公益社団法人 日本産科婦人科学会

English
委員会情報
SUB MENU

平成21年度第2回倫理委員会議事録

更新日時:2018年8月2日

平成21年度第2回倫理委員会議事録

日 時:平成21年9月29日(火)午後6時30分~8時30分
場 所:日本産科婦人科学会事務局「会議室」
出席者:
   理事長:吉村 泰典
   委員長:嘉村 敏治
   副委員長:久具 宏司
   委 員:安達 知子、石原  理、大川 玲子、齊藤 英和、榊原 秀也、澤 倫太郎、柴原 浩章、
杉浦 真弓、竹下 俊行、阪埜 浩司、平原 史樹、堀  大蔵、山中美智子、渡部  洋
   陪席:苛原 稔リスクマネージメント委員会委員長

   嘉村敏治委員長より挨拶があり、委員会が開催された。
   前回議事録確認【資料1】
   嘉村敏治委員長:前回議事録に何かご意見があれば委員会の終了までに申し出られたい。
   委員会終了までに特に異議なく、第1回倫理委員会の議事録は承認された。

1. 登録関係報告
(1)本会の見解に基づく諸登録(平成21年8月31日)【資料2】
   ①ヒト精子・卵子・受精卵を取り扱う研究に関する登録:45研究
   ②体外受精・胚移植の臨床実施に関する登録:620施設
   ③ヒト胚および卵子の凍結保存と移植に関する登録:620施設
   ④顕微授精に関する登録:501施設
   ⑤非配偶者間人工授精に関する登録:16施設

   齊藤英和委員(登録・調査小委員会委員長)から、資料2に従って、諸登録に関する報告があった。年毎の新規登録施設は減少している。ARTオンライン登録状況は2007年が約16万件で、2008年は9月27日現在17万件と年々増加している。2007年度分報告書は登録・調査小委員会ホームページで公開し、機関誌9月号に掲載したことが報告された。
   新規開業に伴い凍結胚を前任施設から持ち出したというトラブルがあり、見解の修正を倫理委員会に提案し本日検討することにしている。
   登録施設からインフォームドコンセントに使用する説明書、同意書を簡略できないかとの提案があって検討し、説明書には問題がなかったが、同意書は体をなしていないため却下した。
   ARTオンライン登録画面を2010年からデータを取りやすいように修正してもらうことをUMINセンターに依頼したとの報告があった。

(2)着床前診断に関する臨床研究申請・認可について
   申請件数:138例[承認111例、非承認4例、審査対象外11例、照会中0例、取り下げ1例、審査中11例]
   (承認111例のうち3例は条件付)
   平原史樹委員(PGD審査小委員会委員長)から着床前診断に関する臨床研究申請・承認についての報告があった。

2.着床前診断に反対するシンポジウム出席報告(杉浦真弓委員)【資料3】
   杉浦真弓委員から9月5日に行われた第2回着床前診断に反対するシンポジウムにパネリストとして出席したことが報告された。
   昨年は東京、今回は京都で行われ、主催は神経・筋ネットワークで、出席していたのは患者さん団体がほとんどであったため、着床前診断に対する議論というよりも、神経・筋疾患をもつ患者さんに対する差別をなくして欲しいという訴えが中心であった。今回も、着床前診断を受けたい人について、着床前診断を行う立場で15分間話したことが報告された。
   吉村泰典理事長:出席者は何人ぐらいで、青い芝の会や矢野さんからは厳しい意見はなかったか?
   杉浦真弓委員:出席者は約50人程度で(あとで確認したところ80人を超えていたそうである)優生思想を問う会の矢野さんは見かけたが、発言はなかった。青い芝の会の方たちは脳性麻痺の診断は困難であるという私の発言に対して、診断可能かどうかの問題ではなく、自分たちを差別している社会に対して差別をなくしてほしいということをつよく訴えていた。全体として厳しい意見というより、自分たちを差別している社会に対する訴えであった。
   吉村泰典理事長:以前はかなり厳しい意見があった。
   杉浦真弓委員:以前とはかなり雰囲気が変わってきた。
   嘉村敏治委員長:この中には出生前診断の対象となるような重篤な遺伝性疾患をもった方もいるのか
   杉浦真弓委員:学会は重篤な遺伝性疾患とは遅くとも20歳までに死亡、もしくは寝たきりになる状態と定義しており、みなさんのように幸せに生きている方の人生を間引くつもりはないと説明した。しかし、自分も3歳までに死ぬと言われたがこうして不自由だけど、生きていると反論された。当時の医療レベルとは異なることなど、若干、誤解されていると感じたが、幸せだと絶えず言っていないと間引かれてしまうという彼らの切なる願いは感じられた。
   嘉村敏治委員長:どうもご苦労さまでした。

3.着床前診断に関するWG中間報告(竹下WG委員長)【資料4、5】
   竹下俊行委員:資料4が7月28日に行われたワーキンググループの議事録で、それをまとめたものが資料4-2である。資料4-2に従って議事録の説明を行った。
   1)着床前診断の審査において出生児あるいは死産児の検索により児の不均衡型転座が判明し、それにより両親のいずれかに均衡型転座が明らかになった場合、反復流産の有無に拘わらず審査の対象にする。
   2)化学流産、異所性妊娠は原則として流産と見なさない。
   嘉村敏治委員長:この1)、2)が着床前審査の対象に関することで、申請があったとき非常に悩まされるところである。何かご意見は。
   澤倫太郎委員:今まで審査対象外であったものを、審査の対象に挙げることを明確にしたということで、適応拡大したということではない。
   竹下俊行委員:着床前診断の対象は重篤な遺伝性疾患の保因者であり、不均衡転座の人は必ずしも重篤ではないということで、審査の対象から削った経緯がある。
   山中美智子委員:妊娠歴がなくて、両親のどちらかに均衡型転座がある場合は、審査の対象ではないと考えてよろしいか。
   竹下俊行委員:よろしい。
   平原史樹委員:これを見解として出すということか、あるいは運営上の問題として取り扱うのか。先日の理事会の後の記者会見では、承認した症例を呈示しており、あの中にはこのようなケースはワーキンググループに付託すると記載されている。あのケースはどうなったのかと質問されたら、答えなければならない
   嘉村敏治委員長:メディアは審査対象外に関して倫理委員会で検討を始めたということだけで適応を拡大する方針という見出しで報道したところもある。
   平原史樹委員:次回の記者会見でもそれに対する答えをまた聞かれる可能性がある
   久具宏司副委員長:見解をみると習慣流産に対する着床前診断に関することが書いてあって、その中に「染色体転座に起因する習慣流産を着床前診断の審査の対象とする」となっている。現在の見解からすると1)は習慣流産から外れることになり、少なくともタイトルを変えないといけなくなる。習慣流産に対する着床前診断ではなくて不均衡転座に対する着床前診断としなければならない。
   竹下俊行委員:先ほどの議論から、着床前診の審査委員会が重篤性の有無を審査すると言うことにすれば見解は変えないでいい。ただ、不均衡型転座の出生児の中にはあまり重篤ではないものもあるが、次の妊娠がどうかといわれると流産の危険性もある。
   吉村泰典理事長:数的異常はどうするのか。たとえば、3回流産して、4回目の流産児ではじめて精査したら、均衡型転座は認められないが数的異常があった。このような症例を重篤として取り扱うのか。今は、数的異常だけの症例では認められないと思うが
   竹下俊行委員:以前から着床前診断審査委員会では数的異常だけでは禁止になっていた。1例だけ非承認になっている。
   安達知子委員:見解で認められているのは染色体転座に起因する習慣流産となっているのでそのようなケースは認められないのでは
   平原史樹委員:1)に示した症例を重篤な疾患の扱いにするというコンセンサスを倫理委員会が持って頂ければ、着床前審査委員会はその運用をすることはできる。
   嘉村敏治委員長:見解を変えるか、追加するのか、このままでいくかということですが、重篤な疾患と言うことで、個々の症例を専門家の審査に任せるということであれば見解を変える必要はない。この場合、今まで審査対象外であったものが審査の対象としてあがってくることになる。
   平原史樹委員:大濱先生が着床前診断の審査委員長の時も個々の症例について、重篤な疾患と判断するかどうか,一つ一つの疾患がどうか、疾患がOKとしてもその症例はどうかの2段構えで審査していた。1)に示したような症例も重篤な疾患として審査してもよろしいというお墨付きをいただければ、着床前診断審査委員会で対象として個々に審査することができる。
   嘉村敏治委員長:先生の意見としては見解を変える必要はないということですね。
   平原史樹委員:1)に示したような症例も重篤な疾患の一つとして審査してもよろしいとワーキングが決めて頂いたことを、ここで認めて頂いて,理事会で承認して頂ければ基本的には問題ない。
   竹下俊行委員:実際は審査してきており,いろんな議論の上で最終的に審査対象外、ワーキングに付託するとしてきた。以前は非承認という言葉を使っていたが,非承認という言葉はいかがかという意見がでたので審査対象外となった。
   竹下俊行委員:死産と診断したときの週数について,12週、22週、24週など様々な意見が出たが,どこかに決めておかないと審査委員会が困るのではないか
   平原史樹委員:専門家もどこがいいのか一致した見解がない。
   嘉村敏治委員長:当面、現在の見解を変更することなく、1)に示したような症例は重篤な疾患として審査対象として個々に審査をするということでよろしいか。特に異議なく承認された。
   これについては,理事会で承認を得ることにする。
   死産と診断したときの週数については、もう少しワーキンググループで検討して頂くことでよろしいか。特に異議なく承認された。
   嘉村敏治委員長:2)については問題ないということでよろしいか。
   異議なく承認された。
   嘉村敏治委員長:3)、4)、に関しては如何か。
   吉村泰典理事長:今まで、報告が行われたかどうかのチェックはしていなかったのか。
   安達知子委員:年度末に報告するように書かれているが、全ての症例は報告されていない。
   吉村泰典理事長:以前発表された数字は非常に少なく、全ての症例を把握しているとは思えない。データは1年に1回ずつ発表した方がよい。
   竹下俊行委員:どこの部署でデータを取るかを決めて頂ければ明確となる。ただし、実際は日産婦事務局にして頂いている。
   吉村泰典理事長:今まで、データが出ていなかった訳だから、今あるデータをまとめることで、いろんな問題が見えてくると思う。
   竹下俊行委員:2008年分に関してはきちんとしているが、それ以上遡ることは無理。
   嘉村敏治委員長:今後、前方視的にデータを集めていくということで、今回、データを取りやすいように書式を変更したこの報告書でよろしいか。また、不都合があればその時点で変更していくということでよろしいか。特に異議なく承認された。
   5)についてはワーキンググループで継続審議ということですのでよろしくお願いしたい。

4.出生前診断の適応に関する諮問ワーキング設置のお願い(平原史樹委員)【資料6】
   平原史樹委員から、資料6に従って出生前診断の適応に関する諮問ワーキング設置の主旨について説明があった。
   1988年に日本産科婦人科学会より示された先天異常の胎児診断、妊娠絨毛検査に関する見解は2007年に小改訂は行われたものの、この20年間、基本事項は踏襲されている。大きな問題は1999年に母体の血清マーカーが議論になったとき、最終的には厚生労働省から、あまり検査は進められないというニュアンスの見解が出て、日本産科婦人科学会も承認した。このかなり昔の見解を踏襲していて良いのか。また、2003年に遺伝学的検査ガイドラインが出されているが,来年11月の人類遺伝学会に向けて改訂案を作ることになった。出生前診断に関しては日本産科婦人科学会が中心に議論を進めて、遺伝学的検査ガイドラインに盛り込みたいと伝えている。出生前診断としては、絨毛染色体検査、羊水検査,着床前検査、母体血清マーカーなどがあり,スクリーニングに関する検査について大きく変わるとは思えないが,現在の化学的な進歩に併せて見直してみようと提案した。
   特にずれがあるのは、母体の血清マーカーで、1999年の厚労省の見解で、日本産科婦人科学会も検査はあまり進められないし、あまり意味がないとしてきた。また、医師はそれを説明する必要もないとなっている。2007年ACOGでは全妊婦に必ず伝えなければならない.また、ヨーロッパでもこの検査を説明すべきとなっており先進国の中でずれがある。検討・見直しをした上で遺伝学的検査ガイドラインに盛り込みたい。
   資料の2枚目にあるようにワーキングメンバーを決めて頂きたい。実務ワーキングは4~5名で叩き台を作って,倫理委員会で全体的な検討を頂きたい。その中に、有識者、法律の専門家、生命倫理の人なども入ってもらった方がよいのかどうかも検討して欲しい。ワーキングメンバーで検討したものを10学会のメンバー、有識者などに検討して頂き、その後倫理委員会、常務理事会、理事会へ提出したいと考えている
   嘉村敏治委員長:来年の人類遺伝学会に向けて検討するということでよろしいのか
   平原史樹委員:遺伝学的検査ガイドラインは資料6に載っている10学会が承認しているので、ガイドラインに盛り込まれた場合、この10学会が承認したことになる。
   平原史樹委員:資料6の四角で囲った部分は、今年京都で行われた日産婦学会の時に結成された連絡会のメンバーである。
   吉村泰典理事長:この世話人の方に検討頂いて、産婦人科学会の考え方を出して、それを10学会に提出するとか,相談するとかして見直しを行って頂きたい。
   澤倫太郎委員:告知義務等の問題があり、法的な専門家に入って頂いて検討してはどうか。
   平原史樹委員:外部の法的な人、有識者、非医師のメンバーなどをどうするか
   吉村泰典理事長:最初から、そのような方を入れると検討に時間がかかる可能性がある。産婦人科のメンバーで作って頂いて,後で、法的な人、生命倫理の人などいれて話し合う方が早いと思う。
   平原史樹委員:その人選は
   吉村泰典理事長:私が考える。ある程度ガイドラインの大枠ができたら見させて頂いて、その後に3人程度の法的な人、生命倫理の人を考える。
   平原史樹委員:では実務ワーキングで動き始める。
   吉村泰典理事長:母体保護法との関係もあるが、このメンバーでまず考えて頂いて、その後、関係各機関と相談するということでよろしいのでは。
   嘉村敏治委員長:この人選に関しては次回の常務理事会で承認を得る。

5.リスクマネージメント委員会報告(苛原稔リスクマネージメント委員会委員長)【資料7】
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長より委員会報告があった。本年2月の理事会で生殖内分泌委員会の中にリスクマネージメント委員会を設けて,昨年発生した卵の取り違えなど、生殖補助医療を巡るリスクに関して、何らかの見解にまとめるように指示された。そこで、今回、平成18年に発表された見解の見直しを行い、先般来の問題点、わかりにくいところ、さらに、厚労省と自治体が行っている特定不妊助成事業の実施要項などを勘案し、改定作業を行ったとの説明があった。
   資料7に従って、生殖補助医療実施医療機関の登録と報告に関する見解の改訂案が示された。
   吉村泰典理事長:1. 3)はどのように変更したのか
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長:全ての症例を詳細に報告することになっていたが,全て詳細にを省略した。
   委員の中からは、具備すべき施設・設備要件が簡単すぎるという意見もあったが、見解はこの内容にしておいて、別に指針などで示した方が委員会などでいつでも変更可能なことから,最終的にこのような内容となった。
   久具宏司副委員長:以前の見解では実施責任者の要件として、専門医取得後不妊診療に2年以上従事した者という文言が、今回の見解では省略されている。以前の見解では医師になって、最短で7年以上経過した者という縛りがあるが、今回では専門医取得後、すぐに(卒後5年)実施責任者になれるということになるがこれで良いのか。
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長:そこが問題ですが,そのために④生殖専門医であることが望ましいを付けた。
   安達知子委員:望ましいはなくても良いのでは、何で②をとったのか。
   吉村泰典理事長:国の特定不妊治療費が問題になったときに、生殖医療専門医を入れるかどうか、不妊認定看護師を義務付けるかどうかが問題となった。「そういう人がいるところでなければ国はお金を出さない」という問題があったので,厚生労働省での議論を踏まえて、生殖内分泌委員会ではこのような文言で作られたと理解している。
   本来なら生殖医療専門医であることとしても良いと思うが実施登録施設は半減する。だから望ましいとなったと思う。
   安達知子委員:生殖医療専門医であることが望ましいという文章より,以前の②を残した方が良いのでは.④のままでは拘束力がない。
   齊藤英和委員:②のあとに専門医取得後とされてはどうか。
   安達知子委員:①のところに専門医取得後2年以上従事した者をいれては。
   吉村泰典理事長:②に入れると複雑になるので、①を産婦人科専門医であり,専門医取得後、不妊診療に2年以上従事した者としたらよい。
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長: 3.1)の基準要員の所だが、医師と第2の医師または胚培養士とのダブルチェックというイメージが届くかどうか。
   安達知子委員:これを見ると実施医師と看護師がいれば、できるような気がするが。
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長:実施責任者と実施医師が同じであってもいいが,誰かもう1人いて欲しいと言う希望を示している。それが第2の医師または胚培養士であって欲しい。
   久具宏司副委員長:④の医師あるいは胚培養士の前に「①以外の」を入れては
   齊藤英和委員:看護師は国家資格であるので、ダブルチェックするためには看護師でも良いのでは。
   吉村泰典理事長:ダブルチェックをすることが重要で、最低限、医師と看護師の2人で良いと思う。文章としてはこのままでよい。
   嘉村敏治委員長: 3.1)はこのままにするということでよろしいか。異議なく承認された。
   久具宏司副委員長:6,3 について、「日本産科婦人科学会に報告された実施症例のデータは学会に帰属し,その管理、公開、その他の使用に関する責任は日本産科婦人科学会が負うものとする」 に変えた方が良い。異議なく承認された。
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長:今でも分娩室を兼ねている施設があるのか。
   齊藤英和委員:最初は分娩室を兼ねていた人がいるが、現在ではいないのではないか。
   久具宏司副委員長:好ましくないではなく,兼ねてはいけないと書いて良いのでは。4.1)③実施責任者が兼ねてはいけないにすべきである。
   嘉村敏治委員長:6 2(1)実施場所の採卵室、培養室、移植室はコンマにしたほうがよい。
   吉村泰典理事長:4 1)①「不妊治療としての・・・・・特に」は削除すべきである。
   山中美智子委員:5.4)不妊治療に係わる記録ということは,着床前診断された症例は、ここの長期のフォローアップに含まれないということになるのか。
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長:着床前診断は想定していない。ARTの症例が対象で、特殊なものは想定していない。
   久具宏司副委員長:不妊治療にかかる記録を、「生児が得られた症例の記録については」と変更した方が良い。
   平原史樹委員:5.1)は経過を把握すること、2)は経過について報告を受けるとなっている.両方とも把握することに統一したほうがよい。2」の「妊娠した患者を紹介し」は省略しても良いのでは。5)定期的には1年毎など具体的に書いた方が良い。
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長:毎年と入れるか、逆に定期的を省略して1年ごと報告するように指導しても良い。
   平原史樹委員:1)自医療機関、2)自施設などの言葉を統一してわかりやすいように。
   吉村泰典理事長:報告を受けて把握する義務がある。そのあたりもわかりやすい表現に変更するように。ダブルチェックをするということ必ず入れるように。
   苛原稔リスクマネージメント委員会委員長:ダブルチェックは強調するために、新たに項を起こして「本医療を実施するためには必ずダブルチェックを行う体制を整えておくこと」といれることにしたい。
   吉村泰典理事長:今回改訂を行う目的の一つだから、どこかに必ず入れてください。
   平原史樹委員:安全管理の実施、または運用という項目を立てて,調査表を必ず埋めなさいとか、ダブルチェックを必ず行いことなどを入れたらどうか
   吉村泰典理事長:最後に大きな7番をたててそこに入れてください。
   久具宏司副委員長:具備すべき施設・設備要件の(3)診察室、処置室は省略しても良いと思う。
   嘉村敏治委員長:今までの意見を参考にして訂正の上、メールで意見を聞いて頂いて、最終案を作ってもらいたい。
6.登録・調査小委員会より要望【資料8】
   久具宏司副委員長より岐阜であった凍結胚移動に関するトラブルについて説明があり、この症例では、患者さんに無断で凍結胚を移動したことが問題であった。そのことについて、今までの見解では触れられていない、また、見解を見直すとET施行施設の条件についての記載もないことが分かった。そこで、生殖補助医療実施医療機関の登録と報告に関する見解の1.具備すべき要件と設備のところに資料8のような文言を追加したい。また、ヒト胚および卵子の凍結保存と移植に関する見解のいずれかの場所に「凍結卵子は卵子の由来する女性に,受精卵はその両配偶子の由来する夫婦に帰属する」の文言を追加したいとの提案があった。
   吉村泰典理事長:平岩顧問弁護士には相談したのか
   久具宏司副委員長:平岩先生からの所見を受けて資料(番号無)のように「凍結されているヒト胚および卵子の保管者は医療機関である(施設)」を追加したい。
   吉村泰典理事長:入れておいた方が良いと思う。具体的にはどこに入れるのか。
   久具宏司副委員長:生殖補助医療実施医療機関の登録と報告に関する見解改定案の1.1)のここでいうARTとはの後に入れたい。
   吉村泰典理事長:卵子の凍結はどこに入れるか
   久具宏司副委員長:見解113ページ2.と3.の間に入れる予定である。
   嘉村敏治委員長:他に意見がなければこの改訂案についてはよろしいか。異議なく承認された。
   苛原先生には、これを入れ込んだ形で生殖補助医療実施医療機関の登録と報告に関する見解改定案の最終版の一つ前の段階を皆さんにメールで送って頂いて、ご意見を聞いた上で最終版を完成して欲しい。また、久具先生にはヒト胚及び卵子凍結と移植に関する見解の改定案を作成して頂いて、メールで意見を聞いて欲しい。
7.その他
   特になし

   嘉村敏治委員長より閉会の言葉があり会を終了した。
   資 料:
   1.前回議事録案
   2.登録・調査小委員会報告
   3.着床前診断に反対するシンポジウム
   4.着床前診断に関するWG議事録案
   5.着床前診断実施報告書案
   6.出生前診断の適応に関する諮問ワーキング設置のお願い
   7.生殖補助医療実施医療機関の登録と報告に関する見解改定案
   8.登録・調査小委員会より見解改定案

このページの先頭へ