日 時:平成27年8月4日(火)午後6時30分~8時
場 所:日本産科婦人科学会事務局「会議室」
苛原委員長が開会を宣言し、委員長、理事長からの挨拶に続いて、各委員が自己紹介を行った。平成27年度第1回倫理委員会議事録(案)【資料1】を確認した後、定例の報告・協議事項に移った。
1. 登録関係
(1)本会の見解に基づく諸登録(平成27年7月31日現在)
齊藤委員より、登録・調査小委員会の諸登録について【資料2】に基づき報告があった。加えて、2013年日産婦ART登録・日産婦誌9月号掲載予定の内容が説明された【資料10】。
(2)着床前診断に関する臨床研究申請・認可について
平原委員より、着床前診断に関する審査小委員会の結果が報告された【資料3】。特に、本年6月の見解・細則の改定を受けて、審査方法が変更されたことが説明された。
2. PGS特別臨床研究の実施について【資料4】
竹下委員より、PGS臨床研究をRCTとして行うために、統計、臨床検査の専門家と相談したところ、パイロット試験を行う必要性を指摘され、【資料4】のようなパイロット試験の提案があった。
藤井 知行理事長:160例必要なのか?
苛原 稔委員長:症例数は限定したいが、年齢と生検時期(割球か胚盤胞)、合計4群で検討すると、一群40例、合計160例となる。
藤井 知行理事長:現在、他の国では生検時期はどちらが多いのか?
竹下 俊行委員:多くは胚盤胞である。もう一つ、プライマリーエンドポイントとして、20週が適切かどうかの議論もいただきたい。
石原 理委員:12週で切るか、20週なのか、どちらかにした方がよい。いずれにしても、セカンダリーアウトカムとして分娩までは経過を追うこととなる。
次回、PGS小委員会を開催し、詳細を検討して、最終案をまとめ、パイロット試験を実施することが了承された。
3. 日本遺伝カウンセリング学会における発表に関する対応について
苛原委員長より、日本遺伝カウンセリング学会で大谷徹郎会員がPGSを実施したことを明らかにした発表【資料5】があったため、本会に本人を呼んで、事情の説明を求めることが提案され、了承された。内容は理事会に報告し、対応を協議することとなる旨説明された。
4. 出生前診断に関する患者団体(神経筋疾患ネットワーク)との意見交換について
苛原委員長より、本日の本委員会の直前に、神経筋疾患ネットワークのメンバーと苛原委員長、久具副委員長、平原委員、桑原幹事が参加して意見交換が行われたこと、その内容は建設的で、有意義であったこと、今後も定期的に意見交換を行う予定であることが報告された。
5. 委員会提案(「着床前診断」に関する見解、実施に関する細則、様式の改定ならびに「非配偶者間人工授精に関する見解」の表題ならびに内容の一部表記変更)への会員からのご意見に対する回答について
苛原委員長より、6月の総会で決議された表記提案に関して、会員の方から意見を頂いたので、それに対する返事を送ることが説明された【資料6】。
6. 「『生殖医療に関する遺伝カウンセリング受入れ可能な臨床遺伝専門医』認定講習会」の収支報告について
平原委員より、【資料7】のように収支報告があった。今後は12月に発足予定の産婦人科遺伝診療学会との共催などを検討することも提案された。
7. 今期の倫理委員会の検討課題について
苛原委員長より、【資料8】のように今期の課題が解説された。さらに、現行倫理委員会規約改定案が説明され、次回倫理委員会で成案をまとめて、理事会で最終確認する予定であることが説明された。
最後に、今期の開催スケジュールは下記の予定であることが説明され、20時に会議を終了した。
「平成27年度第3回倫理委員会」:11月17日(火)
「平成27年度第4回倫理委員会」:平成28年2月23日(火)
「平成27年度第5回倫理委員会」:平成28年3月29日(火)
「平成28年度第1回倫理委員会」:平成28年5月10日(火)
いずれも18時より、学会事務局会議室において開催予定
【資 料:】
1. 平成27年度「第1回倫理委員会」議事録(案)
2.「登録・調査小委員会」報告
3.「着床前診断に関する審査小委員会」報告
4. PGS特別臨床研究提案
5. 日本遺伝カウンセリング学会抄録より抜粋
6. 会員からの意見に対する返答文案「着床前診断に関する見解(改定案)」、「提供精子を用いた人工授精に関する見解(改定案)」
7. 「『生殖医療に関する遺伝カウンセリング相談受入れ可能な臨床遺伝専門医』認定講習会」講習会収支
8. 平成27年度倫理委員会検討概要
9. 倫理委員会規約(改定案)
10. 「平成26年度倫理委員会 登録・調査小委員会報告」学会雑誌第67巻9号掲載用原稿