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○風しんとは
風しんウイルスに感染してから14〜21日の潜伏期間の後、発熱とともに全身に淡い発疹が出現する.通常3日程度で消失し、麻しん(はしか)のように発疹のあとが長く残ることはない.一般に三日ばしかとも呼ばれている.発熱は麻しんのように高熱が続くことは少なく微熱程度で終わることも多くある.またその他の症状としては耳の後ろや頭部あるいは後頭下部のリンパ節が腫れることも特徴である.通常は数日で治癒するが、稀には、血小板減少性紫斑病や脳炎などの重篤な合併症を併発することがある.また、感染しても無症状のもの(不顕性感染者)が約15%存在するといわれており、発熱、発疹、リンパ節腫脹がすべてそろわない場合もある.
上気道粘膜より排泄されるウイルスが飛沫を介して伝播されるが、その伝染カは麻しん、水痘よりは弱い.ウイルスの排泄期間は発疹出現の前後約1週間とされているが、解熱すると排泄されるウイルス量は激減し、急速に感染力は消失する.
かつてはほぼ5年ごとの周期で、風しんの全国的流行が発生していたが、平成6年以降は大流行はなく、局地流行や小流行に留まっている.
○先天性風しん症候群(congenitaIrubella syndrome:CRS)とは
妊娠初期の女性が風しんに羅患すると、風しんウイルスが胎盤を介して胎児に感染し、出生児が先天性風しん症候群を発生することがある.
妊娠中の感染時期により重症度、症状が異なるが、妊娠2カ月以内の女性が風しんにかかると、出生児は白内障、先天性の心臓病、難聴の2つ以上を持って生まれてくることが多い.妊娠3〜5カ月に感染した場合でも難聴が多くみられる.その他、子宮内での発育が遅い、網膜の病気、緑内障、小頭症、髄膜炎、精神運動発達に遅れがある、肝臓や脾臓が腫れる、血小板減少性紫斑病などの症状が出生児に認められる場合がある.
先天性風しん症候群に対するウイルス特異的な治療法はなく、個人防衛として女性は妊娠する前にワクチンによって風しんに対する免疫を獲得すること、社会防衛としては風しんワクチンの接種率を上げることによって風しんの流行そのものを抑制し、妊婦が風しんウイルスに曝露されないようにすることが重要である.
日本では、昭和40年に沖縄で400人以上の先天性風しん症候群の児が出生した.また、昭和52年から54年には全国的な風しん大流行があり、先天性風しん症候群患児の出産を恐れて、多くの人が人工妊娠中絶を行った.最近では、平成11年の報告患者数は0名、平成12年から15年までは毎年1名の患児が報告されている.
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