人科医は24時間体制で診療にあたっています。時に、就業時間が30時間以上連続することがあり自宅に帰るとともに寝てしまうなんてことも少なくありません。しかし、私たちが疲弊し、クタクタでは正しい判断はできるでしょうか?私たちが使命とする女性の健康は守れないかもしれません。母児の生命に直結し,瞬時の高度の判断を要する仕事であるため,産婦人科医自身が常に心身の健康を保った状況にあることが大切です。

 このあたりで私たちの働き方を見直さなければなりません。個々人の頑張りだけではどうにもならなくなってきているとも言えます。主治医として患者さんに何かがあれば駆けつける。正しいことだと思います。入院中の妊婦さんがお産になって駆けつける。気持ちはわかります。でも、休日に休むこと、これは必要です。休息をとり身体も頭脳もリフレッシュすることで集中して医療に従事することができます。人にも優しくなれるでしょう。そのための働き方を探しに行きましょう。

 日本産科婦人科学会は、すべての女性の健康を守るとともにすべての産婦人科医のワークライブバランスの改善を模索し、提案し続けていきます。

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