産婦人科医への扉~君の力が未来になる~ 日本産科婦人科学会若手委員会による産婦人科リクルートのためのホームページ

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スプリングフォーラム

スプリングフォーラムとは?

全国から医師10年目前後の産婦人科医が集まり、決められたテーマについて議論を行い、横のつながりを深めるフォーラムです。日産婦学会が『未来の産婦人科を創る人材の育成』への思いを込めて毎年3月に開催されてきました。以下の4つを会の目的としています。

  1. 次世代のリーダーシップの育成
  2. 次世代の若手医師の意見交換の場
  3. 若手産婦人科医師たちの横の連携の充実
  4. 将来のあるべき姿を見つけ出すための機会の提供

第8回スプリングフォーラム



  • 開催日
    平成30年3月10日(土)、11日(日)
  • 開催地
    淡路夢舞台国際会議場/ウエスティンホテル淡路
  • 参加者
    73名(卒後15年未満:60人、卒後15年以上:13名)
  • 今年度のテーマ
    1.ワークショップ:フォロワーシップのススメ~リーダーを育てるサポート術を身につけよう~
    2.講演:リーダーとして知っておきたい言葉の力PEPTALK!~たった1分で相手をやる気にさせてみませんか?~

開催にむけて

 第7回までは『専門医取得後から卒後10年目前後』という参加条件を設け、「若手の目線・若手からの提案」を重視した運営を行ってきましたが、ディスカッションの幅を広げるため、卒後15年目以上のベテラン産婦人科医師の参加も募集することとしました。

 第8回では「フォロワーシップ」「コミュニケーション」をテーマにワークショップを行いました。また、シンプルな言葉を使って人のやる気を引き出す「ペップトーク」の講演を行いました。

ワークショップ

フォロワーシップのススメ~リーダーを育てるサポート術を身につけよう~

 「フォロワーシップ」という言葉を知っていますか?フォロワーとはリーダー以外の人を指し、フォロワーシップは、フォロワーが発揮する「リーダーを支えよう」「共に目標に向かって頑張ろう」という意識です。リーダーにリーダーシップが求められてきたように、フォロワーにも、フォロワーシップの発揮が重要と考えられるようになってきています。リーダー一人がどれだけ頑張っても、それを支えるフォロワーの、フォロワーシップの意識が育たなければ、良いチームは作れません。
しかし、イクボス宣言や広島宣言に示されるように、産婦人科医の中には、まず頑張る主体は「ボス」である、というマインドが強くあります。
そこで、第8回スプリングフォーラムでは、若手からも積極的にリーダーをサポートし、自分たちからも積極的に変わっていくことの大切さをディスカッションしました。


今回のワークショップは、日本ヘルスサイエンスセンターの石川雄一先生に監修していただきました。石川先生は医師でありながら、「健康設計」をテーマにした講演会やワークショップを多数主催されています。石川先生の進行のもとで、熱いディスカッションが行われました。





 

ディスカッションの成果を「フォロワーシップ5か条」としてまとめ、第70回日本産科婦人科学会学術講演会の指導医講習会にて発表する機会をいただきました。
http://www.jsog.or.jp/to_medics/tobira/activities_report.html

ワークショップでのディスカッション内容の一部を示します。

1.理想のフォロワーシップとは?

 フォロワーの一番の役割は、リーダーとチームのコミュニケーションをサポートすることです。リーダーの目となり耳となり情報収集を助け、リーダーの口となり意図をわかりやすく伝えることで、円滑なチーム運営をサポートします。気まずいカンファレンスも、その人が入ってくるだけで雰囲気が良くなるって人いませんか?そういう人は、こうしたテクニックを上手く実践しているのかもしれません。

2.Problem oriented system(POS)からGoal oriented system(GOS)へ

 普段、目前にある問題点ばかりに目がいって、組織やチームの目指すべき、大きな目標を目指すことを忘れていませんか?問題点ばかりを個々に見ると、それぞれのベクトルの違いばかりが目立ち、時に対立してしまいます。
しかし、大きな目標(ゴール、ビジョン)に目をやってみると、意外と同じことを目指していたことに気づきます。そうすれば、ベクトルの違いが気にならなくなりませんか?
問題点を考えて行動するproblem oriented system(POS)から、goalを見据えて行動するgoal oriented system(GOS)への変換にチャレンジしましょう。

3.ビジョンを語ろう/聞き出そう

 チームでGOSを行うためには「goal=目標」を共有する、もしくは共有できるgoalを設定する必要があります。とはいっても具体的な目標を設定するのは容易ではありません。そのためにまずはシンプルに、各々が持つビジョンを語ることから始めましょう。
私たちは過去(起きてしまったこと)や今(目の前の問題)に対して議論することには慣れていますが未来(これからどうなってほしいか)について話すことには慣れていません。

まずはビジョンについてチーム内で語り合える環境を作ってみましょう。
(例)
5年後/10年後/30年後... の 医療はどうなっていてほしいか
5年後/10年後/30年後... の 産婦人科医療はどうなっていてほしいか
5年後/10年後/30年後... の xx医局、xx地方の医療はどうなっていてほしいか
5年後/10年後/30年後... の 私は上に掲げた「未来」のためになにがしたい

4.ポジティブを引き出そう

リーダーにとって、フォロワーの「積極性(ポジティブ)」を引き出すことは重要です。
積極性を10点満点で評価したとして、「10」の人もいれば、「4-5」の人もいます。「10」の人に仕事を集中させてしまいがちですが、産婦人科の未来のためには「4-5」の人たちの積極性を「6-7」に引き上げる努力が必要です。

この積極性を引き出すためには「問いかけ方」が重要です。

 例えば、「産婦人科医療をもっと盛り上げたい人、手を挙げて!」と言っても、なかなか手は挙げづらいでしょう。挙げた人が浮いてしまって、盛り上げるには逆効果かもしれません。
逆に、全員に挙手をさせておいてから「産婦人科医療を盛り上げたくない人、手を降ろして!」と言ったほうが、質問はややネガティブでも、ポジティブな姿勢を引き出せます。共通の目標を持っているんだな、ということを可視化しやすい効果もあります。

積極性を引き出すための問いかけ方を普段できているか、意識してみましょう。

5.「ありがとう」は最高のフォロワーシップ、感謝の気持ちを伝えあおう

 今回のスプリングフォーラムでは、1分で人をやる気にさせる会話術である「ペップトーク」の講演も行われました。「ペップトーク」には4つのプロセスがあって(後述)、というようなテクニックの学びも得ましたが、こういったテクニックよりも何よりも、一番人をやる気にさせてくれるのは、「ありがとう」という単純な一言である、ということが一番の学びでした。
私が休めているときも、誰かが働いています。私が困っているとき、助けてくれる誰かがいます。そんな時、「お互い様だから」とクールぶらず、「ありがとう」を足してみませんか?同じgoalに向かうのだから、互いに「ありがとう」を伝えあって、互いをやる気にさせていきましょう。

6.まず自分から始めよう

 イクボス宣言の第5条にも同じ条項があります。その時は「ボスから変わろう」、という意味しかありませんでしたが、第8回スプリングフォーラムを経て「若手からも変わろう」という意味に進化しました。
理想のWLBの実現を、いつか現れる理想のイクボスに託していましたが、イクボスもWLBも、若手やフォロワーが自分たちからも変わり、働きかけ作りあげていくものと気づきました。
一人ひとりの意識の変化が、理想のWLBを実現する第一歩になります。他人任せのマインドから、「わたしから変わっていこう」のマインドに切り替えていきましょう。

講演

 第8回スプリングフォーラムでは、一般社団法人日本ペップトーク普及協会の浦上大輔さんにお越しいただき「PEP TALK(ペップトーク)」についてご講演いただきました。「PEP TALK」とは聞き慣れない言葉ですが、アメリカでスポーツの試合前に、監督やコーチが選手を励ますために行う、短い激励のスピーチが由来となっています。このノウハウは、実は身近な人間関係(職場、家庭、子育てなど)にもとても有効です。自分、家族、同僚にPEP TALKをして、やる気を盛り上げていくための講演が行われました。
講演ではまず、どうやって人を励ますか、PEP TALKをどうやって作るかを学びました。励まし方を間違えると、励ましているつもりなのに相手を失敗に導いてしまっていることもあるそうです。例えば、「絶対にゴールをはずすな!」と言われると、人間の頭の中では、ゴールを外すイメージができてしまうそうです。〇〇するな、という励ましや注意は、日常的によくやってしまいますが、PEP TALK的にはNGとのことでした。
 ポジティブに盛り上げるのがPEP TALKです。とは言え、単にポジティブな言葉を並べるだけではPEP TALKにはなりません。PEP TALKの第一段階では、まず相手の思いを「受容」します。ここでは、だいたいネガティブ思考が出てきます。そのネガティブを「承認」してあげるのが2つ目のプロセスです。そして、第3のプロセスが力の見せ所になります。そんなネガティブな認識を、あなたの言葉の力で「変換」し、ポジティブな現状の捉え方に変えてしまします。そして最後に「激励」で送り出してください。



このようなPEP TALKの4STEPは、繰り返しの練習次第で誰でも行うことができます。実際、スプリングフォーラム終了後、「家に帰ってから家族にしてみたら、妻が笑顔になった」「今まで怒ることで後輩を指導していたが、PEP TALKを使ったら、後輩がもっと頑張るようになった」など、たくさんの報告をいただきました。
ちなみに、浦上さんによれば、「ありがとう」は最も簡単で、最高のPEP TALKだそうです。みなさんもまずは自分の身近な人に、「ありがとう」のPEP TALK、送ってみませんか。

懇親会

夕食会・懇親会では、「若手産婦人科医師たちの横の連携の充実」を図るべく若手委員で企画を用意しました。夕食会は立食形式で行い、今年は参加者のパートナー及び子どもも参加しました。また参加者が多かった今年はメインホールも夕食会会場として利用でき、とても開放的な環境で交友を深めることができました。


夕食会前半では、事前アンケートをもとに、産婦人科医師のワークやライフについて報告を行い、各テーブルの話題提供となりました。さらには、上司や部下のリアルな産婦人科医の実態や、面白い体験エピソードを参加者本人にスピーチしてもらい、楽しい時間を共有しました。


vs若手委員

 後半には「vs若手委員」と題し、日産婦委員・幹事を交え12チームに分けて、若手委員と様々なゲームをして、チーム内での結束を深め、盛り上がりをみせました。ゲームは、腕立て伏せの回数を競ったり、箸を使っての豆運び、ロシアンシュークリームなどを行い、豆運びでは、子どもが参戦し、大いに盛り上がりました。絵心クイズでは隠れた才能と出会え、画伯と呼べる産婦人科医も現れました。優勝チームは、淡路島特産品がもらえ、参加者の本気が見られ大盛況となりました。

 

懇親会

 懇親会では腰を落ち着けて、親交を深めていきました。幹事の先生も交えてあっという間に時間が過ぎていきました。3次会はノンアルコールで行い、あまり深酔いすることなく、トークに花を咲かせました。そのため、翌日に強くアルコールが残る事もなく、議論に集中し、白熱した2日目を過ごすことができました。
夕食会・懇親会を通して、若手医師の強い連携を充実させることが出来ました。

アンケート結果

 大変な盛況となったスプリングフォーラムですが、ポストアンケートでも高い評価をいただきました。「スプリングフォーラム(SF)に満足した」と回答した参加者数は98.7%にのぼりました。
また、90.3%の参加者が、「横のつながりを作るきっかけになった」と回答しました。
参加者の94.5%より、「他の人にもSF参加を勧める」との評価をいただきました。



次回にむけて

 2020年度から、初期臨床研修における産婦人科の必修化がスタートします。産婦人科の魅力を知ってもらい興味をもってもらえるような「伝わる」研修カリキュラムを持っていますか?
スプリングフォーラムの参加者の中には、研修医の指導やリクルートの中心、あるいはその両方を束ねる立場の方など様々な背景の方がおられます。
第9回スプリングフォーラムでは、多様性のある観点から「リクルート」をテーマにディスカッションを行う予定です。必修化に向けた「伝わる」研修カリキュラムを、みんなで考えていきましょう。


若手委員スプリングフォーラムWG
 園田正樹/板井俊幸/漆山大知/栗原 康/小西晶子
 的場優介/玉内学志/玉田祥子/平山貴士/廣瀬佑輔

バックナンバー

矢印第7回スプリングフォーラム報告

矢印第6回スプリングフォーラム報告

第5回までのスプリングフォーラムのレポートは「Reason for your choice」をご覧ください。

Reason for your choice

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