産婦人科医への扉~君の力が未来になる~ 日本産科婦人科学会若手委員会による産婦人科リクルートのためのホームページ

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スプリングフォーラム

スプリングフォーラムとは?

全国から医師10年目前後の産婦人科医が集まり、決められたテーマについて議論を行い、横のつながりを深めるフォーラムです。日産婦学会が『未来の産婦人科を創る人材の育成』への思いを込めて毎年3月に開催されてきました。以下の4つを会の目的としています。

  1. 次世代のリーダーシップの育成
  2. 次世代の若手医師の意見交換の場
  3. 若手産婦人科医師たちの横の連携の充実
  4. 将来のあるべき姿を見つけ出すための機会の提供

第7回スプリングフォーラム


  • 開催日
    平成29年3月18日、19日
  • 開催地
    ホテルウェスティン淡路
  • 参加者
    60名 (男性33名、女性27名)
  • 今年度のテーマ
    1.ワークショップ:未来の産婦人科医のワークライフバランス
    2.講演:育て上手は怒り上手 感情整理術 アンガーマネジメント
  • 未来委員会若手委員スプリングフォーラムWG
    園田正樹/板井俊幸/松島実穂/吉元千陽/深津真弓
    小西晶子/山本 真/中川 慧/漆山大知/栗原 康

開催にむけて

第6回スプリングフォーラムでは、『会の目的を明確にする』『ワークショップに新アイデアを加え充実させる』『産婦人科分野以外の講師を講演に迎える』『横のつながりが築けるような懇親会にする』『参加者の提言を日産婦学会に届けるようなシステムを作る』といった変革を掲げ、『若手の目線・ニーズ』にこだわった企画・運営を行いました。


第7回では“ワークライフバランス”をテーマに、各地の若手医師と交流を深めながら討論を重ね、第69回日本産科婦人科学会にて発信しました。
それにより、日産婦学会や医会が取り組む事業へと繋がる可能性があります。


また、アンガー(怒り)をコントロールすることで、よりよい人間関係を構築する“アンガーマネジメント”という、日頃の学会では扱われることの少ないテーマで、参加者に影響を及ぼしたことでしょう。

ワークショップ:ワークライフバランスについて考える!!

 100人100通りの働き方のために
      ~明日からできる小さな改革を考えよう~

自分の仕事に自信が持てるようになると少しずつ周囲に視野が広がり、問題意識も個人的なことばかりでなく社会的なところまで範囲が広がります。そんなことを考えるのが参加対象になっている10年目前後の医師たちではないでしょうか。そんな中、テーマを「ワークライフバランス」に設定しました。本人の状態、家族構成、将来に対しての思いなどなど仕事に対しての考え方や関わり方は様々です。

産婦人科では、女性医師も多く、育児中女性医師の仕事と家庭の両立という大きな課題も抱えています。
ただし、それだけではありませんよね?子どもがいなくても介護の問題もあるかもしれません。自身の健康不安、婚活、など挙げればキリがありません。

そこで本題です。100人100通りの働き方のために何ができるのか?について2日間考えていきました。

  

 1 理想のワークライフバランスとは??
 2 現実のワークライフバランスの問題点
 3 なぜワークライフバランスはうまくいかないのか
        ~みんなで話すから気付く多様な視点と問題点~

議論はworld caféの方式で行われました。従来の議論よりもより自由に、気軽に、そしてたくさんの参加者とコミュニケーションが取ることができる方法です。こういう新しい方式を取り込み、試すことができるのもスプリングフォーラムの魅力です。

world café styleとは
1テーブル20分間議論を行い、次の議論の際には、ファシリテーター以外は別のテーブルに移り、異なるメンバーと議論を行います。こういった手法により、短時間で多くの意見を聞くことができ、色んな考え方に触れることができます。議論は、お菓子やお茶を用意し、まるでcaféで他愛なく話をしている様な環境で自由な発言ができるような雰囲気をつくる事が大事でした。

理想のワークライフバランスについては、仕事以外の時間が不足しているという意見が多くみられるもののその詳細は多様性に富み、また集中的に研鑽や仕事に臨みたいと心から思っている人もいるということがわかりました。収入に対しての考えも千差万別… 地域による医療の現状や考え方の違いに小さなカルチャーショックを受けた参加者もいたようです。

その後に話し合った現実のワークライフバランスの問題点については、人員不足、上司の理解不足、相互理解の不足などが挙げられました。また、特に育児中女性医師の支援についてはバックアップする側の不公平感にも焦点が当てられました。

2日目は1日目の議論をもとに提示されたシナリオの元、グループ毎に具体的なワークライフバランス実現についての提案を行いました。提案は各グループの代表者がプレゼンテーションを行い、参加者の投票で最優秀グループを決定しました。

各グループのKey words
・ヒアリングシステムの構築 ・学会に相談窓口の開設 ・職場の働き方におけるロールモデルの公開
・学会・医会から行政への働きかけ ・メンター制度の導入 ・施設間交換留学のコーディネート
・フレックスシステムの導入 ・チーム制への移行 ・本人とパートナーも含めた勤務実態調査
・指導医講習会にWLBやワークエンゲージメントを必修化

 

驚くべきは、各班で重要と考えていることがほとんど重複しなかったことで、多様な背景をもとに参加者が積極的に議論を重ねた結果だと思います。


グループプレゼンテーションでは、オーラルプレゼンテーションに力をいれて、それぞれ魅力的なプレゼンテーションを展開していました。
盛んな質疑応答を終えて、最後には参加者投票を行い最も優秀なグループを決定しました。



最優秀グループは「VS からwithへ」をテーマに相互理解の重要性と具体策を提示し、そのプレゼン内容をSF後にもグループで話し合いを重ね、第69回日本産科婦人科学会のシンポジウムと理事会にてプレゼンテーションを行いました。

また、全グループからのWLBの改善策を元に、SFワーキンググループと参加者でアイディアを洗練させ、SFの成果物かつ若手産婦人科医からの意見として、男女共同参画WLB改善委員会へ提出されました。

ここまでお読みいただいた若手産婦人科医のみなさんへ。先生はスプリングフォーラムを楽しみ切る資質にあふれていると私たちが保証します。次は会場でお会いしましょう!!

講演

今回の講演では、第7回スプリングフォーラムのテーマであるワークライフバランスや感情をコントロールするアンガーマネジメントについて講演して頂きました。

普段の学会や研究会では、こういった内容の講演を聞く機会が少ないこともあり、全員が“こんな考え方もあるんだ・できるんだ”と感心し、興味をもち講演に聞き入っていました。
講演の終わりの質疑では、時間が足りなくなるほど質問があがり、白熱した講演になりました。


最近、よく耳にする「ワークライフバランス」「働き方改革」という言葉。

「そもそもWLBが充実した状態とは?WLBはどうして必要なのか?」という疑問に対し、島津先生に様々なデータを示しながら分かりやすくご講演いただき、「働く人のこころの健康 ワーク・エンゲイジメント」という考え方や、WLBの今後に向けての課題などを学び、セミナーに引き続き行われたワークショップでも活かされていました。
参加者からも多くの質問があり、皆の関心の高さが伺えました。

健康の増進とパフォーマンスの向上の両立を目指した働き方について、「ワーク・エンゲイジメント 健康でいきいき働く」をキーワードに研究し、組織開発・人材開発・仕事外要因(WLB、休み方)に注目した実証研究、プログラム開発と効果評価研究を行っている、東京大学大学院医学研究科精神保健学准教授の島津明人先生にお越し頂き、ワーク・エンゲイジメントの考え方、WLBに注目した組織と個人の活性化について講演し、“一粒で二度おいしい”人生を送るための話題を提供して頂きました。

ワークライフバランスの島津先生に至っては、その後に行われたワークショップにも参加して頂き、プロ目線で意見をしていただけました。



幼稚園教諭、主任教諭から、大手通信、電機メーカー、鉄鋼メーカーの営業部経験を経て、研修講師として独立し、タイプ別行動特性分析をベースに、営業研修、部下指導研修、組織チーム力アップ研修などを得意とし、年間登壇数はのべ180回を超えるという、DOORS PRODUCE代表 関西国際大学非常勤講師 日本アンガーマネジメント協会 本部講師の中山美佐子先生にお越しいただき、アンガーマネジメントについて講演して頂きました。

アンガーマネジメントは、“怒らないこと”ではありません。ただ、怒りの扱い方を間違えると「後悔」につながります。今回は、怒り感情のマネジメントについて、職場やプライベートの場で、すぐに使えるテクニックと考え方を我々の身近な例を考えさせながら、話していただきました。


「アンガーマネジメントって怒らないこと?」セミナーを受ける前はそう思っている参加者もたくさんいたでしょう。アンガーマネジメントとは「怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことには怒らないようになること」です。
職場や家庭でついカッとなって怒ってしまい、後悔することありますよね。
セミナーでは怒りの自己診断から始まり、怒りのコントロールの仕方を学びました。中山先生のユーモアあふれる講演で、あっという間の90分間でした。後輩指導や子育てにも今日から活かせる『育て上手は怒り上手』に、参加者からも「さっそく実践してみます!」との声が多く聞かれました。

懇親会

夕食会・懇親会では、『若手産婦人科医師たちの横の連携の充実』を図るべく若手委員で企画を用意しました。

  

立食形式で始まった夕食会前半は、「土曜から夜ふかし」と題して、参加者(運営側、幹事の先生も)からの事前アンケートをもとに、産婦人科医師のワークやライフについて調査を行いました。
勤務状況や上司・部下への暴露話などリアルな産婦人科医の実態などを参加者に直接スピーチをしてもらい、赤裸々に話していただきました。

 

また、今回のテーマがワークライフバランスということもあり、富山大学の齋藤先生に海外のモーリシャスでカジキマグロを釣った話をして頂きました。
これは、学会HPのW.L.B.に掲載されています。


 
 

空腹も満たされ、ほろ酔いになったところで、夕食会の後半には「産婦人科医・格付けチェック」を行いました。
翌日のワークショップの顔合わせも含めて、翌日のワークショップの班に分かれて色々なゲームをしました。
赤ちゃん人形の体重を当てたり、SpO2モニターの音を聞いて酸素飽和度を当てたり、絵心クイズをしたり、胎児超音波や病理写真から診断名を答えたりと参加者の意外な本気が見られたりもして、大いに盛り上がりました。
おかげで翌日のワークショップも初めから白熱した議論ができるようになりました。

 

懇親会では腰を落ち着けて、思い思いにそれぞれの親交を深めていきました。幹事の先生も交えてあっという間に時間が過ぎていきました。

 

三次会では、翌日も朝早くから始まることも考慮し、ノンアルコールという取り組みを行いました。
アルコールが無くても参加者の熱いトークは続き、物足りないという意見以上に、翌朝はすっきり目覚めることが出来たと、高評価をいただいた取り組みでした。

スプリングフォーラムの評価(参加者からのアンケート結果から)

SFは認知度はまだあまり高くない研究会であり、約4割が職場や上司からの勧めや命により参加しており、約3割が仕事としてで期待感なく不安を抱えて参加していた。
しかし、終了時のアンケートでは、参加者全員に満足してもらえ、全員が他人にも勧めたいと思えるような研修会であった。認知度が低い会ではあるが、満足度は高い会であることがわかる。

ワークショップに関しては、テーマ・内容において、9割に及ぶ満足度が得られた。二日間にわたる議論も、ワールドカフェスタイルを採用したことにより、多様な意見に触れ、活発な議論が交わせたと考えられる。
講演については、普段なかなか聞くことのない内容であったため、こちらに関しても十分な満足が得られ、大いに満足した割合も高かった。
夕食会に関しても、ゲームを採り入れたりと横の繋がりを作るきっかけが作れた。

多数の参加者が、学会に向け若手の意見を表出する場が必要と考えており、その点では、今回の優秀な意見が、第69回日本産科婦人科学会にて発表することができ、生産的な研修会となった。
また、2日間を通して、多数の人と意見を交わす内容・企画であったため、今後の同世代の仲間を作るのにも大いに役立ったといえる。

次回にむけて

第6回スプリングフォーラムでは、これまでの次世代へのリクルートをテーマに扱ってきましたが、第7回より『若手の目線・ニーズ』にこだわった企画・運営を行い、アンケートの結果からも大成功だったと思っております。
2日間で色々な意見を浴び、どうすればみんなの労働環境がよくなるのか、どうすれば産婦人科がもっと良くなるのかを真剣に議論し、意見を形作り、日本産科婦人科学会や理事会へ若手の意見として届けることができました。
これからも一つ一つの会を改善し、徐々によくすることはもちろんのこと、次世代のリーダーを担う若手医師の時代に沿ったテーマや関心のある講演を扱い、色んな立場・施設の若手医師と飾らずに意見交換ができる場を提供でき、知識や技術だけでなく、人間的にも成長できるような会にしていきたいと考えています。

  

バックナンバー

矢印第6回スプリングフォーラム報告「私たちが創造する産婦人科未来を考える」

第5回までのスプリングフォーラムのレポートは「Reason for your choice」をご覧ください。

Reason for your choice

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