公益社団法人 日本産科婦人科学会

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平成28年度第2回倫理委員会議事録

更新日時:2018年8月2日

平成28年度第2回倫理委員会議事録

日 時:平成28年8月23日(火)午後6時30分~8時30分
場 所:日本産科婦人科学会事務局「会議室」

出席者(敬称略)
   委員長:苛原  稔
   副委員長:久具 宏司
   主務幹事:桑原  章
   理事長:藤井 知行
   委 員:石原  理、内田 聡子、齋藤  豪、齊藤 英和、榊原 秀也、佐藤 美紀子、
澤 倫太郎、関沢 明彦、竹下 俊行、寺本 瑞絵、原田 省、平原 史樹、森重 健一郎、
山中 美智子、吉野  修
欠 席:杉浦 真弓委員、阪埜 浩司委員

 定刻に、苛原委員長が開会を宣言し、平成28年度第1回倫理委員会議事録(案)【資料1】を確認した後、報告・協議事項に移った。

1. 登録関係
(1)本会の見解に基づく諸登録(平成28年7月31日現在)
 齊藤委員より、登録・調査小委員会の諸登録【資料2】について報告があった。

(2)医学的適応による未受精卵子および卵巣組織の採取・凍結・保存に関する旧見解における既登録施設への対応について
 桑原委員より、「医学的適応による未受精卵子および卵巣組織の採取・凍結・保存」の登録施設に対し、「医学的適応による胚の凍結」を既に実施している、あるいは今年から始める場合の移行措置として、簡易的審査を行うこと【資料3-1、3-2】が説明され、了承された。

(3)医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)および卵巣組織の凍結・保存に関する調査と、医学的適応のない未受精卵子、胚の凍結・保存のアンケート調査について
 桑原委員より、見解および生殖内分泌委員会の指針に基づき、全ART登録施設を対象とした調査を行う予定であることが説明された。

(4)ART実施状況、凍結受精卵の保管状況が不明となっている登録施設について
   齊藤 英和委員:ART登録抹消する場合は、施設内に胚などが無いことを確認したうえで、ART実施責任者が登録抹消申請をすることになっているが、最近、様々な経緯で、手続きが無い、あるいは連絡、意思の疎通が取れないまま、施設閉鎖や取り扱いを止める施設が多くなっている。地方連絡委員を通じて、詳細を確認、注意喚起することが増え、何度連絡しても、適切な対応を取らない施設など、混乱も見られる。加えて、ART管理責任者が不在のまま、施設内で胚の保管が続くケースもあり、これまでの制度では対応できないことが増えている。
   久具 宏司副委員長:施設内に胚が残っているままART登録責任者不在となるケースが懸案となっている。胚の所有権が夫婦に帰属すること、医療施設はその管理を委託されていることを当該施設の管理者などに注意喚起し、期日を決めて、それまでに廃棄、移送などの手続きを取るよう促し、その期日までに返事があればそれで登録抹消、返事が無くても学会としては登録を抹消することとしてはどうか。
   苛原 稔委員長:当該施設が胚の管理責任を問われる可能性があると注意喚起を行い、期日までに回答が無くても、登録抹消することでよいと考える。
   石原 理委員:施設毎に対応が異なると不公平になるので、内規を定めておく必要があると考える。
   苛原 稔委員長:11月の倫理委員会までに、内規(案)を作成していただきたい。

(5)着床前診断に関する臨床研究申請・認可について
 平原委員より、着床前診断に関する審査小委員会の結果【資料5】が報告された。
   森重 健一郎委員:副腎白質ジストロフィー症例に関して、これまでの重篤性に関する判断と矛盾が無いか確認したい。
   平原 史樹委員:その件に関していま、専門家の意見を確認している。一般論であるが、対象疾患が広がり、疾患に関する新しい知見が増え、治療法も変化している現在、これまでと同様の考え方で重篤性を判断することができない症例も増えている。倫理委員会で再検討の必要性が検討されていると理解している。

(6)外部検査委託の着床前診断に関するディスカッションについて
 平原委員より、【資料6】に関して説明があった。

2. 会員の見解違反に対する対応について
 苛原委員長より、アクトタワークリニックの松浦会員が行ったPGSに関する事情聴取【資料7】に関して、報告があった。松浦会員からの始末書を受け取ったうえで、理事会に報告し、その処分を検討する予定であることが報告された。

3. 日本産科婦人科遺伝診療学会学術講演会における「生殖医療に関する遺伝カウンセリング受入れ可能な臨床遺伝専門医講習会」の開催について
 平原委員より、今年度の「生殖医療に関する遺伝カウンセリング受入れ可能な臨床遺伝専門医講習会」の開催について説明があった【当日配布資料】。倫理委員会から理事会へ報告・協議される予定であることが説明された。

4. PGS臨床研究について
 竹下委員より、現在のPGS臨床研究の進捗状況に関する説明があった。

5. 倫理委員会昨年度の総括、今年度の予定について
 苛原委員長より、昨年度の総括、今年度の予定に関して説明があった【資料8】。

6. その他
 最後に、次回倫理委員会は平成28年11月22日(火)18時30分より、学会事務局会議室において開催予定であることを確認し、定刻に会議を終了した。

【資 料:】
1. 平成28年度「第1回倫理委員会」議事録(案)
2. 「登録・調査小委員会」報告
3-1.医学的適応見解改定による胚(受精卵)実施登録申告依頼書案
3-2.「医学的適応による胚(受精卵)登録申告書」案
4. 青森、東京の本会地方連絡委員に対するART実施登録施設についての調査依頼状、青森地方連絡委員からの回答など
5. 「着床前診断に関する審査小委員会」報告(答申書、議事録など)
6. 「着床前診断に関する意見交換会」記録
7. 松浦医師に対する事情聴取記録
8. 倫理委員会H27総括、H28計画案
9. 報道記事など ※当日配布資料:「生殖医療に関する遺伝カウンセリング受入れ可能な臨床遺伝専門医」今年度の取り扱いについて

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