わたしのON/OFF 明日に繋がるoff

わたしのON/OFF 明日に繋がるoff 新美 薫 名古屋大学医学部附属病院 産婦人科 助教

私のON
 大学病院で助教として勤務しています。医師の夫と1年生、年長の子供がおり、さらに現在妊娠中です。私の生活のONは仕事、OFFは子供との時間になります。産婦人科医に憧れて専攻したものの、すぐに妊娠し進路を思い悩みました。地元ではない土地で家族に全面的に頼れない中でやっていけるのか、産婦人科という忙しい専門科を子供がいて続けていけるのか、不安が強い中で周囲の先生方や家族に支えられて今まで充実した産婦人科医生活を送ることができています。
私のOFF
 学童や保育園のお迎えがあるため、私の勤務時間は一定時刻を超えることは不可能であり、処理できなかった仕事に心を残したままOFFに切り替わります。もちろんもともと間に合わないことが分かっている場合はお迎えを頼んでおきますが、医師の仕事や研究には限りがないです。ですがそこは割り切ってOFFに入れば、子供との時間を大切にしています。短い時間で効率よく触れ合いも教育も行えるように、いろいろ考えて実践しています。お迎えからの帰り道は、私が自転車に乗って二人の子供は走るという生活を続けていたおかげで二人とも持久力がつきました。お風呂では1日の話を聞いたり、物語をみんなで作ったりしながら時間を無駄にしないようにしています。
 私の趣味の一つはテニスですが、ここ数年はやれていません。しかし息子がピアノを習うことでピアノを購入したため、またピアノは弾くようになりました。息子のピアノの発表会で一緒に連弾できたことは感激でした。夫もテニスが趣味なので、子供と一緒に家族でテニスができるようになることを今から楽しみにしています。息子は野球の方が好きそうですが。
 さて、どうしても仕事が終わらない場合は、大学に子供達を連れていきます。電子カルテでの仕事や研究を傍らで見ています。STAP細胞のニュース(実験している姿)がテレビに映るたびに、お母さんと一緒だね、と子供たちが騒ぎ、お母さんてすごいことやってるんだー、と思われています(否定はあえてしません)。ON/OFFの切り替えがうやむやですが、それもまたプラスになるように考えたいです。仕事場に子供を連れていくことは賛否両論なので、できるだけ迷惑をかけないようにしますが、医局旅行や歓送迎会などに子連れで参加する同僚も多いです。産婦人科には子持ちの女性医師だけでなく、理解ある男性医師も多いため、精神的に負担なく働くことができるのが私にはとても大きいです。その理解に甘えることがないようにやるべき仕事はしっかりやることが恩返しになると思っています。
 純粋に産婦人科の仕事が好きで産婦人科医になりましたが、産婦人科医になって本当に良かったと思っています。妊娠出産子育てが生かせる仕事であり、女性医師が大切にしてもらえる職場が多いです。育児中でもしっかり仕事が続けられる雰囲気が産婦人科にはあります。育児も仕事も、毎日が経験を深め成長できる環境なので、そこに身をおけることが幸せで日々の充実につながっています。

2015年10月現在