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お知らせ

東日本大震災に関わるお知らせ

乳児用粉ミルクの放射性セシウム汚染について心配しておられる
妊娠・授乳中女性へのご案内

平成23年12月8日
日本産科婦人科学会

 乳児用粉ミルクの放射性セシウム汚染 (最大で30.8ベクレル/kg)が報道されました。この件に関する人体への影響について本会の見解をご案内致します。
結論:たいへん微量であり、この粉ミルクから余分に受けた被曝に関して健康被害について心配する必要はない。

理由: 放射性セシウムを食材中から摂取した場合におけるベクレル(Bq, どの程度の放射線を出すかの単位)とミリシーベルト(mSv, 人体が放射線により受ける影響の単位)の関係は以下のようになります(出典は「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」. 平成14年3月. 厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課)。放射性セシウムにはCs137とCs134があります。

Cs137, mSv=Bq×2.1÷100,000
Cs134, mSv=Bq×2.6÷100,000

 くだんの粉ミルクには最大でCs137が16.5 Bq/kg、Cs134が14.3 Bq/kg含まれていました。乳児の場合、1日に粉ミルク60gを消費すると仮定し、また汚染粉ミルクを4ヶ月間(120日)飲み続けたと仮定した場合、この粉ミルクからこの乳児が余分に受ける被曝量は以下のように計算されます(影響の大きいCs134が30Bq/kg含まれていたと仮定)。
mSv=30×60×120÷1,000×2.6÷100,000=0.0056
すなわち、5.6マイクロシーベルト(1ミリシーベルトは1,000マイクロシーベルトと同量)と計算されます。このように、仮にこの汚染粉ミルクを毎日60g、4ヶ月間飲み続けた児であっても粉ミルクから受けた被曝量はたいへん微量であることがわかります。

 尚、今回、検出された粉ミルク中の放射性物質の量は、粉ミルクが希釈されて用いられるものであることを考慮すると、平成23年5-6月に行われた厚生労働科学研究費補助金・成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故による母乳中の放射性物質濃度評価に関する調査研究」班による母乳中の放射性物質濃度等の調査1) の際、母乳中にセシウムが検出された方の結果(108人中7人から放射性セシウムが1.9から13.1ベクレル/kg検出)に近い水準と考えられます。従って、平成23年6月8日付のお知らせ(「母乳中放射性物質濃度等に関する調査」についてのQ&A)2)と同様、「通常の授乳期間、授乳を続けても、お子さんの健康に影響することはありません。」とお伝えすることが可能だと判断いたします。
 今後は、粉ミルクをお子さんに与えているお母さん方の安心のために、各メーカーで、製品中に含まれる放射性物質に関する調査結果を、適切に開示することが望ましいと考えます。

 

以上

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