公益社団法人 日本産科婦人科学会

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挨拶

更新日時:2018年6月1日

~「共生・共同・共創」をモットーに「強く、優しく、頼りになる日本産科婦人科学会」をめざします〜

公益社団法人日本産科婦人科学会
理事長 加藤 聖子

 日本産科婦人科学会の会員の皆様におかれましては日々ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。
 2023(令和5)年6月24日の定時社員総会後に発足した新執行部において第6代理事長を拝命いたしました加藤聖子です。本会は2005(平成17)年から理事長制となり、初代武谷雄二先生、第2代吉村泰典先生、第3代小西郁生先生、第4代藤井知行先生、第5代木村正先生のもと大きな発展を遂げてまいりました。会員の皆様とともに「産科学及び婦人科学の進歩・発展を図りもって人類・社会の福祉に貢献する」と言う本会がかかげる目標に向かい2年間の任期を精一杯努める所存です。
 まず、自己紹介をしますと、1986(昭和61)年3月に九州大学医学部を卒業し、九州大学婦人科学産科学教室に入局しました。関連病院での研修後、結婚を機に渡米し、サンディエゴにあるラ・ホヤ癌研究所に3年間勤務しました。帰国後は別府市の九州大学生体防御医学研究所附属病院、福岡市の九州大学病院、東京の順天堂大学勤務を経て2012(平成24)年より九州大学医学研究院生殖病態生理学分野・九州大学病院産科婦人科の教授として勤務しております。日本産科婦人科学会では、常務理事として広報を2年間、編集を8年間担当してきました。編集では、和文機関誌や学会の公式英文雑誌であるJournal of Obstetrics and Gynaecology(JOGR)の編集長(Editor in Chief:EIC)をしてきました。また、アジアオセアニア産婦人科連合(AOFOG)の役員として、アジア各国との国際交流も行ってまいりました。また、木村理事長の下で4年間副理事長として学会運営に携わり、委員会委員長として女性ヘルスケア委員会、旧優生保護法検討委員会を担当しました。2022(令和4)年8月には福岡市で第74回学術講演会を開催いたしました。
 さて、産婦人科をめぐる医療現場は医師の地域偏在や産休後の復帰支援、学術的には分子生物学的手法の進歩により、分子標的薬やゲノムの網羅的検索が臨床応用され、個人情報・遺伝子情報への倫理的対応が急務になっています。そしてコロナ感染を始めとする新興感染症への対応という新たな課題も出てきました。また、ポストコロナ時代での学会の国際化のあり方も重要です。社会的には無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)・着床前遺伝学的検査(PGT-A/SR、PGT-M)をめぐる問題、中絶、避妊、性暴力、性教育などのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)をめぐる動き、晩婚化・晩産化・少子化への対応など課題が山積しております。これらを総合的に考えるとこれからは「多様性への適応」「連携」がキーワードになると思います。
 以上の点を踏まえ、「共生・共同・共創」をモットーに「強く、優しく、頼りになる日本産科婦人科学会」をめざし、アカデミアの団体としてできること・やるべきことを明確化し、他学会・多分野とも連携しながら諸問題に対応できる体制を構築していきます。

 具体的な活動目標を示します。

  1. 学術レベルの向上:学術講演会を基盤として、日本産科婦人科学会雑誌、JOGRを通じてその研究成果を世界に発信します。また、学術講演会の学会賞受賞者を中心に海外派遣を行い、国際的に活躍できる若手医師を育成します。
    (担当:学術委員会、編集委員会、渉外委員会、産婦人科未来委員会、教育委員会、臨床研究審査委員会等)
  2. 国際交流の推進:欧米・アジア諸国を中心に交流を推進し、国際共同研究や人材育成への貢献につなげていきます。
    (担当:渉外委員会、ダイバーシティ・人材育成推進委員会等)
  3. 臨床倫理監理制度の構築:喫緊の課題であるNIPT、PGTをめぐる諸問題へ対応するための「公的プラットフォーム」を国や厚生労働省をはじめとする関連機関と協議し早期の設立を目指します。
    (担当:臨床倫理監理委員会、総務等)
  4. 安心・安全な産婦人科医療体制の構築:日本産婦人科医会・日本小児科学会や産婦人科領域の4つのサブスペシャリティー学会や地方産科婦人科学会と連携しながら、災害や感染症などの状況にも対応できる安心・安全な産婦人科医療体制の構築を行います。特に周産期医療に関しては将来の医師数変化や働き方改革への対応などを見据え自治体とも交渉しながら進めていきます。また、SRHRをめぐる動きに対しての会員や国民への啓発や国民の声を反映できる医療制度・体制づくりを目指します。
    (担当:医療制度検討委員会、社保委員会、地方連絡委員会、災害対策・復興委員会、感染対策連携委員会、診療ガイドライン運営委員会、医療安全推進委員会、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)推進委員会等)
  5. 働きやすい労働環境整備への提言:2024年から開始される働き方改革への対応が急務です。各地域の医師数、各病院の勤務時間の変化などを把握しながら労働勤務環境への提言を行います。また、若い世代では女性医師が会員の6割を超えています。女性医師が継続して勤務し、同時にキャリアアップを図れるように、海外事例を参考にしながら、男女が共に満足できる働き方を検討していきます。
    (担当:サステナブル産婦人科医療体制確立委員会、中央専門医制度委員会、ダイバーシティ・人材育成推進委員会等)
  6. 会員・国民ともに理解される学会の運営・活動とその情報の発信:会員だけではなく国民に広くご理解、ご協力をいただくために、健全な運営を心がけます。また、学会の活動を知っていただくために魅力ある学会ホームページを構築しそのアクセス数を増やすとともに、SNSを活用した情報発信を工夫していきます。
    (担当:会計、広報委員会、公益事業推進委員会)

 この他にも、新たな課題が生じた場合には、迅速に対応できる体制を作っていきたいと思います。
本学会の運営・活動に対して、皆様のご理解・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

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