HUMAN +女と男のディクショナリー
65/135

63から深い眠りについており、年齢が高くなれば、眠りについている期間が長くなります。この間に細胞自体が老化し、染色体や遺伝子に異常がおこりやすくなります。その結果として受精しにくくなったり、受精がおこっても染色体異常が発生しやすくなったりします。妊娠が成立したとしても、流産率が高くなります。40歳では20~30%、45歳では30~50%の女性で流産がおこります。◎ 月経があるからといって、いつまでも妊娠できるわけではない45歳前後になると、月経が規則的にあっても排卵がないこともあります。卵巣に残っている原始卵胞の数が、1000個以下になると閉へいけい経になります。完全に月経がとまると、以降は妊娠が不可能ですが、実際には閉経の約10年も前から、ほとんど妊娠できなくなっています。なので、体外受精などの高度な生せいしょく殖医療技術によっても、妊娠率は10%以下なのです。月経が10歳~50歳頃まであり、毎月排卵があったとすると、一生涯で480個前後の卵が排卵されることになります。これは初経の頃に存在する卵子数の1%以下です。残りの99%以上は卵巣内で変性し、消滅してしまっているのです。月経のたびに、複数の卵子がその月経周期に排卵するために呼びだされています。通常はこの呼びだされた卵子の中から1個が選択され、排卵することになります。各月経周期に呼びだされる卵子の数は、若いときほど多く、高齢になると少なくなります。その中から1個の卵子が選択され排卵にいたるため、呼びだされる卵子の数が少ない状況は、卵子の質の相対的な低下につながるのです。そういったわけで、「卵子は老化する」こと、「妊娠適齢期は35歳頃まで」というのは厳然たる事実です。もちろん産婦人科医は高齢でも無事に妊娠・出産できるよう、日々全力を尽くしています。しかし、これから出産を考える若い人には、この事実をぜひ知っておいてほしいのです。 男女がともにライフプランを考えることが大切です女性の社会進出が進み、男女の区別なく社会で重要な役割を担う時代になってきました。これはとても喜ばしいことです。ただし、ひとつ思いだしてほしいことがあります。それは、出産できる年齢には限界があるということ。もちろん40歳を過ぎてから、なんの問題もなく子どもを産む女性もいます。だからといって「じゃあ、うちもまだいいよね」と考えるのは間違いです。出産年齢が高くなるにつれて妊娠するのが難しくなりますし、さまざまなリスクも高まっていきます。子どもを持つことについて考えるのを先送りしたり、偶然に任せ切りにするのはやめにしませんか? 男女がいっしょになって、「いつまでに子どもを産むか、何人の子どもがほしいか」といったことを考えていただきたいのです。キャリア設計も同時に考えてみるのがいいでしょう。そうすることで、「子どもがほしかったのにできなかった…」ということもおきにくくなりますし、自分たちの意思で選んだ人生を歩むことができるようになると思います。思 春 期青 年 期将来の妊娠のために妊娠・出産中 高 年 期For Men

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です