産婦人科専門医取得について
2008年1月7日
星 和彦(日本産科婦人科学会専門医制度中央委員会 委員長)
日本産科婦人科学会専門医制度とその目的
日本産科婦人科学会専門医制度は昭和62年4月に発足いたしました。
本制度は産婦人科領域における広い知識、錬磨された技能と高い倫理性を備えた産婦人科医師を養成し、生涯にわたる研修を推進することにより、産婦人科医療の水準を高めて、国民の福祉に貢献することを目的にしております。この目的を達成するため、学会は卒後研修のための指導施設の指定を行い、機関誌の研修コーナーや学術講演会時の生涯研修プログラムの企画、また「産婦人科研修の必修知識」を定期的に刊行するなどして、産婦人科医のために研修の場を提供してきました。
産婦人科専門医とは
日本産科婦人科学会認定の産婦人科専門医は以下のような医師であると規定されています。
「産婦人科専門医は、日本産科婦人科学会の定めた卒後研修カリキュラムに沿って学会指定の卒後研修指導施設で一定期間以上の臨床研修を修め、資格試験に合格した医師です。ここで定める臨床研修の期間とは、新医師臨床研修制度導入前に卒業した場合は通算5年間ですが、新医師臨床研修制度が導入されてからの場合は2年間の初期臨床研修終了後、学会の定めた卒後研修指導施設での3年間以上の臨床研修が必要となります。産婦人科領域における広い知識、錬磨された技能と高い倫理性を備えた医師を専門医として認定しています。専門医は研修実績により5年毎に更新審査を受けます。
産婦人科専門医は産科における妊娠、分娩、産褥の管理をする能力とともに、卵巣、卵管、子宮、膣、外陰部、その他の骨盤内婦人科疾患など、産婦人科領域の病気、またホルモン・内分泌、不妊症、婦人科腫瘍、感染症、その他の症状について、専門的な知識と診療技術を持ち、これら全ての領域に関して適切に対応する診療を行い、必要に応じて他の専門医への転送の判断も的確に行う能力を備えた医師です。」
産婦人科専門医認定審査の実際
一定の水準に達した産婦人科医師を学会が認定するため、本会では平成5年度より専門医認定審査、すなわち研修記録や症例レポートなどの書類による一次審査と、筆記試験と面接試験からなる二次審査を施行しています。
申請を希望される方は、所定の申請手続きを取ることになります
一次審査は、地方委員会 (日本産科婦人科学会地方部会専門医制度委員会)が担当します。一次審査は、書類による経歴・研修歴審査です。
1.申請資格
- 新医師臨床研修制度が導入される前に卒業された先生の場合
下記の (1) (2) (3) の全ての条件が満たされていなければなりません。
(1) 我が国の医師免許を有する者
(2) 通算5年以上本会の会員である者
(3) 学会指定の卒後研修指導施設で、卒後研修目標に沿って通算5年以上の臨床研修を終了した者
- 新医師臨床研修を経験された先生の場合
下記の (1) (2) (3) (4) の全ての条件が満たされていなければなりません。
(1) 我が国の医師免許を有する者
(2) 2年間の新医師卒後臨床研修 (初期研修)を完了している者
(3) 卒後研修指導施設において通算3年以上の産婦人科の臨床研修を終了した者
(4) 通算3年以上本会の会員である者
従来はその年度内であればいつ入会しても、その年度は1年間の会員歴に算定しておりましたが、平成19年度からは9月までの入会に限り1年間の会員歴に算定することになりました。ご注意下さい。
2.申請書類
- 専門医認定申請書 (様式第1号)
- 履歴書 (様式第2号
- 研修記録 (様式第3号)
実施経験目録、症例記録、参考資料として学会出席、発表、論文等の記録。
分娩数(100例)、手術数(50例)、症例記録(10例)などが審査されます。
- 研修証明書 (様式第4号)
- 症例に関するレポート (3症例)
自分の経験した症例の中から
(1) 腫瘍 ; oncology
(2) 生殖 ; reproduction (内分泌 ; endocrinology)
(3) 周産期 ; perinatology
(4) 女性医学 (一般)の分野から3分野を選び、各1症例、計3症例についてそれぞれ規定の用紙1枚に、症例を呈示するのに必要な背景、検査所見、治療法、転機などについて800字以内でワーブロあるいはタイプ印刷してまとめます。 図あるいは表が必要な場合は裏面に添付します。
- 申請者チェックリスト
全てが満たされていることが必要です。□欄にチェックを入れて完成させます。コピーを保管しておいて下さい。
- 卒後研修目標・自己評価表
研修手帳の卆後研修目標・自己評価表欄及び指導者評価欄に評価基準をもれなく記載します。指導責任医の検印およびコメントも記載してもらいます。
- 医師免許証写し
- 受験票
最近6ヶ月以内に写した単身胸から上の写真 [縦 36~40mm、横 24~30mm] で、写真裏面に鉛筆で氏名を記入のうえ貼付します。
- 1~6は、本会ホームページ (会員専用頁) からダウンロードできます。
- 7は、卒後研修手帳に入っているものを使用して下さい。表紙がブルーの研修手帳をお持ちの方は、各地方委員会に請求して下さい。
- 9は、各地方委員会に請求して下さい。
3.申請の受付
- 受付期間: 毎年、5月1日から5月31日までです。
- 申請書類送付先: 所属地方部会専門医制度委員会です。
封筒に「専門医認定申請書在中」と記載して下さい。
4.審査料の納入
申請書類の提出と同時に各地方委員会指定の専用口座に審査料40,000円を送金して下さい。
5.審査結果の通知と二次審査(試験)の連絡
一次審査の合否は毎年6月下旬頃に連絡します。また、合格者には二次審査の実施期日、会場などについても同時に連絡します。
二次審査は、中央委員会 (日本産科婦人科学会専門医制度中央委員会)が担当します。二次審査は、書類審査と試験です。
1.試験方法
- 試験期日 : 毎年7月下旬から8月上旬の土曜日と日曜日に行います。
- 試験会場 : 東京および大阪で行います。
北海道、東北、関東、北陸 (新潟) の各ブロックに所属する者は東京で、東海、北陸 (富山、石川、福井) 、近畿、中国、四国、九州の各ブロックに所属する者は大阪で受験して下さい。
- 筆記試験
(1) 試験時間は180分です。
(2) 問題は、腫瘍・生殖・周産期・女性医学 (一般) の4分野から120題出題されます。
(3) 女性医学 (一般) の問題には社会保険制度に関するものも含まれます。
(4) 出題範囲は、学会が定めた卆後研修カリキュラムに基づいています。
(5) 出題水準は、産婦人科専門医としての知識と技能を習得しているか否かを評価することを目的としています。
(6) 解答形式はマークシート方式です。
- 面接試験
(1) 試験時間は1受験者につき20分程度です。
(2) 試験方法は、試験官を患者または家族と想定したインフォームド・コンセントを行うロールプレイ形式で評価します。症例レポートおよび研修手帳の内容も評価の対象になります。研修手帳は面接時に必ず持参して下さい。
2.審査結果の通知
合否は毎年9月下旬頃に各申請者宛に通知します。
3.登録申請の手続き
認定合格者は登録申請書 (様式第6号) に登録料(8,000円)を添えて専門医の登録を本会宛に申請して下さい。
4.認定証の交付と専門医氏名の公表
- 認定証は毎年10月1日付けで交付されます。
- 専門医認定審査合格者の氏名は本会ホームページ及び機関誌にて公表されます。
5.不合格者の再受験資格
不合格者の再受験は不合格になった試験のみの再受験となりますが、筆記試験・面接試験どちらかのみでの受験資格は再申請の有無に拘わらず5年間に限り有効です。5年間を過ぎた場合は、翌年以降一次審査から受験することになります。その際は申請書と1年間の診療記録の提出が必要となります。