公益社団法人 日本産科婦人科学会

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見解/宣言/声明
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「子宮頸がん予防のHPVワクチン接種の勧奨一時中止」に対する声明

更新日時:2018年7月13日

平成25年6月22日

公益社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 小西 郁生

 厚生労働省健康局から6月14日付けにて、「HPVワクチン接種の積極的な勧奨を一時中止する。しかし、接種自体を中止するわけではなく、接種希望者については定期接種として接種可能な環境を維持する」旨の勧告が発表されました。
 本会はこれまで、子宮頸がん予防のためのHPVワクチン接種に対する公費助成を求めて活動してまいりました。その結果、本年4月からHPVワクチンが定期接種ワクチンの一つとして認められたことは、近い将来、わが国が子宮頸がんを根絶する方向へと進み、女性の健康に大きく寄与するものと高く評価しています。
 しかしながら、ワクチン接種を契機として重篤な有害事象が報告されたことから、安全性が確認されるまでの間、強い推奨を一時中止するという勧告は妥当と考えています。今後、厚生労働省の予防接種に関する合同部会をはじめとする専門家により、ワクチン接種の安全性が科学的にかつ速やかに確認されることを期待します。また本会も、ワクチン接種と有害事象との関連性を含め、安全性に関する調査と研究を行うべく、さる6月1日、本会内に「HPVワクチンの効果と安全性に関する調査委員会」を設置し対応することとしました。
 わが国において、子宮頸がんの発症を予防し、たとえ発症しても早期発見・早期治療によって若い女性の妊孕能、そしてその生命を守っていくために、HPVワクチン接種と子宮頸がん検診の両方を広く普及させていくことがとても大切です。ワクチン接種希望者には、引き続き、安心して接種を受けていただく必要があります。今後も、本会は子宮頸がん予防のHPVワクチンの効果と安全性につきまして、みなさまに広く情報を提供してまいりたいと存じます。

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