HUMAN +女と男のディクショナリー
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お産(分ぶんべん娩)とは、痛みをともなう規則的な子宮収縮(陣じんつうう痛)が始まってから胎たいばん盤が娩ばんしゅつ出されるまでのことです。通常、陣痛が10分ごとになったときを分娩開始としています。多くの妊婦さんは自然に陣痛がおこり、お産になります。お産に際して、妊婦さんのお手伝いや陣痛を和らげるように協力するのが、助産師さんです。分娩の経過中に母体に異常が生じた場合や、胎たいじ児が元気でなくなった場合などは、なんらかの処置が必要になります。このような処置は産科医の管理のもとに行われます。お産は太たいこ古から続く自然現象ではありますが、まれに順調に進まないことがあります。分娩経過の異常を速やかに発見し、できるだけ正常に戻るように、母児ともに安全に経過するように管理することが、助産師と産科医の役割です。◎ お産の経過陣痛が始まると、胎児は子宮口に向かって圧迫され、子宮口が開き始めます(子宮口の開大)。子宮口が3~5cm程度開くまでは比較的ゆっくりですが、それ以降の子宮口の開大は急速です。子宮口が完全に開いた状態になることを「子宮口の全開大」といいます。胎児を娩出しようとする陣痛に、母体の「いきみ」が加わると、胎児が母体から娩出されます。胎児が娩出された後に胎盤が娩出されます。◎ 初産婦と経産婦の違いお産の経験のない妊婦さんは初しょさんぷ産婦、経験のある妊婦さんが経けいさんぷ産婦です。初産婦と経産婦では分娩の進み方に差があります。一般に、初産婦の分娩所要時間は分娩開始から12~16時間、経産婦では5~8時間程度です。分娩経過にはかなりの個人差があり、初産婦で30時間、経産婦で15時間までは正常範囲とされています。初産婦のお産はおよそ半日から1日仕事、経産婦では初産婦の半分程度になります。◎ 胎児と新生児分娩経過中は胎児の心しんぱく拍や陣痛の程度を機械的に記録し、分娩の評価を行います。胎児の元気が乏とぼしいと診断された場合は、医師による介入が必要になります。胎児は、母親のおなかの中で胎盤からへその緒おを通じて酸素や栄養をもらっています。出生後(新しんせいじ生児)は自分で呼吸して酸素を取り込み、心臓の力で全身に血液を送る必要があります。へその緒(臍さいたい帯)は生まれた後、まもなく切断されます。新生児期は、母親のおなかの中で行っていた母親と胎盤に依存した呼吸から、自分の肺を使っての呼吸に移行します。もし呼吸や心臓の機能が不十分だったりするときは、速やかな対応が必要です。産科医だけでは難しいようであれば、新生児専門の医師のいる施設に搬送する場合もあります。9016お産ってどう進むの?長崎大学大学院医歯薬学総合研究科産婦人科学 増崎英明Doctor第四章 〜妊娠・出産〜

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