公益社団法人 日本産科婦人科学会

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デング熱感染を心配している妊婦のみなさまへ

更新日時:2018年7月12日

平成26年9月11日

公益社団法人 日本産科婦人科学会
公益社団法人 日本産婦人科医会  

 

 国内で感染したと考えられるデング熱ウイルス感染が問題となっています。デング熱は予後の比較的良好な疾患であり、多くの方は一週間程度で回復しており、これまで国内で発症して死亡した報告はありません。今回、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、デング熱ウイルス感染の妊娠女性への影響と現時点での対応について検討いたしましたので、ご報告いたします。

 妊娠女性が感染した場合の影響については、流行が蔓延しているブラジルからの報告があり、妊娠女性が感染すると妊娠していない女性に比べて重症化しやすい傾向があり、妊娠後期ほど重症化しやすいとされています。しかし、2014年のWHO(世界保健機構)の発表では、重症化するのは感染者200名に1〜2名程度、死亡に至るのは感染者中約6000名に1名と推定されており、重症化すること自体の頻度が低いこと、わが国では過去約1500例の感染例のうち死亡例はないことから、過度に不安を抱く必要はないと考えられます。

 デング熱ウイルス感染が認められている地域の妊娠女性は下記の点について留意してください。

1.ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)に蚊に刺されないよう、長袖等を着るようにして注意しましょう。虫除けスプレー使用も有効と考えられます(妊娠中使用に関して問題ないとされています)。蚊にさされなければ感染はしません。もし感染しても、日本のように流行が小規模の地域では重症化率は高くないと考えられています。
2.デング熱の症状は突然の発熱、頭痛、筋肉痛とそれに引き続く発疹とされています。蚊に刺されてから3-7日後に高熱のほか、頭痛、目の痛み、関節痛等の症状が見られれば、デング熱の可能性もあるため、早めに医療機関を受診してください。デング熱では、血液検査で白血球減少や血小板数減少が認められることが多く、これらの検査はどの病院でも受けることができます。
 

参考:デング熱について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever.html

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