公益社団法人 日本産科婦人科学会

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平成29年度第2回倫理委員会議事録

更新日時:2018年8月2日

平成29年度第2回倫理委員会議事録

日 時:平成29年8月10日(木)午後6時30分~8時20分
場 所:日本産科婦人科学会事務局「会議室」

出席者
   委員長:苛原  稔
   副委員長:三上 幹男
   主務幹事:桑原  章
   委 員:石原  理、織田 克利、久具 宏司、倉澤 健太郎、桑原 慶充、齊藤 英和、
榊原 秀也、佐藤 美紀子、澤 倫太郎、関沢 明彦、竹下 俊行、寺田 幸弘、山上  亘、
山中 美智子
欠 席:河端 恵美子、杉浦 真弓、阪埜 浩司
(敬称略)

 定刻に苛原委員長が開会を宣言し、平成29年度第1回倫理委員会議事録(案)【資料1】を確認した後、定例の報告・協議事項に移った。

1. 登録関係
(1)本会の見解に基づく諸登録(平成29年7月31日現在)
 齊藤委員より、登録・調査小委員会の諸登録について報告があった【資料2-1】。

(2)平成28年度倫理委員会登録・調査小委員会報告(学会雑誌9月号掲載)について
 齊藤委員より、2015年ART統計データがまとまり、日産婦誌に掲載予定であること、昨年同様、英文はRMBに投稿予定であることが報告された。2015年ART未登録施設4施設を未回答施設として明記するが、2施設は催促しても未登録であり、理事会後に対処予定であることが報告された【資料2-2】。

(3)ART施設審査オンラインシステム、癌生殖データベースについて
 桑原委員より、ART施設審査に関して、事務作業が多く煩雑なので、オンライン審査システム開発が提案され、了承された。また、癌生殖(卵子、胚、卵巣の凍結)症例登録に関して、既存のART登録システムでは十分な情報が把握できないため、ART登録とリンクしながら別途、癌生殖データベースの構築を検討することについて提案があり、了承された。

(4)提供精子を用いた人工授精に関する更新登録施設に対する指導について
 齊藤委員より、既存AID施設の施設更新申請時に、治療方針に関する疑念が指摘されたため、当該施設の考えを聞き、意見交換する予定であることが報告された【資料2-3】。
 倉澤委員より、厚労省が数年前に行ったAID実施施設に対するアンケート調査でも施設ごとに差があることが指摘された。苛原委員長より、国内では精子提供者の確保や施設整備に関して課題があるため、今後、必要に応じて第三者が関与する生殖医療に関して検討を行うことが紹介された。

(5)着床前診断に関する臨床研究の報告について
 榊原委員より、PGDに関する審査小委員会結果が報告された【資料3-1】。

(6)着床前診断に関する臨床研究の報告(学会雑誌9月号掲載)について
 榊原委員より、これまでのPGD登録データの集計を日産婦誌に初めて掲載予定であることが報告された【資料3-2】。石原委員より、英文化を検討するべきとの意見があった。山中委員より、データに欠損があるので、評価に一定の限界があることを明記するべきとの意見があった。桑原委員より、PGD登録とART登録をリンクすることで、追跡が容易になることが提案された。

(7)照会症例に対するセントマザー産婦人科医院からの疑義、それについての回答について
 榊原委員より、PGD申請に関するセントマザー産婦人科医院に対する回答が説明され、特に施設内倫理委員会の基準とその議事内容に疑義があるため、改善を求めることが報告された【資料3-3】。佐藤委員より、これまでの経験から、PGDの審査は「研究倫理審査」ではなく、「臨床倫理審査」として症例ごとの適応審査をしているとも考えられ、PGDを臨床研究としている本会と矛盾があることが指摘された。石原委員より、PGD審査では科学的な適応審査と、実施施設におけるカウンセリング内容の審査をするべきとの意見があった。苛原委員長より、着床前検査全般のあり方、審査方法の再検討を行うことが提案され、了承された。

2. 臨床研究審査小委員会報告について
 三上副委員長より、これまで独立していた臨床研究管理・審査委員会が、倫理委員会の小委員会として改組されたこと、それに伴う各種規則、様式の変更を行ったことが報告された。これまで審査対象であった、データの2次利用、学会委員会が行う研究の審査に加えて、特に学会が主導して臨床研究を始める場合に、この小委員会で人倫理指針に基づいて臨床研究倫理審査を行う機能を持つことが検討されていることが報告された。さらに、三上委員より、臨床研究審査小委員会で審議された個々の案件に関して、報告があった【資料4】。

 

3. PGS特別臨床研究について
 竹下委員より、慶應義塾大学倫理委員会に対して行った照会に対する回答【資料5】が届いたことが説明された。個々の大学での倫理審査にも様々な問題が発生しており、一方で、クリニックでの倫理審査には疑念も多いことから、臨床研究審査小委員会での倫理審査が必要であることが提案され、また、基礎検証が終わり、パイロット研究を開始することが報告された【資料5-1】。苛原委員長より、パイロット研究の次の準備も開始することが提案され、了承された。

4. 「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」について
 久具委員より、NIPTコンソーシアムから本会へ、未認可施設でNIPTを実施した患者さんからの問い合わせが増加していることに関する要望書が寄せられたため、本会としてもカウンセリングの重要性を患者向けに訴える対策を取ることが提案され【資料6】、了承された。

5. 精子凍結に関する質問状について
 苛原委員長より、精子凍結の年齢条件に関してART施設からの問い合わせに対する回答案が示された【資料7】。各委員より、男性の生殖年齢に関する記載や語句の訂正があり、これを修正して発出することとした。

6.『生殖医療に関する遺伝カウンセリング受入れ可能な臨床遺伝専門医』制度に登録申請可能な「第3回日本産科婦人科遺伝診療学会学術講演会」の開催について
 苛原委員長より、昨年同様の案内を学会HPに掲載することが報告された【資料8】。

7. 今期の検討課題【資料9】
 苛原委員長より、今期の検討課題に関して概要が説明された。
 (今後の委員会開催予定日:平成29年度:第3回11月21日、第4回2018年2月13日、平成30年度:第1回4月17日、第2回5月15日)

 

 次回委員会は、平成29年11月21日(火)18時30分より、学会事務局会議室において開催予定であることを確認し、20時20分に会議を終了した。

 

【資 料:】
1. 平成29年度「第1回倫理委員会」議事録(案)
2-1.「登録・調査小委員会」報告
2-2.学会雑誌9月号掲載案
2-3.ART更新申請施設の審査についての登録・調査小委員会における意見
3-1.「着床前診断に関する審査小委員会」報告(答申書、照会文案、議事録)
3-2.学会雑誌9月号掲載案
3-3.セントマザー産婦人科医院からの書面、学会からの回答案
4.臨床研究審査小委員会報告書
5. 慶應義塾大学医学部倫理委員会に対する照会文書、慶應義塾大学からの回答書
5-1.PGT-A実務者会議議事録(当日机上配布*)
6. 日産婦への要望書、妊婦向け文書、声明案
7. ART施設からの質問状、学会からの回答案
8. ホームページ掲載原案
9. 平成29年度委員会検討課題

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