わたしのON/OFF 明日に繋がるoff

わたしのON/OFF 明日に繋がるoff 林 伊緒 東海大学医学部 専門診療学系産婦人科 助教

こんにちは、東海大学医学部専門診療学系産婦人科助教の林伊緒です。現在3児の育児をしながら、主に臨床と教育を行っております。夫も同医局員であり、多忙ではありますが、仕事と家庭、また自分の時間をパズルのように組み合わせながら毎日ばたばたしながらも楽しく過ごしております。今回は誠に恐縮ながら、私の日常を紹介させていただきます。
私のON
<ON①:仕事>
琉球大学医学部を卒業後、約10年間東海大学で診療に従事しております。初期研修2年目で第1子を出産し、後期研修中に2児を出産しました。入局時すでに子供がいたため、時短勤務で後期研修を開始しましたが、毎日が焦りと葛藤の連続でした。同期と経験・技能の差が開き、後輩にどんどん追い越されていく現実、他の医師に負担をかける働き方、母親としても医師としても中途半端な自分。もうやめてしまおうかと思っているときに、ある先輩が「時間がかかっても細々とでもいいじゃない。私たちとは別の景色を見てきたのはあなただけの強み。一緒にがんばろう。」と声をかけてくださいました。また、未来の同じような母親医師の道標になってほしいとも言われ、自分がこの先仕事を続けていく目的の一つにもなりました。その後、周りに比べてゆっくりマイペースではありましたが諦めずこつこつと後期研修を進め、同期に遅れること3年で産婦人科専門医を取得することができました。現在は周産期専門医取得を次の目標とし、これまたマイペースに日々奮闘しています。
<ON②:育児>
これはOFFでは?と思われるかもしれませんが、私にとっては完全にONです。現在、8歳、6歳、4歳の元気いっぱいの子供たちを育てております。日々闘いです。毎朝子供たちをたたき起こし、「ご飯食べてー!」「あれは持った?これは大丈夫?」の問答を繰り返し、小学校登校の見送り、朝食の後片付け。そして末娘を通勤途中に幼稚園まで送迎し、仕事へ。仕事が終わって待っているのは、子供のお迎え、習い事の送迎、食事の準備、掃除洗濯、お風呂に入れて寝かしつけ…完全にONです。また、保育施設に預ける時間が長い子供たちのために、仕事が終わった後の時間や休みの日のほとんどは彼らの習い事やその大会、イベントに奉仕しています。私よりも家事力の高い夫の力添えもかなり頼もしいところです。毎日があわただしく過ぎ去っていきますが、なんやかんやで楽しんでいる自分がいます。
外来にて

外来にて

次男は夜中の緊急カイザーでした。執刀はもちろん夫です。

次男は夜中の緊急カイザーでした。執刀はもちろん夫です。

神奈川県産科婦人科医会主催の、県内研修医のリクルートおよび産婦人科医同士の交流を目的としたセミナーに、毎年スタッフとして家族で参加しています。

神奈川県産科婦人科医会主催の、県内研修医のリクルートおよび産婦人科医同士の交流を目的としたセミナーに、毎年スタッフとして家族で参加しています。

私のOFF
フラメンコ教室の先生と友人と

フラメンコ教室の先生と友人と

最近の私の一番のOFFは体を動かしている時間です。若い頃は剣道やマラソンなど運動が生活の一部でしたが、出産、育児を言い訳に運動する機会がほぼ皆無になりました。これではまずいと、子供たちが習い事に行っている時間を利用して運動する時間を作りましたが、これが思いがけず楽しい!少し前まで筋トレおたくの夫を白い目で見ていましたが、今では体を鍛えるってなんと楽しいのだろうと改心いたしました。最近はフラメンコとキックボクシングを習い、仕事からも育児からも解放され自分と向き合えるこの時間が毎週楽しみで仕方がありません。
家族で剣道

家族で剣道

また、子供たちが始めたことをきっかけに剣道も再開しました。夫も剣道人であり、休日に家族で剣道をするのも楽しみの一つとなりました。仕事や育児が生活の基本となっておりますが、時間を捻出してでも自分と向き合う時間を楽しむことが、今の私のバランスを保つ鍵となっていると思います。
スローペースでも育児をしながら働いているこんな産婦人科医がいる、ということがこれから入局を考えてくださっている先生方の参考になればと思います。命を増やすお手伝いができる唯一の科に魅力を感じた医師の皆様、是非その目でその体で体験してみてください。お待ちしております。

2019年1月現在