平成26年9月11日
公益社団法人 日本産科婦人科学会
公益社団法人 日本産婦人科医会
国内で感染したと考えられるデング熱ウイルス感染が問題となっています。デング熱は予後の比較的良好な疾患であり、多くの方は一週間程度で回復しており、これまで国内で発症して死亡した報告はありません。今回、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、デング熱ウイルス感染の妊娠女性への影響と現時点での対応について検討いたしましたので、ご報告いたします。
妊娠女性が感染した場合の影響については、流行が蔓延しているブラジルからの報告があり、妊娠女性が感染すると妊娠していない女性に比べて重症化しやすい傾向があり、妊娠後期ほど重症化しやすいとされています。しかし、2014年のWHO(世界保健機構)の発表では、重症化するのは感染者200名に1〜2名程度、死亡に至るのは感染者中約6000名に1名と推定されており、重症化すること自体の頻度が低いこと、わが国では過去約1500例の感染例のうち死亡例はないことから、過度に不安を抱く必要はないと考えられます。
デング熱ウイルス感染が認められている地域の妊娠女性は下記の点について留意してください。
参考:デング熱について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever.html