医師としての基本的姿勢(倫理性、社会性ならびに真理追求に関して)を有し、かつ4領域(生殖内分泌、周産期、婦人科腫瘍、ならびに女性ヘルスケア)に関する基本的知識・技能を有した医師(専門医)を育成する。そのための専門研修カリキュラムを示した。なお、専攻医が専門医として認定されるために必要な「専門医共通講習受講(医療安全、医療倫理、感染対策の3点に関しては必修)」、「産婦人科領域講習」、ならびに「学術業績・診療以外の活動実績」の要件を、専攻医がプログラム履修中に満たすことができるようプログラム統括責任者は十分に配慮する。
医師としての心構えを2006年改訂世界医師会ジュネーブ宣言(医の倫理)ならびに2013年改訂ヘルシンキ宣言(人間を対象とする医学研究の倫理的原則)*に求め、それらを忠実に実行できるよう不断の努力を行う。
また、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)について、国際人口開発会議(1994年)と国連世界女性会議(1995年)において国際的に合意されている。
これらの観点から以下を満足する医師をめざす。
1) クライアントに対して適切な尊敬を示すことができる。
2) 医療チーム全員に対して適切な尊敬を示すことができる。
3) 医療安全と円滑な標準医療遂行を考慮したコミュニケーションスキルを身につけている。
4) クライアントの多様性を理解でき、インフォームドコンセントの重要性について理解できる。
5) SRHRに関する知識を習得し、その重要性について説明できる。
* 世界医師会ジュネーブ宣言では、『私の患者の健康を私の第一の関心事とする』ことを医師に義務づけ、また医の国際倫理綱領は、『医師は、医療の提供に際して、患者の最善の利益のために行動すべきである』と宣言している(2013年改訂ヘルシンキ宣言の一般原則冒頭より引用)。
専攻医は研修管理システムによって到達度・総括評価を受ける。
先人の努力により、現在の標準医療があることを理解し、より質の高い医療に寄与できるよう、「真理の追求」を心掛け、以下6点を真摯に考慮し可能な限り実行する。
1) 産婦人科学および医療の進歩に対応できるよう不断に自己学習・自己研鑽する。
2) Evidence-based medicine(EBM)を理解し、関連領域の診療ガイドライン等を参照して医療を実践する。
3) 学会に参加し研究発表する。
4) 学会誌等に論文発表する。
5) 基礎・臨床的問題点解決を図るため、研究に参加する。
6) 本邦の医学研究に関する倫理指針を理解し、研究実施の際にそれを順守する。
専攻医は研修管理システムによって到達度・総括評価を受ける。なお、学会発表、論文執筆、獲得単位数についても評価し、適宜指導する。
排卵・月経周期のメカニズムを理解し、排卵障害や月経異常とその検査、治療法を学ぶ。不妊症、不育症の概念を把握し、適切な診療やカウンセリングの実施に必要な知識・技能・態度を身につける。
(1) 以下いずれについても複数例の症例で経験したことがあり、それらに関して説明、診断、あるいは実施することができる (いずれも必須)。
視床下部-下垂体-卵巣-子宮内膜変化の関連、女性の基礎体温、血中ホルモン(FSH、LH、PRL、甲状腺ホルモン、エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン等)の評価、ホルモン負荷試験(GnRH、TRH)の意義と評価、乏精子症、原発・続発無月経、過多月経・過少月経、異常子宮出血、月経困難症・月経前症候群、肥満・やせ、多嚢胞性卵巣症候群、卵管性不妊症の病態、子宮因子による不妊症、子宮内膜ポリープ、子宮腔内癒着、子宮内膜症、腹腔鏡検査/子宮鏡検査/腹腔鏡手術/子宮鏡手術の適応、腹腔鏡検査/子宮鏡検査/腹腔鏡手術/子宮鏡手術の設定方法。
(2) 以下のいずれについても診断・病態等について説明できる (いずれも必須)。
Turner症候群、アンドロゲン不応症、Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser症候群、体重減少性無月経および神経性食欲不振症、乳汁漏出性無月経、薬剤性高PRL血症、下垂体腫瘍、早発卵巣不全・早発閉経。
(3)以下のいずれの技能についても経験が必須である。
頸管粘液検査、超音波検査による卵胞発育モニタリング、子宮卵管造影検査、精液検査、腹腔鏡手術、あるいは子宮鏡手術。
(4) 以下のいずれの専門技能についても経験していることが望ましい。
卵管通気・通水検査、子宮鏡検査、腹腔鏡検査、子宮腔癒着剝離術(Asherman症候群)あるいは子宮形成術。
(1) 内分泌疾患
① 女性性機能の生理で重要な、視床下部―下垂体―卵巣系のホルモンの種類、それぞれの作用・分泌調節機構、および子宮内膜の周期的変化について理解し、説明できる。
② 副腎・甲状腺ホルモンの生殖における意義を理解し、説明できる。
③ 月経異常をきたす疾患について理解し、分類・診断でき、治療できる。
(2) 不妊症
① 女性不妊症について検査・診断を行うことができ、治療法を説明できる。
② 男性不妊症について検査・診断を行うことができ、治療法を説明できる。
③ その他の原因による不妊症検査・診断を行うことができ、治療法を説明できる。
④ 専門的な生殖補助医療技術について、倫理的側面やガイドラインを含めて説明し、紹介できる(生殖補助医療における採卵あるいは胚移植に術者、助手、あるいは見学者として5例以上経験する)。
⑤ 不妊症チーム一員として不妊症の原因検索あるいは治療に担当医(あるいは助手)として5例以上経験する。
⑥ 着床前遺伝学的検査の適応範囲と倫理的側面について説明できる。
(3) 不育症
① 不育症の定義やリスク因子について理解し、それぞれを適切に検査・診断できる。
② 受精卵の着床前遺伝学的検査の適応範囲と倫理的側面を理解できる。
(1) 家族歴、月経歴、既往歴の聴取
(2) 基礎体温表
(3) 血中ホルモン値測定
(4) 超音波検査による卵胞発育モニタリング、排卵の判定
(5) 子宮卵管造影検査、卵管通気・通水検査
(6) 精液検査
(7) 頸管粘液検査
(8) 子宮の形態異常の診断:経腟超音波検査、子宮卵管造影
(1) Kaufmann療法; Holmstrom療法
(2) 高プロラクチン血症治療、乳汁分泌抑制法
(3) 月経随伴症状の治療
(4) 月経前症候群治療
(5) 人工授精の適応を理解する
(6) 排卵誘発:クロミフェン・ゴナドトロピン療法の適応を理解する。
副作用対策 i) 卵巣過剰刺激症候群 ii) 多胎妊娠
(7) 生殖外科(腹腔鏡検査、腹腔鏡手術、子宮鏡手術)
専攻医は研修管理システムによって到達度・総括評価を受ける。
妊娠、分娩、産褥ならびに周産期において母児の管理が適切に行えるよう、母児の生理と病理を理解し、保健指導と適切な診療を実施するのに必要な知識・技能・態度を身につける。
(1) 以下いずれについても複数例の症例で経験したことがあり、それらに関して説明、診断、あるいは実施することができる (いずれも必須)。
妊娠週数の診断、葉酸摂取の効用、出生前検査に関する倫理的事項ならびに出生前検査法、妊婦定期健診において検出すべき異常、妊娠悪阻の治療法、切迫流産の管理法、流産患者への対応、異所性妊娠への対応、妊娠中ならびに授乳女性への薬剤投与の留意点、妊娠中ならびに産褥女性の血栓症リスク評価と血栓症予防法、妊娠初期子宮頸部細胞診異常時の対応、妊娠初期付属器腫瘍発見時の対応、妊娠中の体重増加、妊娠糖尿病スクリーニング法と診断法、妊婦へのワクチン接種に関する留意点、妊婦の放射線被曝による影響、子宮頸管長測定の臨床的意義、子宮頸管無力症の診断と治療法、切迫早産の診断と治療法、前期破水への対応、常位胎盤早期剝離の診断と治療法、前置胎盤の診断と治療法、低置胎盤の診断と治療法、多胎妊娠の診断と留意点、妊娠高血圧症候群およびHELLP症候群の診断と治療法、羊水過多(症)/羊水過少(症)の診断と対応、血液型不適合妊娠あるいはRh不適合妊娠の診断と対応、胎児発育不全(FGR)の診断と管理、母子感染予防法、GBSスクリーニング法、巨大児が疑われる場合の対応、産褥精神障害が疑われる場合の対応、単胎骨盤位への対応、帝王切開既往妊婦への対応、Non-stress test(NST)、contraction stress test(CST)、biophysical profile score(BPS)、頸管熟化度の評価(Bishopスコア)、Friedman曲線、分娩進行度評価(児頭下降度と子宮頸管開大)、子宮収縮薬の使用法、吸引/鉗子分娩の適応と要約(子宮底圧迫法の留意点を含む)、過強陣痛を疑うべき徴候、妊娠41週以降妊婦への対応、分娩監視法、胎児心拍数陣痛図の評価法と評価後の対応(胎児機能不全の診断と対応)、分娩誘発における留意点、正常分娩の児頭回旋、産後過多出血(PPH)の原因と対応、新生児評価法(Apgar スコア、黄疸の評価等)、正常新生児の管理法。
(2) 以下のいずれについても診断・病態・治療等について説明できる (いずれも必須)。
妊娠悪阻に伴うウェルニッケ脳症、胞状奇胎、抗リン脂質抗体症候群合併妊娠、子癇、妊婦トキソプラズマ感染、妊婦サイトメガロウイルス感染、妊婦パルボウイルスB19感染、子宮破裂時の対応、臍帯脱出/下垂時の対応、産科危機的出血への対応、羊水塞栓症。
(3) 以下のいずれの技能についても経験が必須である。
子宮内容除去術、子宮頸管縫縮術、子宮頸管縫縮糸の抜糸術、経腟超音波断層法による子宮頸管長測定法、超音波断層法による胎児体重の予測法、内診による子宮頸管熟化評価法、吸引分娩あるいは鉗子分娩法、会陰保護、内診による児頭回旋評価、会陰切開術、腟・会陰裂傷/頸管裂傷の縫合術、帝王切開術、骨盤位帝王切開術。
(4) 以下のいずれの専門技能についても経験していることが望ましい。
異所性妊娠手術、器械的子宮頸管熟化・拡張術、新生児蘇生法、前置胎盤帝王切開術、骨盤位牽出術、胎盤用手剝離術、子宮双手圧迫法、分娩後の子宮摘出術。
(1) 正常妊娠経過に照らして母児を評価し、適切な診断と保健指導を行う。
① 妊娠の診断
② 妊娠週数の診断
③ 妊娠に伴う母体の変化の評価と処置
④ 胎児の発育、成熟の評価
⑤ 正常分娩の管理 (正常、異常を含むすべての経腟分娩の立ち会い医として100例以上経験する)
(2) 新生児に対して日本版新生児蘇生法(NCPR)に基づいた対応ができる。
(1) 切迫流産、流産
(2) 異所性妊娠(子宮外妊娠)
(3) 切迫早産・早産
(4) 常位胎盤早期剝離
(5) 前置胎盤 (常位胎盤早期剝離例と合わせ5例以上の帝王切開執刀あるいは帝王切開助手を経験する)、低置胎盤
(6) 多胎妊娠
(7) 妊娠高血圧症候群
(8) 胎児機能不全
(9) 胎児発育不全(FGR)
(1) プライマリケアを行うことができる。
(2) リスクの評価を自ら行うことができる。
(3) 必要な治療・措置を講じることができる。
(1) 薬物療法の基本、薬効、副作用、禁忌薬を理解したうえで薬物療法を行うことができる。
(2) 薬剤の適応を理解し、適切に処方できる。
(3) 妊婦の感染症の特殊性、母体・胎内感染の胎児への影響を説明できる。
(1) 子宮内容除去術の適応と要約を理解し、自ら実施できる(子宮内膜全面掻爬を含めた子宮内容除去術を執刀医として10例以上経験する)。
(2) 帝王切開術の適応と要約を理解し、自ら実施できる(執刀医として30例以上、助手として20例以上経験する。これら50例中に前置胎盤/常位胎盤早期剝離を5例以上含む)。
(3) 産科麻酔の種類、適応ならびに実施時の注意点を説明できる。
(1) 母性の保護、育成に努め、胎児に対しても人としての尊厳を付与されている対象として配慮することができる。
専攻医は研修管理システムによって到達度・総括評価を受ける。
女性生殖器に発生する主な良性・悪性腫瘍の検査、診断、治療法と病理とを理解する。性機能、生殖機能の温存の重要性を理解する。がんの予防、がんの早期発見、特に、子宮頸癌のスクリーニング、子宮体癌の早期診断の重要性を理解し、説明・実践する。
(1) 以下いずれについても複数例の症例で経験したことがあり、それらに関して説明、診断、あるいは実施することができる (いずれも必須)。
腫瘍マーカーの意義、バルトリン腺膿瘍・嚢胞への対応、子宮頸部円錐切除術の適応、子宮頸部円錐切除術後妊娠時の留意点、子宮頸部円錐切除術後のフォローアップ、子宮筋腫の診断と対応、腺筋症診断と対応、子宮内膜症診断と対応、卵巣の機能性腫大の診断と対応、卵巣良性腫瘍の診断と対応、卵巣類腫瘍病変(卵巣チョコレート嚢胞)の診断と対応、子宮頸管・内膜ポリープ診断と対応、子宮頸癌/CIN診断と対応、子宮体癌/子宮内膜(異型)増殖症診断と対応、卵巣・卵管の悪性腫瘍の診断と対応。
(2) 以下のいずれについても診断・病態・治療等について説明できる (いずれも必須)。
子宮肉腫、胞状奇胎、侵入奇胎、絨毛癌、Placental site trophoblastic tumor(PSTT), Epithelial trophoblastic tumor(ETT)、存続絨毛症、外陰癌、腟上皮内腫瘍(VaIN)、外陰悪性黒色腫、外陰Paget病、腟扁平上皮癌、腟悪性黒色腫。
(3) 以下のいずれの技能についても経験が必須である。
内診による小骨盤腔内臓器サイズの評価、超音波断層装置による骨盤内臓器の評価、子宮頸部細胞診、子宮内膜細胞診、バルトリン腺膿瘍・嚢胞の切開・排膿・造袋術、子宮内膜組織診、子宮頸管・内膜ポリープ切除術、子宮頸部円錐切除術、付属器・卵巣腫瘍・卵巣嚢腫摘出術、子宮筋腫核出術、単純子宮全摘出術。
(4) 以下のいずれの専門技能についても経験していることが望ましい。
腹水・腹腔洗浄液細胞診、腹腔鏡検査、コルポスコピー下狙い生検、胞状奇胎除去術、準広汎子宮全摘出術・広汎子宮全摘出術、後腹膜リンパ節郭清、悪性腫瘍staging laparotomy、卵巣・卵管の悪性腫瘍のprimary debulking surgery。
(1) 細胞診
(2) コルポスコピー
(3) 組織診
(4) 画像診断
① 超音波検査:経腟、経腹
② レントゲン診断(胸部、腹部、骨、排泄性腎盂尿路造影検査)
③ MRI
④ CT
(1) 子宮筋腫、腺筋症
(2) 子宮頸癌/CIN
(3) 子宮体癌/子宮内膜(異型)増殖症
(4) 子宮内膜症
(5) 卵巣の機能性腫大
(6) 卵巣の良性腫瘍、類腫瘍病変(卵巣チョコレート嚢胞)
(7) 卵巣・卵管の悪性腫瘍
(8) 外陰疾患
(9) 絨毛性疾患
(1) 手術
① 単純子宮全摘出術(執刀医として10例以上経験する、ただし開腹手術5例以上を含む)
② 子宮筋腫核出術(執刀)
③ 子宮頸部円錐切除術(執刀)
④ 付属器・卵巣摘出術、卵巣腫瘍・卵巣囊胞摘出術(開腹、腹腔鏡を含め執刀医として10例以上経験する)
⑤ 悪性腫瘍手術(浸潤癌手術、執刀あるいは助手として5例以上経験する)
⑥ 腟式手術(頸管無力症時の子宮頸管縫縮術、子宮頸部円錐切除術等を含め執刀医として10例以上経験する)
⑦ 子宮内容除去術(流産等時の子宮内容除去術を含め悪性診断目的等の子宮内膜全面掻爬術を執刀医として10例以上経験する)
⑧ 腹腔鏡手術(執刀医あるいは助手として15例以上経験する。ただし1), 4)と重複は可能)
(2) 適切なレジメンを選択し化学療法を実践できる。
(3) 放射線腫瘍医と連携し放射線療法に携わることができる。
専攻医は研修管理システムによって到達度・総括評価を受ける。
思春期、性成熟期、更年期・老年期の生涯にわたる女性のヘルスケアの重要性を、生殖機能の観点からも理解し、それぞれの時期に特有の疾病の適切な検査、治療法を実施できる。
(1) 以下いずれについても複数例の症例で経験したことがあり、それらに関して説明、診断、あるいは実施することができる (いずれも必須)。
カンジダ腟炎・外陰炎、トリコモナス腟炎、細菌性腟症・腟炎、子宮奇形、思春期の月経異常、加齢にともなうエストロゲンの減少と精神・身体機能に生じる変化(骨量・血中脂質変化等)、エストロゲン欠落症状、更年期障害に伴う自律神経失調症状、骨粗鬆症、メタボリック症候群、子宮脱・子宮下垂・腟脱(尿道過可動・膀胱瘤・直腸瘤・小腸瘤)、尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎)、クラミジア頸管炎、ホルモン補充療法。
(2) 以下のいずれについても診断・病態・治療等について説明できる (いずれも必須)。
腟欠損症(Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser症候群)、Turner症候群、アンドロゲン不応症、早発思春期、遅発思春期、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎と汎発性腹膜炎、性器結核、Fitz-Hugh-Curtis、淋菌感染症、性器ヘルペス、ベーチェット病、梅毒、HIV感染症、臓器間の瘻孔(尿道腟瘻、膀胱腟瘻、尿管腟瘻、直腸腟瘻、小腸腟瘻)、月経瘻(子宮腹壁瘻、子宮膀胱瘻、子宮直腸瘻)
(3) 以下のいずれについても理解し、説明できる(いずれも必須)。
プレコンセプションケア、避妊法および緊急避妊法、包括的性教育、母体保護法、人工妊娠中絶法、性暴力被害への対応。
(4) 以下のいずれの技能についても経験が必須である。
ホルモン補充療法、子宮脱・子宮下垂の保存療法(腟内ペッサリー)、子宮脱・子宮下垂のいずれかの手術療法(腟式単純子宮全摘出術および上部腟管固定術・前腟壁形成術・後腟壁形成術、あるいは仙骨腟固定術)。
(5) 以下のいずれの技能についても経験していることが望ましい。
Manchester手術、腟閉鎖術、腹圧性尿失禁に対する手術療法(Tension-free Vaginal Tape[TVT]法)。
(1) 性分化と性分化異常について説明できる。
(2) 思春期の発来機序およびその異常を説明できる。
(3) 月経異常の診断ができ、適切な治療法を説明できる。
(4) プレコンセプションケアについて説明できる。
(5) 避妊法の種類と特性を説明できる。
(6) 包括的性教育の意義を説明できる。
(7) 人工妊娠中絶法を理解し、安全に実施するための留意点を説明できる。
(1) 更年期・老年期女性のヘルスケア
① 更年期障害の診断・治療ができる。
② 中高年女性に特有な疾患、とくに、骨粗鬆症、メタボリック症候群(高血圧、脂質異常症、肥満)の重要性を閉経との関連で理解し、説明できる。
③ ホルモン補充療法のメリット、デメリットを理解し、中高年女性のヘルスケアに応用できる。
(2) 骨盤臓器脱(POP)の診断と適切な治療法について説明できる。
(1) 性器感染症の病態を理解し、診断、治療ができる。
(2) 性感染症(STI)の病態を理解し、診断、治療ができる。
(1) 産婦人科心身症を理解し管理できる。
(1) 思春期、性成熟期、更年期・老年期の各時期における女性の生理・心理を理解し、適切な保健指導ができる(思春期や更年期以降女性の腫瘍以外の問題に関する愁訴に対しての診断や治療を担当医あるいは助手として5例以上経験する)。
(2) 経口避妊薬や低用量エストロゲン・プロゲスチン薬の処方ができる(初回処方時の有害事象等の説明に関して、5例以上経験する)
(3) 性暴力被害への対応について説明できる。
(4) 緊急避妊法について説明できる。
(5) 母体保護法の現状と歴史(旧優性保護法の問題点と母体保護法への改正の経緯など)について説明できる。
専攻医は研修管理システムによって到達度・総括評価を受ける。