公益社団法人 日本産科婦人科学会

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令和元年度第1回倫理委員会議事録

更新日時:2019年8月28日

令和元年度第1回倫理委員会議事録

日 時:令和元年5月14日(火)午後6時30分~8時15分
場 所:日本産科婦人科学会事務局「会議室」

出席者
   委員長:苛原  稔
 副委員長:三上 幹男
   主務幹事・委員:桑原  章
   委 員:石原 理、織田 克利、河端 恵美子、久具 宏司、倉澤 健太郎、桑原 慶充、
     齊藤 英和、榊原 秀也、佐藤 美紀子、関沢 明彦、竹下 俊行、寺田 幸弘、
     山上 亘
 欠席者:澤 倫太郎、杉浦 真弓、阪埜 浩司、山中 美智子
<敬称略>
 

 定刻に、苛原委員長が開会を宣言し、平成30年度第6回倫理委員会議事録(案)【資料1】を確認後、定例の検討を開始した。

1.登録関係
(1)本会の見解に基づく諸登録<平成31年4月30日現在>
 齊藤委員より、登録・調査小委員会の諸登録について報告があった【資料2】。

(2)着床前診断に関する臨床研究申請・認可について
 榊原委員より、PGD審査小委員会結果が報告された【資料3-1】。
 また、小委員長より、倫理委員会に対して、施設申請1件、症例申請1件、疑義照会1件について諮問があり、審議の結果、何れも承認となった。

(3)着床前診断の実施に関する細則の改定案について
 榊原委員より、PGT-A特別臨床研究の進捗状況に合わせて、着床前診断に関する見解細則変更案【資料3-2】が説明された。

 苛原  稔委員長:現在、学会見解でPGT-Aを実質的に禁止しながら、臨床研究として学会主導で行っている状況である。この矛盾を解消するため、見解あるいは細則に補足を追加してはどうかとの指摘を受けていた。今回、パイロット試験が終了し、次の段階を迎えつつあるので、この機会に、見解細則に加えておくことを提案したい。特に異論が無ければ、原案のまま理事会で検討してみることとしたい。

(4)着床前診断の実施に関するQ&AのHP掲載について
 榊原委員より、着床前診断の実施に関するQ&A【資料3-3】の説明があり、掲載することとなった。

2.臨床研究審査小委員会について
 三上副委員長より、小委員会での各審査結果【学会ホームページに掲載】が説明された。
 また、周産期専門委員会でのデータベース払い出し許諾審査結果の漏洩が疑われる案件【資料4-1】が報告され、運営委員会でさらに検討することが報告された。また、滋賀医科大における「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に関連する問題の結果【資料4-2】が説明された。

3.PGT-Aに関する小委員会について
 竹下委員より、前回実施されたPGT-Aに関する小委員会議事録が報告された。小委員会では、現在のパイロット試験の結果が報告され、その結果と経験を踏まえると、当初計画していた次期研究をRCTで行うことは、倫理的にも、実務上も困難であるため、適応のある症例にPGT-Aを行い、その実施例のサブ解析を行うことが適切であると判断されたことが報告された。さらに、現在草案中の次期研究計画書、研究参加の可能性のあるART施設、解析を行う施設に求められる要件が示された【資料5-1、5-2、5-3】。

 苛原  稔委員長:理事会で承認が得られたら、研究に参加する施設、検査施設に説明し、研究報告書を整えて、臨床研究審査小委員会で審議していただきたいと考えている。
 

4. 母体血を用いた出生前遺伝学的検査について

 久具 宏司委員:母体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する指針案、指針施行細則案を【資料6-1~6-7】に示す。これまでにいただいたご意見をもとに、数多くの修正を加えた。本日の委員会では、以下の2点に関して検討していただきたい。1つめは、関連施設で行える範囲である。関連施設でNIPT陽性となった症例を必ず基幹施設へ紹介するのか、実施可能であれば関連施設でカウンセリングを行い、羊水検査などをおこなっても良いことにするのかご検討いただきたい。2つめは、関連施設で行われるカウンセリングを「遺伝カウンセリング」とするのか、別の表現とするかである。「遺伝カウンセリング」という言葉を使わないことによる誤解を招かないために、前文の説明も加えている。加えて、関連施設でNIPTを行うことを許可するための講習会として、「日本産科婦人科遺伝診療学会が行う講習会」がそれに該当すること、施設の審査に必要な費用を賄うために、審査料を集めることもご検討いただきたい。
 苛原  稔委員長:慎重な審議が必要なので、次回理事会で原案を提案し、定時総会時の理事会に最終成案を提出する予定としたい。
 関沢 明彦委員:「遺伝カウンセリング」という言葉は残して、NIPTを実施する産婦人科が行う「遺伝カウンセリング」とはどういうものか、どういう人が行う事ができるかを定義した方が良いと考える。一方、県内に基幹施設が無い地域もあり、関連施設でも羊水検査などが行えるのであれば、一貫した治療を行うことを可能とした方が良いと考える。。
 苛原  稔委員長:他に意見がなければ、「遺伝カウンセリング」という言葉は残し、関連施設でも羊水検査などが行えるのであれば一貫した治療を行うことを可能として倫理委員会案をまとめたい。「日本産科婦人科遺伝診療学会が行う講習会」を明記すること、施設審査料を集めることも検討したい。
 石原  理委員:特定の学会が開催する講習会のみではなく、他の講習会を受講した場合なども含め、あくまでも本会が最終的に認めることを基本にしていただきたい。
 

苛原委員長が2年間の成果まとめを説明し、20時15分に会議を終えた。
 

【資 料:】
1.  平成30年度「第6回倫理委員会」議事録(案)
2.  「登録・調査小委員会」報告
3-1. 「着床前診断に関する審査小委員会」報告(照会事項、議事録、過去の症例一覧)
3-2. 着床前診断の実施に関する細則改定案[赤字部分]
3-3. 着床前診断の実施申請に関するQ&AのHP掲載画面(案)
4-1. 研究計画2018-38に関する周産期専門委員会でのデータベース払い出し許諾漏洩の件について
4-2. 滋賀医科大の件について
5-1. 第15回PGT-Aに関する小委員会議事録(案)
5-2. 特別臨床研究実施計画書案、他
5-3. PGT-A解析外部委託における留意事項
6-1. 修正の概要と今後の道のり(2/14の倫理委員会からの修正事項と、今回の倫理委員会で決める必要のある事項について)
6-2. 指針案1
6-3. 指針案2
6-4. 指針施行細則案
6-5. 申請書(新規・更新・辞退)一式、および認可証(案)、申請書(新規・更新・辞退)一式、および認可証(案)、様式1-1~6、2-1~7、3、4、5、A1、A2
6-6. 指針を会告として会員に提示する際の前文(案)
6-7. 日本産科婦人科遺伝診療学会について
7.  医療法改正等の経緯と検体検査の精度の確保に係る基準について

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