HUMAN +女と男のディクショナリー
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子宮の体部は胎たいじ児の宿る部分であり、頸けいぶ部は赤ちゃんがきちんと育つまで生まれないように、子宮に鍵をかけている部分です。この頸部に発生するがんが、子しきゅうけい宮頸がんです。発生したがんは、最初は表皮内に留まっており、摘てきしゅつ出すればほぼ治る初期のがんです。しかし、がんは、じょじょに表皮から深く入り込んでいき、がんが大きくなると、周囲の組織や膀ぼうこう胱、直腸などへと入り込み、ついには肺などの遠いところの臓器へ転移していきます。がんが深く入りこんでいくほど重症となり、治療が難しくなります。◎ 原因となるヒトパピローマウイルス子宮頸がんの発生原因として、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感かんせん染が明らかにされました。特にがんの原因と考えられるハイリスクHPVは、多くは性交渉によって感染します。近年、性交開始年齢の若年化にともない、子宮頸がんが若い女性に急増しています。その他、喫煙もがんの発生を高める要因と考えられており、頸がんの予防からも禁煙がすすめられます。HPV感染については恐れることはなく、その多くは免めんえきけい疫系によって排はいじょ除されてしまうことから、HPV感染をおこしてもごくわずかな人ががんになるのみで、大部分の人には何ごともおきません。たとえば風邪ウイルス感染者がすべて重じゅうとく篤な肺炎を引きおこすのではなく、多くは風邪の状態で留まって自然治ちゆ癒していくのと同じと考えられます。◎ 検診に行こう初期の子宮頸がんはほとんど自覚症状がありません。よって定期的ながん検診を受けること、および月経以外に出血などが見られたら、すぐに受診してできるだけ早期に発見することが大切です。また昨今はハイリスクHPVの感染予防のためのワクチンもあり、その接種を検討するのもいいでしょう(40ページ参照)。528Doctor若い女性のがん②子宮頸がん東海大学医学部専門診療学系産婦人科 三上幹男第二章 〜青年期〜

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