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若手医師育成プログラム
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米国産婦人科学会(ACOG) 59th Annual Clinical Meetingに参加して

2012年1月11日
甲斐健太郎(大分大学)、千草義継(京都大学)、西尾浩(慶應義塾大学)、
宮村浩徳(藤田保健衛生大学)、山田英里(名古屋大学)

 2011年、日本産科婦人科学会(JSOG)の海外研修派遣支援により、Washington,D.C.にて開催された、ACOG(American College of Obstetricians and Gynecologists)のAnnual Clinical Meeting(ACM)に参加させていただきました。

 ACOG(ACM)は、その規模は言うにおよばず、学会の形式、教育システム、そしてエンターテイメント性のどれをとっても日本においては類を見ません。ACMの目的とするところは、大きく2つあると思われます。ACMは最新の研究成果や知見を発表するような場ではなく、さまざまに異なる診療レベルを持ったアメリカ全土の臨床家たちに、標準的な診療知識、治療論の教育を施し、全体としての診療レベルを向上させることを主眼としています。

 ACMのもう一つの大きな目的は、広大なアメリカを11のDistrictに分割してそこから選抜されたFellow取得前の若手医師を徹底して教育することでもあります。その教育内容たるや、産婦人科臨床の必修知識的なものにとどまらず、リーダーシップとは、といった精神論から、感情コントロール論、社会学としての産婦人科の問題(例えば妊婦への暴力など)、奨学金取得方法といった内容までの多岐にわたります。つまり、選抜されている若手医師に、いわば帝王学的教育を施すことで、将来の指導的立場となる優秀な医師を養成し、それぞれのDistrictにその成果を還元したいという意図があるわけです。これは日本では行なわれていない独創的かつ効率的な教育であり、特筆されるものであります。当然のことながら、こういった多くの教育を行うため、スケジュールは濃密であり、朝6:30からBreakfast Seminarが始まり、日中は様々な教育的Seminar、夜にはpartyが催されていました。



 4/29 ワシントン到着。昼過ぎにホテルにチェックインし、早速ワシントンを一周するバスツアーに繰り出しました。夜はワシントン名物crab cakeやsea foodを堪能して明日からの学会に備えました。

 4/30 Welcome Dinnerに参加。全米各Districtから選抜された若手医師が一堂に会しての食事会でした。司会の先生が各地区を紹介した後、突然、海外から参加の日本・チリ・アルゼンチンの各国から1名ずつ前にでて挨拶するようにとの指示が!最初の試練でした。

 5/1 朝6:30からresident全員参加のBreakfast Seminarにて産婦人科医としていかにモチベーションを保ちながら仕事を続けていくかを大量の朝食とともに学びました。引き続きSeminarが1日中続きましたが、内容はバラエティに富み、これらは事前選択、登録制のために、日本メンバーのなかでもスケジュールはほとんどバラバラです。夜はWelcome Receptionに参加。スピーチ等はなく生バンドが演奏する中、挨拶を交わしながら時々踊るといった感じで日本とはずいぶん雰囲気が違いました。最初はダンスに戸惑いましたが、慣れれば見ているよりダンスするほうが断然楽しく、多くのresidentたちと会話もでき、満喫しました。その後は友人になったresident達とバーに行き、日常の診療のことから家族、将来のことまで、遅くまで飲み、語り合いました。

 5/2 この日も6:30から朝食をとりつつ妊婦に対するDomestic Violenceについての講義。早朝講義なのに皆しっかり聞いているのですごいと思ったら、彼らは普段6時くらいから出勤しているとのこと! その後映像を使った派手なOpening Ceremoniesに出席し、引き続いてPresident’s Programで各分野の第一人者の先生によるわかりやすく面白い講義を聴きました。昼は日本のランチョンにあたるBrown Bag Seminarに出席。Cosmetic Surgery for Gynecologistという耳慣れないタイトルから、傷をきれいに治す方法かな?など期待を膨らませていたものの、実際は美容整形の概念や歴史や経営など。かなりの関心のギャップを感じました。午後からはACOG本部の見学をさせていただきました。広くてきれいなオフィスに、産婦人科の昔の診療器具等の展示室や図書室もあり、素晴らしい環境でした。夜はメジャーリーグWashington Nationalsの試合を観戦しました。



 5/3 午前中はStump the Professorsという、大人気の講義でした。全米から選ばれた4人の教授が壇上に座り、junior fellowが提示した症例に対し随所で質問をしながら最終的に診断をつけていくというものです。症例もさることながら、ユーモアいっぱいの教授陣で会場は大いに盛り上がりました。昼はLunch with the Expertsに参加しました。会場には白いクロスをかけた10人掛けの丸テーブルが100以上も並び、各テーブルで異なるテーマについて、Expertを囲んでLunchをとりつつ議論するというものでした。緊張しましたが、Expertも1人だけ混じっている日本人を気にしてくださり、ゆっくり話したり、ときに話をふってくれたり(この点はお気づかい無用だったのですが…)してくださったので十分学ぶことができました。もっとも出された食事はほとんど喉を通りませんでしたが…。この日の夜はドレスアップした公式なThe President’s Dinner Partyに招待され、ダンスと会話で盛り上がりました。





 5/4 午前に、新Fellowを承認する荘厳な儀式に陪席。学会は午前中で終了し、午後は観光をして、皆で夕食にでかけました。その後場所をかえて飲みなおし、今回の学会での感想やこれからの日産婦での若手のあり方などを語り合い、最後の夜を楽しみました。

 5/5 帰途につき、5/6に無事帰国しました。

 今回のACOG派遣に参加させていただき、必要なものは何であったかと考えると、まずは体力(酒に強ければなおよい。またダンスができれば言うことなし)、そして英語力、社交性、好奇心、積極性であったと痛感されます。しかしそのどれもが不十分であったとしても、心配し、苦労することは何もありませんでした。他のメンバーがそれらを十分すぎるほどに補ってくれたのです。本当にバランスのとれた良いメンバーに恵まれ、メンバーの皆に心から感謝しています。疾風怒濤のような8日間を満喫し、メンバー全員が、持てる能力のすべてを傾けて交流に取り組みました。そうして花を踏んでは同じく惜しみ、灯を背けてはともに親しんだWashingtonの日々を、これからも決して忘れることはありません。

 最後に今回の学会参加にあたりご尽力いただいたJSOG/ACOGの諸先生方、助成をいただいた産婦人科医育成奨学基金の皆様、このような機会を与えてくださいましたこと心から感謝いたします。ありがとうございました。




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