公益社団法人 日本産科婦人科学会

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NSAIDs添付文書改訂に関する周知

更新日時:2021年3月8日

令和3年3月8日

日本産科婦人科学会 会員各位
日本産婦人科医会  会員各位

公益社団法人 日本産科婦人科学会 理事長 木村 正
公益社団法人 日本産婦人科医会  会長  木下勝之

NSAIDs添付文書改訂に関する周知

 時下、ますますご清祥のことと存じます。平素より両会に格段のご協力を賜り厚く御礼を申し上げます。
 2020年11月3日付で米国食品医薬品局(以下、FDA)により、NSAIDsの薬剤安全情報が示されました(資料1)。その後、我が国でも医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)においてこの件に関する調査が行われ、資料2のようにNSAIDs(すべての妊婦が禁忌の対象となっている薬剤を除く)について、解熱鎮痛を目的とした薬剤(例1)、血栓・塞栓形成の抑制を目的とする低用量アスピリン製剤(例2)、テープ・パップ・ゲル・軟膏等の局所製剤(例3)の添付文書が改訂されています。今回の改訂のポイントを以下に記載いたしますので、内容をご確認いただき、NSAIDsを使用いただきますようにお願い申し上げます。

  • NSAIDsを使用する場合、治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与できることに変わりはありませんが、NSAIDsには胎児の腎機能障害および尿量減少とそれに伴って羊水過少症が起きたという報告があることから、解熱鎮痛薬として投与する場合には必要最小限にとどめること、および適宜羊水量を確認することが新たに添付文書に記載されました。これは米国FDAで48時間を超えて投与した場合を目安に超音波検査の実施を考慮する旨が記載されていることに対応したものです。本邦においては、医療従事者の管理下で定期的に妊婦健診が行われている医療実態を踏まえ、添付文書には「継続投与48時間」等の具体的な期間は明記せず、超音波検査の実施が義務とならない範囲での記載になっていますが、今後、NSAIDsを使用する場合には適宜羊水量を確認してください
  • 低用量アスピリンや局所製剤のNSAIDsに分類される薬剤においても添付文書に上記の可能性について記載されますが、これら薬剤においても治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与できることに変わりはありません。

<添付書類>
 ・資料1:薬剤安全情報(米国食品医薬品局)
 ・資料2:NSAIDs添付文書(改訂)

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