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若手医師育成プログラム
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産婦人科医育成奨学基金制度による
The American College of Obstetricians and Gynecologists 60th Annual Clinical Meeting 参加報告

2012年12月18日
東北大学 重田 昌吾

 2012年5月5日~2012年5月9日までカリフォルニア州サンディエゴで開催されたThe American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG) 60th Annual Clinical Meetingに日本産科婦人科学会(Japan Society of Obstetrics and Gynecology : JSOG) young fellowの一員として参加させていただきました。コンダクターの先生方の引率のもとJSOGメンバーとも意気投合し、忙しくも充実した日々を過ごすことができました。
 5月4日に成田を出発、ロサンゼルスでプロペラ機に乗継ぎ午後15時ころにサンディエゴへ到着。サンディエゴは日差しが強いものの、湿度が低く非常に過ごしやすい都市でした。翌日夜のウェルカムディナーで始まり、その後は連日早朝からjunior fellowによるセミナーやミーティング、学会会場に移動してレクチャー、ランチョンセミナーを受講、夜は学会主催のparty、と息をつく間もない濃密な日程でした。



 今回のACOGでは私たちもポスターセッションに参加させていただくことができました。私を含めたJSOGメンバーの多くが基礎研究のデータを発表しましたが全体には臨床研究を中心とした内容が圧倒的に多く、レクチャーの内容も同様でACOGが臨床診療により重きを置いた学会であることが窺われました。どの講演もフロアから活発な意見が出され、ディスカッションが盛況でした。ランチョセミナーは一日あたり数十のテーマから選択でき、演者1人を少人数で囲みながらディベート形式で行われました。緊張のせいでランチの味は殆ど覚えていませんが海外のエキスパートと直接接することができた貴重な経験でした。また、今年度も専門医取得者を祝う式典が学会期間中に催されておりました。ACOGのテーマカラーであるグリーンの衣装に身を包み、荘厳な雰囲気の中で行われアメリカでの産婦人科としてのキャリアの中で専門医の持つ意味の重要さが窺われました。
 以前のレポートでもたびたび触れられていますが、メインの学会内容もさることながら専門医取得前のjunior fellowの活動は特筆すべきものと感じました。地区ごとに選出されたjunior fellowが、独立した組織として学会期間中積極的に活動しております。彼らに対するモーニングセミナーも早朝に開催され我々も参加させていただきました。実地医学的な内容を予想していましたが、軍隊を例にとったリーダー論、チーム医療における感情コントロール法、社会問題化している妊婦へのDVのへの対応など、将来リーダーシップを発揮するために必要であろう内容に焦点を当てており、junior fellowに対するACOGの期待とそれに応えようとする彼らの熱意を肌で感じとることができました。彼らはACOGの運営にも関わり、若手医師を代表してさまざまな意見を発信しています。私たちと同じ世代の若手医師が一人の臨床医としてだけでなく産婦人科医療全体を見据えて積極的に関与していこうとする姿勢に強く感銘を受けました。我々は毎朝英語でのコミュニケーションに悪戦苦闘しましたが、朝食をとりつつ同席したテーブルの会話に無理やり参加させてもらい楽しく時間を過ごしました。



 学会期間中はレセプションも盛大に開催されます。中でも今回のPresident’s partyはAir and Space Museumで催され、アポロ9や様々な歴代の航空機(本物かレプリカか分かりませんでしたが)が展示されている館内でアルコールを飲みながらライブの演奏に合わせてダンスを踊るという、日本ではちょっと想像がつかないものでした。雰囲気はとてもフランクで、映画に出てきそうなアメリカのpartyといった印象です。我々も誘われるがまま踊りなれないダンスの輪に加わり、夜は更けていきました。



 ウェルカムディナーで声をかけていただいた現地レジデントの御厚意で、学会最終日にはUC San Diego medical centerを見学する機会を得ました。産科病棟中心に案内してもらいましたが、通常の手術部と別に帝王切開専用の手術室が分娩室と隣接して3部屋準備されていることにまず驚きました。さらに手術室専属のコメディカルが常時勤務しており麻酔科医も連絡一本ですぐに駆けつける体制が整っているとのこと。日本でここまで産科に特化した手術体制をとれる施設は限られているのではないでしょうか。一方、やはり保険の事情で自然分娩後は2~3日、帝王切開後でも術後4日目くらいまでには退院しているようでした。ACOGのシンポジウムでも退院後急激に増悪した妊娠高血圧症候群が取り上げられ問題提起されており、慎重な経過観察を要する症例などは医療保険制度上日本より対応が難しいのかもしれないなと個人的には感じました。見学の後に病院内のカフェでアイスクリームを食べながらしばしお互い日々の臨床や悩み等について語らい、別れを惜しみつつ病院を後にしたのでした。
 過密日程の合間を縫って観光に行ったりサンディエゴ・パドレス戦を観戦したりシーフードを堪能したりと時間を余すことなく使い切り、あっという間の6泊8日を消化し帰国の途に。5月11日夕方に成田空港に到着、メンバーそれぞれと近いうちの再会と今後の活躍を誓い合い解散となりました。
共に派遣されたメンバーに恵まれ、ACOGの心温まるホスピタリティのもと国内外の同世代の医師との絆を深められたことを何よりも嬉しく思います。こうした交流を通じて国内でも若手医師の活動がますます活発になってきていることをひしひしと感じており、今後も多くの産婦人科医がこのプログラムに参加できることを期待致します。
 最後になりましたが、貴重な機会を与えていただきました日本産科婦人科学会並びに産婦人科医育成奨学基金制度に関わる皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。






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