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産婦人科サブスペシャリティへの道
~若手医師に聞く~

2012年1月11日
東北大学産婦人科 志賀尚美

◆はじめに

 私が医師になって9年がたちましたが、本当にあっという間でした。3年前に専門医を取得し、1年前に博士号を取得し、やっと自分の進みたい道を歩み始めたところです。

◆私の毎日

 現在私は東北大学病院に勤務しており、月曜日から金曜日までのリプロダクション外来と週1回の内分泌外来を担当しています。午前中にリプロダクション外来を行い、午後は採卵術などの手術を行います。担当医師は私を含め3人の医師で、生殖医療専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本女性医学学会認定医を取得された、もしくは目指している先生方です。また内分泌外来は火曜日の午後に開設しており、思春期の月経異常、性分化異常、性同一性障害などの管理を主な対象としています。担当医師はやはり私を含め3人で、臨床遺伝専門医を取得された先生方です。私はどちらの分野も研修中で、まだサブスペシャリティと胸を張って言えるレベルではありませんが、早く一人前になりたいと思い日々勉強しています。

 また、私生活では2年前に結婚し仕事と家庭の両立もやっと板についてきたかな、と自負しております。夫も医師で、お互い忙しい日々を送っているため、会えるときは仕事を忘れて二人でゆっくり過ごすよう努力しています。家事についても、結婚して2年もたつとそれぞれの得意分野がわかってくるので、よい意味で棲み分けをしてうまく分担しています。お互いに忙しい分、相手を思いやって、適度に許し合うのがいいのかな、と感じています。

◆生殖内分泌のサブスペシャリティを目指したきっかけ

 私は国立病院機構仙台医療センターで初期研修医として医師のスタートを切りました。もともと自分自身が月経困難症で産婦人科に通院していたこともあり産婦人科志望でしたが、幅広く研修したかったので直接入局せずローテート研修をしました。2年間の研修の後、産婦人科医になることを決め東北大学産婦人科に入局しました。関連病院で研修した後、5年目で大学に戻り大学院に入学しました。大学院では “子宮内膜癌における腫瘍局所のエストロゲン合成機構の解明”をテーマとし、もともと興味があった内分泌分野に関わる仕事をさせていただきました。その後、臨床面でも2009年に当院で立ち上げた内分泌外来に開設当初より携わることになり、このことが生殖内分泌のサブスペシャリティを目指したきっかけとなりました。当院の内分泌外来は、思春期の月経異常、性分化異常、性同一性障害などの管理を主な対象としています。専門的な知識が必要とされる分野でありながら症例数が少ないため、精力的に取り組んでいる医療機関が少ない分野です。対象年齢が若いため将来の性機能や生殖能力まで考慮しながら、中長期的な治療戦略を立てていく過程に大変やりがいを感じています。またそのような患者さんが生殖年齢を迎えたときに希望を叶えてあげられるようサポートしたいと思い、現在生殖内分泌分野のサブスペシャリティ取得を目指して頑張っています。

◆生殖内分泌のサブスペシャリティの魅力

 生殖内分泌と一言で言ってもかなり広い領域で、かつ、まだ駆け出しのため大きなことは言えませんが、この分野のおもしろさはテーラーメイド的な要素が強いことだと感じています。同じ女性でも一人一人異なる背景や疾患を抱え、希望も様々で、その希望も人生の時期や状況で異なってきます。それらを総合的に考え、テーラーメイドで治療をしていくのが他の分野にはない魅力だと思います。

◆最後に医学生、研修医の先生方へのメッセージ

 若い先生方は日々の診療に忙しく、将来自分がどのような医師になりたいか、考える余裕もないかもしれません。しかし、幅広い産婦人科分野の中で、自分が一生をかけて深めていきたいと思える分野があると、日常診療もよりおもしろいものになると思います。また一人一人が自分のサブスペシャリティを少しずつ深めていくと日本の産婦人科全体として大きな力になると思います。

 3.11の大震災の際、被災地にいた一人として日本全国の産婦人科の先生方の暖かいご支援に勇気づけられ、日本の産婦人科医の底力を肌で感じました。若い先生方も自分の方向性を見つめながら、日本の産婦人科医療をさらに盛り上げていくように一緒に頑張っていきましょう。

◆国際学会でのポスター発表

◆当院ARTユニットにて

◆採卵風景

◆所属研究室の先生方と医局にて



志賀 尚美 プロフィール

東北大学病院産婦人科勤務
卒後9年目
趣味:旅行
麻酔科医の夫と二人暮らし

【生殖・内分泌専門医を目指すための資格】

①生殖医療専門医
(日本生殖医学会が設けている専門医制度)

②日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
(日本産科婦人科内視鏡学会が設けている専門医制度)

③臨床遺伝専門医
(日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会が合同で認定している専門医制度)
(http://jbmg.org/)
*2011年から2013年までは暫定制度があり、産婦人科専門医取得後3年以上、かつ遺伝性疾患の臨床を3年間以上実施している場合、受験資格が得られ筆記試験と面接試験に合格すれば取得可能

④内分泌・代謝専門医
(日本内分泌学会が設けている専門医制度)

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