公益社団法人 日本産科婦人科学会

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平成22年度第5回倫理委員会議事録

更新日時:2018年8月2日

平成22年度第5回倫理委員会議事録

日 時:平成23年5月30日(月)午後6時30分〜8時30分
場 所:日本産科婦人科学会事務局「会議室」

出席者:敬称略
【委員長】:嘉村 敏治
【副委員長】:久具 宏司
【委 員】:安達 知子、石原 理、大川 玲子、齊藤 英和、榊原 秀也、澤 倫太郎、杉浦 真弓、
竹下 俊行、津田 尚武、平原 史樹、矢野 哲、山中 美智子
(欠席者:吉村 泰典、柴原 浩章、阪埜 浩司、渡部 洋)<敬称略>

1. 登録関係報告
(1) 本会の見解に基づく諸登録(平成23 年5 月30 日) (齊藤委員)
①ヒト精子・卵子・受精卵を取り扱う研究に関する登録: 44 研究
②体外受精・胚移植の臨床実施に関する登録: 585 施設
③ヒト胚および卵子の凍結保存と移植に関する登録: 585 施設
④顕微授精に関する登録: 507 施設
⑤非配偶者間人工授精に関する登録: 16 施設

齊藤 英和委員:⑤前回認可された扇町レディ−スクリニックを加えて1施設が増えた。

(2) 着床前診断に関する臨床研究申請・認可について [資料2] (平原委員)
  申請件数: 229 例 (承認195例、非承認4 例、 審査対象外18 例、取り下げ1 例、照会中2 例、審査中9 例)(承認195 例のうち7 例は条件付)

平原 史樹委員:IVF大阪より35週死産と8週流産の既往での新規申請があった。本件は現在問い合わせとしている。夫に染色体転座があるが、その詳細は不明である。重篤な遺伝性疾患の有無について照会している。他の申請症例は問題なく認可している。
杉浦 真弓委員:確かに、本症例は習慣流産の範疇には入らない。厳密には亡くなった子供の核型や奇形の有無に関して立証しないといけない。しかし初期流産に関しては核型を証明するといったルールはなかった。死産例との整合性が問われる。
平原 史樹委員:習慣流産といっても核型を分析すると均衡型転座に由来する流産でなく、その内容は単なる流産を繰り返しているケースがあるかもしれない。死産となると、重篤な遺伝性疾患があり、また多発奇形があったとなると認可されるが、あくまで着床前診断が認可されるのは習慣流産のみである。習慣流死産ではない。流死産となると、その死産の内容を説明する必要がある。これに関しての整合性は難しい。臨床研究の取り扱いであるので申請施設には正確に報告していただく必要がある。
久具 宏司副委員長:ただ母親の心情を斟酌するという場合であっても、流産と死産で週数が進んだものを除くという理由にはならない。今後、確かに考慮していって良い点かもしれない。
平原 史樹委員:習慣流産があって、均衡型転座があれば過去は問わないが、流死産だと流産が二回ないと認められないという不公平なことになっている。
嘉村 敏治委員長:これに関しては着床前診断審査小委員会で今後とも討議していただくこととする。

 

他に異議なく、着床前診断申請症例は着床前診断に関する審査小委員会の結果を承認し、理事会に提出することで承認された。

(3) 着床前診断の実施報告のまとめ(平原委員)
平原 史樹委員:現在までの症例に関しての一覧表を作成した。これにはその妊娠のアウトカムも含まれている。これから先も臨床研究としての位置づけであり、将来的には事務局のルーチンワークとしたい。
嘉村 敏治委員長:妊娠のアウトカムはどうであったのか。
平原 史樹委員:実際に着床前診断の認可はされたが着手してない例もあり、施設や症例によって様々である。その妊娠の評価に関しては、同じ単一年度で解決しない。現在ID番号を割り当てて整理中である。紙ベースをエクセルに入力している。委員会内での業務とするか、事務局での業務とするかを今後検討する。(資料6)
嘉村 敏治委員長:どのような形でリザルトを得るかは今後の検討課題である。次年度への引き継ぎ項目である。
齊藤 英和委員:ICMARTの要請で、着床前診断に関して報告要請を受けている。共通の項目に関しては今後情報提供可能な形式にしていただきたい。
石原 理委員:フォーマットも共通項目に関しては同じとした方が良い。
平原 史樹委員:データをシェア出来るようにしたい。
嘉村 敏治委員長:データ項目で欠損項目があっても良いのか。
石原 理委員:現在までもそのような欠損項目はあったが、問題ない。今後は項目を共通とするように変えていく必要がある。

一同異議なく承認された。着床前診断の実施報告のまとめから、どのような形でリザルトを得るかは次年度委員会への引き継ぎ事項となった。

2. セントマザー産婦人科医院より「円形精子細胞に関する臨床応用」 の登録申請について(齊藤委員) [資料:事前送付済]

齊藤 英和委員:セントマザー産婦人科医院より「円形精子細胞に関する臨床応用」に関して「ヒト精子・卵子・受精卵を取り扱う研究に関する登録申請」への申請があり、登録審査小委員会で取り扱った。その内容は研究ではなく臨床応用である。登録審査小委員会では、この申請に関しては倫理委員会での検討課題であるとし、セントマザー産婦人科医院へもそのように返事をした。
嘉村 敏治委員長:研究の概要はいかなるものか。
齊藤 英和委員:精子以前の細胞である精子細胞または円形精子細胞の応用に関しては少数の報告があるのみである。セントマザー産婦人科医院では現在まで多くの症例に関して臨床研究してきた。結果として奇形例もなく、この結果を元にして臨床応用したいという申請内容である。
嘉村 敏治委員長:円形精子細胞が今まで行われていなかった事が問題なのか?不妊学会では禁止されてきたのか。
齊藤 英和委員:それは15年ぐらい前、平成7年に不妊学会の倫理委員会において、その安全性が確立していないので慎重を期して欲しいとされた。それ以外には何も検討されてない。この施設では、生児を得たという海外での報告を受け、独自で行ってきた訳である。現在までに日本産科婦人科学会に何らかの申請があった訳ではない。我々の小委員会で行っている登録はあくまで研究に対する登録である。セントマザー産婦人科医院で行われてきたことも研究ではなく、その内容としては小委員会が扱うものでなかった。その施設の責任において施行されてきたというのが現実である。
石原 理委員:円形精子細胞と精子細胞はほとんど区別がつかない。田中温先生のオリジナルとしては体外で成熟させていることである。体外で円形精子細胞を成熟させてから上手くいくことがあるという内容である。
嘉村 敏治委員長:本成績は円形精子細胞の成績ではないのでは。
齊藤 英和委員:後期円形精子細胞と精子細胞の2つの成績をまとめた結果である。
石原 理委員:本件は、研究というよりはパイロットが終わった後の臨床研究として応用したいという意味あいの申請と思われる。それゆえ、日産婦の研究登録というカテゴリーではない。研究的な意味合いをもつため、厚生労働省の臨床研究の指針に当てはまるような医師主導型の臨床研究としての手続きを踏んで登録していただいた方が良いと思われた。よって、登録審査小委員会ではなく、当倫理委員会での検討が望ましいと思われた。
久具 宏司副委員長:見解集にある「ヒト精子・卵子・受精卵を取り扱う研究に関する見解」がカバーするものとは異なっている。臨床応用としてこの新しい技術を臨床の場で使用するものである為、それぞれの施設の倫理委員会で認可されれば行って良いと思われる。それぞれの施設の倫理委員会では認可されている訳であるから、日本産科婦人科学会の倫理委員会のスタンスとしては本件を把握して、厚生労働省の臨床研究の指針に関して助言するスタンスで良いと思う。
澤 倫太郎委員:平成9年に精子細胞を使った顕微授精に関して確実性の点から考慮して時期尚早であるというコメントであったのでは。その前の生殖医学会も同様なコメントであった。精子細胞だから円形ではなく、後期のものであるが。
杉浦 真弓委員:円形で不妊学会からも駄目といわれたのでは。
澤 倫太郎委員:それを今回認めると、当時の安全基準から覆ったのかということか。
石原 理委員:そのころはICSIの草創期であり、安全性も確立されていなかった。平成9年以降は、この議論はされていない。
澤 倫太郎委員:平成9年の時は精子細胞を使用したものはすべて認められなかった。まず後期精子細胞がどうなのか?いきなりその後の段階の円形精子細胞に関しては唐突ではないか。
安達 知子委員:後期精子細胞は7−8年前にでて承認されたのでは。
矢野 哲委員:後期精子細胞は承認されていた。円形精子細胞と区別がつくのかという議論があった。
齊藤 英和委員:前は区別出来ずにいたのが、認識出来るようになったため、その成績が向上したのでは。
安達 知子委員:倫理委員会でも以前に討議されたと思う。
竹下 俊行委員:臨床研究としての登録を目的として、登録審査小委員会に申請があったのか。研究とみなせば登録しても良いのか?
石原 理委員:政府指針が新たに出されているため、本会の見解もそれにあわせて変更していく必要がある。
竹下 俊行委員:着床前診断も臨床研究の一環としてやっている。
石原 理委員:着床前診断はその位置づけとしては本件に近いといえる。
杉浦 真弓委員:以前、不妊学会で否定されているため、今回の申請に至ったのでは。以前マウスでゲノムインプリンティングが見つかっており、ヒトでもおこる可能性があるということで否定された。しかしそれはICSIでも指摘されていることである。
石原 理委員:不妊学会の以前の指摘箇所は、生殖医学会の見解から今はすべて削除されている。
嘉村 敏治委員長:本会は今まで肯定も否定もしていない。以前、否定した不妊学会で判定していただく方が良いか。
石原 理委員:厚労省の「臨床研究の指針」に即して手続きを踏んでいただくのが良いのではと思われる。その登録に関しては、こちらからアドバイスを同時に送るとするのが良いのでは。
矢野 哲委員:円形精子細胞をin vitroで培養して、成熟させ後期精子細胞にして戻し上手くいった。今回は、そのまま直に円形精子細胞で行ってみるという申請内容である。
久具 宏司副委員長:15年前に不妊学会で否定されたことは覆るのか。以前の不妊学会の見解はそれ以後削除され、現在も削除されているとはいっても、施行して良いという見解を出したところはない。
石原 理委員:前回の申請後に動物実験も行っている。本件は必要があれば、生殖医学会で検討しても良い。しかし、古い見解の見直しを6−7年前に行っている。改訂した訳ではなく、その見直しの時に、本件に関する項目は削除している。
嘉村 敏治委員長:本件を臨床研究として認める方向で宜しいか。田中温先生は15年前の見解が有効であると思われているようである。厚生労働省の臨床研究の指針に沿って行っていただく事とする。

本件は、厚生労働省の臨床研究の指針に当てはまるような医師主導型の臨床研究としての手続きを踏んでいただくように、当倫理委員会として助言することとなった。

3. 「出生前に行われる検査および診断に関する見解」改定案に対するご意見、ご意見に対する回答案について(平原委員) [資料3・1 ] [資料3・2 ]

平原 史樹委員:パブリックコメントを求め、3件の質問または要望をいただいた。それに対しての回答案を作成した。
1件目は、東條ART クリニックの町田稔文先生からの血清マーカーテストへの質問である。
 本改正案では、『適切かつ十分な遺伝カウンセリングを提供できる体制下に産婦人科医が妊婦に対して、母体血清マーカー検査について、適切に情報を提供することが求められている』 とされている。妊婦側からも特に求めもなく、年齢、既往歴等特にリスクのない全ての妊婦に対して血清マーカーについての情報を、医師側から積極的に提供する必要があるのか。
2件目は財団法人ダウン症協会からの御要望である。
 「全般的には色々と評価しているが2点要望がある。1点目は遺伝的に異常があるという基本的概念をもう少し全文で具体的に記載してほしい。日本医学会が出している「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」には基本理念として『遺伝子の変化に基づく疾患・病態や遺伝型を例外的なものとせず、人の多様性として理解し、その多様性と独自性を尊重する姿勢で臨むことが求められる』 とある。この文を本改正案にも導入記載する事を要望する。
 2点目は日本医学会のガイドラインには、出生前検査・診断にあたって、医師と遺伝カウンセラーの協カによるチーム医療の提言があり、これを本改正案にも導入してほしいという要望であった。
これらの要望事項に関しては当然と思われる。
[回答案]:1点目の指摘について、本学会の基本的な考えについては全文に記載している。日本医学会のガイドラインは本会も遵守するという文言を盛り込んでおり、ご意見に関しては会員に周知徹底したいという内容の回答案を作成した。
2点目のチーム医療の導入に関しては、保険点数上の整理も全く出来ていない状況であり、これに関してはこれから先もなお一層の努力をしたいとした回答案を作成した。
3件目の質問は、JA北海道厚生連 札幌厚生病院産婦人科の三國雅人先生からである。
 ARTで妊娠した児はそれだけ貴重児であり、ART自体でゲノムインプリンティング異常も起こりうる。ARTだけでも重篤な胎児異常と同等にもう一項目加えて適応として良いのではないかという質問であった。
[回答案]:繊毛採取,羊水穿刺などの侵襲的検査については原則, 4) の③に述べた7 要件のいずれかに該当した場合に行われるものと考えている。
ART での妊娠を重篤な疾患の可能性を念頭にした出生前診断の対象に規定することは本学会としては考えていないと回答を作成した。
以上3点の返事と回答案に関してご審議いただきたい。

澤 倫太郎委員:欧米では患者妊婦に対して絶対情報提供しているが、一方日本では平成9年1月の京都地裁で「母親が望んだとしても、情報提供する必要はない」という逆の判決がでている。
平原 史樹委員:法曹界もダブルスタンダードである。風疹に関してICしなかった故に負けている。
澤 倫太郎委員:風疹は公的に認められているので出生前診断とは論点が異なる。先端技術の本件は位置づけが異なる。
嘉村 敏治委員長:風疹はガイドラインでいえばAである。本件はどの範疇に入るか不明なのであり、今回見解として検討している。まず、この点から違う。
平原 史樹委員:2011年の産科ガイドラインでも、もしNTが見えたら情報提供すると表現をしている。今回の改正案でもそれにあわせて、NTに関しては意図せず見えたら情報提供するというスタンスで記載した。また解説の中で、欧米では患者間で認知度の高い検査であり、その事を認識してくださるよう記載した。しかし、これは解説中に記載して本文には入れていない。時代の流れとともに、このように変化してきている点を記載している。
澤 倫太郎委員:この領域に関して、日本の倫理は独特である。今までは先送りにしてきた問題であり、鮮明にすべき時期ではあるのか。
嘉村 敏治委員長:これを最終案としてお認めいただいて良いか。

一同異議なく、次回理事会での決議となる。理事会での承認の後、総会に提出予定となる。

4. 扇町レディースクリニックよりAID に関する登録申請について(久具副委員長・齊藤委員) [資料4]

嘉村 敏治委員長:登録申請の承認とそれに関する留意事項をつけた回答の報告である。

本件に関して特に異議なく承認された。

5. 慶応義塾大学からの「着床前診断に関する見解のお伺い」 について(平原委員) [資料5]

平原 史樹委員:1副腎白質ジストロフィー(ALD)保因者、2筋強直性ジストロフィー(DM1)保因者、そして3同一家系内にデュシエンヌ型筋ジストロフィー患者(DMD) とベッカー型筋ジストロフィー患者(BMD) が混在する場合、以上3件の着床前診断に関して、自施設の倫理委員会で結論が出ない為、当倫理委員会での審議を依頼してきた。
慶応義塾大学には、昨年12月に「重篤な遺伝性疾患」の重篤度の判定に関する問い合わせに関して返事を出している。着床前診断の重篤性の判定に関しては、直接の自分の子供でなくても家系内に重篤な遺伝性疾患を示した方がいれば、それを考慮する方向性であると回答した。つまり、疾患自体に重篤性の幅があれば、より重篤と考えられる方で判断しますと回答している。その後に、今回の問い合わせが来るとは、慶応義塾大学の中で、診断の技術論に関して揉めているのではないか。先日の着床前診断審査小委員会では、慶応義塾大学の倫理委員長に小委員会に来ていただきコミュニケーションをとった方が良いのではというのが結論であった。
嘉村 敏治委員長:手詰まりになっているので直接話した方が良いのでは。
平原 史樹委員:発生源の施設で科学的にも倫理的にも整理をつけて申請していただきたいと思う。
嘉村 敏治委員長:原則としては、申請施設の倫理委員会で承認された症例を本倫理委員会にあげてほしい。
久具 宏司副委員長:自施設での倫理委員会と当会の倫理委員会での2審性で審査をおこなっている。これに関して審査結果が不一致となるジレンマを抱えているのではと思う。
安達 知子委員:しかし、2審性はやはり必要であると思われる。
平原 史樹委員:こちらが出向いてお話しするか、着床前診断に関する審査小委員会に来ていただきコミュニケーションを計ろうと思う。いずれにしても学会としては2審性を堅持する方向である。
嘉村 敏治委員長:了解した。着床前診断審査小委員会での直接の検討をすすめていただきたい。

本件に関しては着床前診断審査小委員会で、慶応義塾大学の倫理委員会委員長との話し合いをすすめることとなった。

6. 「着床前診断に関する申請に伴う諸問題」について[資料6]

平原 史樹委員:着床前診断に関する申請に関して、次年度に検討課題が3つある。
1:(倫理委員会の情報公開に関しての問題)
 ここ数年にわたり、倫理委員会の議事録は公開していない。この間、夏の講習会でも検討内容を公表していただきたいといった意見もあった。公表が中止になった経緯としては、過去に倫理委員会の議事録の内容からの個人情報の漏出、メディアの取材による実害があったようである。現在はマスメディアにのみ情報提供して、会員は全く閲覧出来ない。しかし、今後は少なくともホームページの中で、ある程度は会員に対して公表していく必要があるかもしれない。
2:(実施済みのデータ解析と報告)
  今後、結果をまとめて公表していく事を次年度以降検討して行く必要がある。
3:(施設認可申請に関して毎回の提出資料が膨大である事)
運用上申請用紙をスリム化する方向である。

嘉村 敏治委員長:これらに関しては次年度の申し送り課題として了承した。

本件に関して特に異議なく承認された。次年度委員会への申し送り課題となった。

7. 「着床前診断」 に関する申請・報告書類のホームページダウンロードと案内について(平原委員) [資料7]

榊原 秀也委員:申請様式の文言の誤字を訂正し、その上で学会誌に掲載した。ホームページからwordでもダウンロード出来るようにしている。

本件に関して特に異議なく承認された。

8. 2010 年夏の「第3 回遺伝カウンセリング講習会アンケート結果の報告について(平原委員) [資料8]

平原 史樹委員:アンケートの結果を遺伝カウンセラーの先生にまとめていただいた(資料8)。彼らもこのアンケート結果を共用したいとの事である。使用する際には、あくまで学会の資料である事を表記して使用するように伝えている。また本アンケート結果は、学会ホームページか学会誌に載せる方向が宜しいか。内容は好評であり再来年には再度開催出来ればと思っている。
嘉村 敏治委員長:公益社団法人にも認定され、このような活動がしやすくなったと思う。

本件に関して特に異議なく承認された。

9. 関連報道記事<「体外受精培養液有害化学物質」、他>   [資料9]

石原 理委員:本件に関しては、患者からの質問が既にある。
齊藤 英和委員:有害物質とは可塑剤の事である。ビニールなどを柔らかくするために入っており、ロットによってはかなり高濃度で入っているようである。げっ歯類とヒトでは感受性がかなり異なる。よってげっ歯類でのdataがそのままヒトにあてはまるとは言えない。FDAでは可塑剤の検査は行われていないのが実際である。厚労省でも本件に対しての対応の結論が出ていない。

10. その他

澤 倫太郎委員:20代の一般男性から精子凍結をしたいという患者が来た。原発事故に関連して、その放射能の影響を気にしているようである。
久具 宏司副委員長:精子、卵子凍結に関しては、体外受精 胚移植をする際には婚姻関係が問われるが、体外受精 胚移植を前提としていない時は、精子、卵子の凍結のみであれば婚姻関係は問われず問題ない。
嘉村 敏治委員長:今後問題となれば次回の倫理委員会で行うこととする。

会の終わりに、嘉村敏治委員長より閉会の挨拶があり会が終了した。

 

資 料:
1. 前回議事録(案)
1.-2 扇町レディスクリニックからの回答書
  2. 着床前診断審査小委員会報告
3.-1「出生前に行われる検査および診断に関する見解」改定案(全文案)に対するご意見および回答案
3.-2 「出生前に行われる検査および診断に関する見解」改定案(全文案)
4. 扇町レディースクリニックからのAID登録申請に対する「発行通知書」
5. 慶應義塾大学医学部倫理委員会事務局からの文書
6. 第6回着床前診断に関する審査小委員会 議事録、他
7. 学会ホームページ(会員専用頁)当該画面のコピーと施設宛送付文書
8. 第3回遺伝カウンセリング講習会アンケート結果
9. 報道記事など

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