日 時:平成31年3月26日(火)午後6時30分~8時
場 所:日本産科婦人科学会事務局「会議室」
定刻に苛原委員長が開会を宣言し、平成30年度第5回倫理委員会議事録(案)【資料1】を確認した後、定例の検討を開始した。
1.登録関係
(1)本会の見解に基づく諸登録<平成31年2月28日現在>
齊藤委員より、登録・調査小委員会の諸登録について報告があった【資料2-1】。
(2)堀病院のART登録について
齊藤委員より、登録停止となっていた当該施設において、保管が続いていた胚に関連する事案が解決したため、残っていた胚が廃棄されることを前提に、当該施設の登録抹消を行うことが報告された【資料2-2】。
(3)着床前診断に関する臨床研究申請・認可について
榊原委員より、PGD審査小委員会の結果が報告された【資料3-1、当日差し替え資料1】。
(4)着床前診断に関する細則、様式改定案について
榊原委員より、着床前診断に関する細則、様式改定案【資料3-2】が説明され、了承された。特に異論なく、次回理事会で協議を行い、承認されれば、見解細則の変更を実施することとした。
苛原 稔委員長:議事次第にはないが、申請施設から倫理審査委員会を電子会議システムで行うことの可否に関する問い合わせがあった件に関して、現状を説明したい。本会見解には、電子会議システムの可否に関する記載はなく、学会内でも解釈に意見が分かれる状況であった。そこで、改正倫理指針を示している厚労省に確認したところ、最近議論されているゲノム編集に関する倫理審査においては、電子会議システムを認めているとのことであった。したがって、今後、本会においても電子会議システムを可とする方向としたい。
桑原 章委員:電子会議システムという形態が、電話会議なのかテレビ会議なのか、Web会議なのか検討が必要と思われる。電話での持ち回り会議では成立しないと思うが、いかがか?
倉澤 健太郎委員:ICT化に関する一例として、特定の診療報酬算定において行政職が参加するカンファレンスを行うことが必須とされるが、行政職が病院まで出向くことが困難であれば、Web会議でよいとしていることを紹介したい。
石原 理委員:Skypeであれ、専用の会議システムであれ、システムの要件は問わないと考える。
苛原 稔委員長:いずれにしても、議事録をしっかり残すことが必要と考える。
(5)医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)および卵巣組織の凍結・保存に関する見解の細則改定案について
桑原委員より、前回会議での意見を受け、卵子と胚の凍結のみを行う施設でIRB審査を省略できることを可能とするのみであれば、見解は変更せず、細則を変更する案【資料4】が提案された。特に異論なく、次回理事会で協議を行い、承認されれば、見解細則の変更を実施することとした。
2.臨床研究審査小委員会について
三上副委員長より、小委員会での各審査結果が報告された。
3.PGT-Aに関する小委員会について
竹下委員より、PGT-A臨床研究の現状が説明された【当日資料1】。
苛原 稔委員長:パイロット研究がほぼ終了したところである。この研究の最終データと次期研究に関して、竹下先生とも相談のうえ、次回倫理委員会に示したい。
4. 母体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する検討委員会について
久具委員より、NIPT改定指針案が理事会に示されたこと、理事会で本案に対するパブリックコメントを募集することが説明された。
苛原 稔委員長:改定案は、日本医学会、日本医師会、日本産婦人科医会、日本小児科学会、日本人類遺伝学会へも示している。本日までに、学会HPおよびBabyプラスに寄せられた意見に加えて、日本医学会、日本小児科学会からの文書による回答が得られている【当日資料2】。その他の団体からいただいた意見、学会HPおよびBabyプラスに寄せられた意見を参考に、原案を修正し、次回倫理委員会で説明したい。
関沢 明彦委員:日本人類遺伝学会、NIPTコンソーシアムも意見を提出する準備をしている。
苛原 稔委員長:修正案を改めて関連団体へも説明し、6月をめどに最終案を理事会に示したいと考えている。また、理事会の了承が得られれば、Babyプラスに寄せられた多数の意見を集計して公表したい。
次回委員会は、5月14日(火)18時30分より学会事務局会議室において開催予定であることを確認し、20時に会議を終了した。
【資 料:】
1. 平成30年度「第5回倫理委員会」議事録(案)
2-1. 「登録・調査小委員会」報告
2-2. 堀病院のART登録について
3-1. 「着床前診断に関する審査小委員会」報告(照会事項、議事録など)
3-2. 着床前診断の実施に関する細則、様式1、様式2-1、様式2-2、様式4改定案
4. 医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)および卵巣組織の凍結・保存に関する見解の細則改定案
当日資料1 PGT-A関連資料
当日資料2 NIPT改訂案に関するパブリックコメント、日本小児科学会の見解、日本医学会からの回答