「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)」受検を希望する妊婦への対応について
日本産科婦人科学会 理事長 木村 正
倫理委員会委員長 三上幹男
平素より本会の運営に絶大なご支援を賜り誠にありがとうございます。
2020年7月29日に行われました第1回地方連絡委員会においてお願い申し上げました標記の件について会員の皆様にご連絡いたします。
総会でもご報告いたしましたが、現状では「改定指針の運用は2019年6月付の厚生労働省子ども家庭局母子保健課課長通知により凍結されており、この課長通知の取り扱いをめぐる厚労省の検討結果を待たねばなりません。ですので、旧指針に従っての診療をお願いいたします(http://www.jsog.or.jp/modules/news_m/index.php?content_id=843)。
以下に、現状でのNIPT受検を希望する妊婦への対応について申し述べますのでよろしくお願いいたします。
「可能なかぎり、認定施設の予約をとって受けてください」と勧め、認定施設の予約をとれるように支援してください。
私たち産婦人科医の責務は、「すべての妊婦に対して分け隔てなく、安心を与えること」と考えております。無認定施設で検査を受けたことで、出生前検査に関する適切な支援を受けることができなかった妊婦に対しても、必要な情報を提供し、必要であれば確定検査への道筋をつけることが現時点での最良の行動です。ただし、本来、NIPT についての情報を求める妊婦に対しては、改定指針に定めるように十分な産婦人科検査施設が確保されて、良好なアクセスの下で適切な情報提供と検査機会が保証される体制のもとで検査が実施され、検査後の対応についても検査施設においてスムーズに実施されることが理想であると考えております。