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第6回(2012年開催) in 盛岡
第6回日本産科婦人科学会サマースクール開催報告
金内優典 (若手育成委員会主務幹事)

 東北地方が東日本大震災の被害を受けておおむね1年が過ぎ、学会として、東北地方で活躍されている同僚の皆さんを応援しよう!そして被災地域の現状を知り、その復興に協力しようじゃないか!という趣旨から2012年の日本産科婦人科学会サマースクールは盛岡市で開催する運びとなりました。

 恒例のプログラムに先立ち、8月10日には宮古市を訪問し、被災地の現状を実際に目に肌に感じる機会をもちました。大地震そして大津波に襲われた被災地域の風景は、土台だけを残し更地になってしまった地面とそこに生える雑草の姿、下層部分をもぎ取られ骨組みがむき出しになった建物など、その多くは我々が限られた映像から知る世界のままといっても過言ではありませんでした。いまだ多くの方々が仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされている中、一向に進展していないように思われる現地の姿を目の当たりにし、産婦人科医師としてだけではなく、同じ日本人として早急な対応を願わざるをえませんでした。

宮古市でのワークショップ


 訪問地では宮古県立病院の皆さまのご尽力により、「宮古フォーラム」を行うことができました。岩手医科大学産婦人科主任教授 杉山 徹先生から震災時の対応についてご説明があった後に、県立宮古病院院長 佐藤元昭先生からは「三陸大津波の歴史と東日本大震災から学ぶこと」と題しご講演いただきました。この地域が津波の被害を周期的に受けており、命を守るための教訓が語り継がれていること、また今回の被災に関しては、職種にかかわらず皆が日頃から十分なコミュニケーションを取れるような環境をつくっておくことが、外界から隔絶された地域の中で生命を守るために重要であることが述べられました。

宮古市でのワークショップ


 この地域での産婦人科医療の中心として尽力された同院産婦人科科長 細谷地昭先生は「宮古病院産婦人科としての震災の記録」と題し、被災したなかでご家族との連絡が取れない不安を抱えながらも、医師として現場に踏みとどまった決意を語ってくださいました。また、産婦人科 千田英之先生はその場でDMATメンバーとしても活動された経験を通し「後期研修医の目線で感じた震災時の状況と、その後の取り組み」と題し、専門に関係なくまず一個の医師として救急医療に関わる姿勢の重要性が示されました。参加した54名の学生、研修医からも活発な質問や意見がありました。このような災害は決して他人事ではないこと、いつ誰の身に降りかかってもおかしくないこのような事態に医師としてどう立ち向かうべきか考えさせられるものでありました。フォーラム終了後は宮古市でご活躍されておられる岩手医科大学産婦人科教室同門の皆様のご厚意で、快い親睦会を行わせていただくことができました。

 8月11日、12日とサマースクールの本番では、産科超音波診断、婦人科腹腔鏡下手術、そして婦人科腫瘍に関する講演ののち、実技実習に移りました。実習は例年通り超音波検査、分娩手技、腹腔鏡手術トレーニング、縫合トレーニング、婦人科腫瘍診断の経験、産科超音波診断セミナーなどのプログラムがありました。今回の婦人科腫瘍診断実習では各グループに顕微鏡が準備され、実際の手術標本を鏡検し診断するという、より実戦的な実習が行われました。懇親会では岩手伝統の「さんさ踊り」で迎えられ、大盛り上がりののちこれもやはり名物の「わんこそば大会」で締めました。意外なことにシニアチームの優勝となり、最近の若者たちの草食化の一端を見た思いでした。懇親会の後のアドバンスコースでの実習も大盛況でした。産科コースでは新生児蘇生の実技講習や分娩シミュレーターに参加者、指導者みな汗だくで遅くまで取り組んでいる姿が印象的でした。

腹腔鏡トレーニングにトライ!


 また、婦人科腫瘍コースでは全国で導入が進みつつある「悪性腫瘍に対する腹腔鏡下手術」そして、近い将来我が国でも導入が進むであろう「ロボット手術」に関する興味深い講演が行われました。アドバンス実技コースでは今回のサマースクールの目玉であるロボット手術練習シミュレーターmimicが準備され、皆興味津津で長蛇の列ができておりました。希望者全員とはいかなかったけれど、数多くの方がその最新手術の一端に触れることができ大変好評でした。また、生殖医療アドバンスコースでは顕微授精の実際の実技を経験する機会にも恵まれました。各領域の実技、また数々の最新トレーニング機器をまとめて体験できる、まさに産婦人科サマースクール独特の醍醐味を参加者一同味わってくれたことと思います。

サマースクール修了証と一緒に!
今度は臨床の現場で再開しましょう!


 深夜にまで及んだ初日の全プログラム終了後は夜の総懇親会で所属施設に関係なく先輩、後輩皆が胸襟を開き本音で語り合う姿が見られ、多くの仲間たちを得た思いがしました。二日目のプログラムでは若手医師主催によるプログラムが行われました。若手とは言っても10年前後の経験を積み医師としての責任を担い始めた中堅医師たちが、学生や初期研修医の純粋な疑問に堂々と応え、産婦人科医療に携わることの魅力を力強く述べていただきました。

 今回は、例年の開催地を離れ遠き岩手県での開催となったサマースクールですが、変わらず多くの参加者があり、被災地への思いとともに産婦人科という領域への思いを新たにしていただく貴重な機会を大成功に終わることができたと考えています。次回は例年通り長野県松本市での開催に戻ります。引き続き多くの学生・初期研修医が参加してくださることを願っております。

サマースクール実行委員長と若手委員
皆さんの参加をまっています!


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