HUMAN +女と男のディクショナリー
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セックスレスは「病気や単たんしんふにん身赴任など特別の事情がないにも関わらず、カップルの性的行為(性交に限定せず)が1カ月以上ない状態」を指します(日本性科学会定義)。それ自体が異常とはいえませんが、少なくとも一方がその状態に不満や苦痛を感じる、あるいは性機能障害があって、2人の関係性に問題が生じている場合は、治療やなんらかの解決がほしいものです。◎ 男女の性反応の違い性反応には次の3つの段階があります。 1. 性欲 : セックスしたい気分になる 2. 性的興奮 : 男性では「勃ぼっき起」、女性では性器が濡ぬれる  (腟ちつじゅんかつえき潤滑液の流出)などの生理反応と、主観的な心地よさ 3. オルガズム : 男性では射しゃせい精。女性では、興奮で緊張した骨こつばんてい盤底筋肉群が、ピーク感を経て元に戻る  リズミカルな収縮運動です(その意味では男性と同じ)これらの反応は、性欲→性的興奮→オルガズムと連続的に進みますが、女性では性反応の始発点とされる「性欲」の部分があいまいです。女性は、自然におこる性欲(セックスしたい気分)もありますが、親密なパートナーから好ましい性的刺激を受ければ、それに応じて性的興奮状態が導かれることもあります。つまり女性の性欲と性的興奮は分ち難いというのが、最近の考え方です。◎ 性機能障害とその治療上述の性反応の考え方をもとに、女性の性機能障害を「性的関心と興奮の障害」「オルガズム障害」そして「性器・骨こつばんぶつう盤部痛/挿入障害」と分類します。性反応の障害は、血管、神経、筋肉の障害でおこるほか、心理的要因があります。性心理学的治療法は確立されていますが、女性は性機能障害の原因にも治療にもパートナーの影響が大きいことが知られています。性交痛は女性特有といってよく、多くの婦人科疾しっかん患も原因となります。女性はパートナーの性的満足のために、「痛み」を我慢し、「快感」をあきらめ、その結果セックスが嫌になり、セックスレスという双方に不幸なことになりがちです。女性の性機能障害研究は、これまで心理的な側面が強調され、医学的な取り組みが遅れていました。男性の勃ぼっきしょうがい起障害のように、有効な薬物が提案されていないこともその要因です。しかし閉へいけい経後の性交痛に対する女性ホルモン療法は、一般的になりました。最近は婦人科がんや乳がん、その他婦人科疾患、全身疾患やその治療による性機能障害について、多数の研究報告がみられます。心理的性治療のできる医師も今後増えると思われます。5410Doctorセックスレス国立病院機構千葉医療センター 大川玲子第二章 〜青年期〜

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