18jun2004

会員へのお知らせ


会員各位

次の通り厚生労働省健康局結核感染症課長より通知を受けましたのでご連絡致します。

(社)日本産科婦人科学会会長   藤井信吾

健感発第0409001号
平成16年4月9日

社団法人 日本産科婦人科学会長 殿

厚生労働省健康局結核感染症課長

先天性風しん症候群の発生防止について

 予防接種の推進につきましては、平素より多大な御支援・御協力を賜り、厚く御礼申し上げます.
 感染症発生動向調査において、今年になって一部の地域(鹿児島県、群馬県、大分県、宮城県、埼玉県)において患者が数多く発生している状況にあり、過去5年間には年間0〜1例の発生件数であった先天性風しん症候群の患児が、今年は3月7日の時点ですでに2件報告されているところです.また、産婦人科医からは妊娠中の風しん羅患事例の相談が寄せられており、先天性風しん症候群患者の発生が懸念されております.
 これから妊娠する予定のある女性であって風しん羅患歴又は風しんワクチン接種歴のないものは、予防接種を受けることにより先天性風しん症候群の発生を防止することができることから、今年の風しんの流行状況等を踏まえ、改めて、適切な注意喚起及び情報提供等に当たられるよう、別添(写)のとおり、都道府県に対し協力方通知したところであります.
 っきましては、貴職におかれましても当該の周知に関する趣旨をご理解いただくとともに、会員各位に対する周知等、特段のご配慮をお願いいたします.

写)

健感発第0409001号
平成16年4月9日

各都道府県衛生主管部(局)長 殿

厚生労働省健康局結核感染症課長

先天性風しん症候群の発生防止について

 感染症発生動向調査において、今年になって一部の地域(鹿児島県、群馬県、大分県、宮城県、埼玉県)において患者が数多く発生している状況にある.過去5年間には年間0〜1例の発生件数であった先天性風しん症候群の患児が、今年は3月7日の時点ですでに2件報告されている.また、日本産婦人科医会及び国立感染症研究所等には、産婦人科医から妊娠中の風しん羅患事例の相談が寄せられており、先天性風しん症候群患者の発生が懸念されている.
 これから妊娠する予定のある女性であって風しん羅患歴又は風しんワクチン接種歴のないものは、予防接種を受けることにより先天性風しん症候群の発生を防止することができることから、既に「風しん予防接種の重要性の周知について」(平成15年11月18日付け健感発第1118001号厚生労働省健康局結核感染症課長通知)により予防接種の重要性の周知を因ってきたところであるが、今年の風しんの流行状況等を踏まえ、改めて、適切な注意喚起及び情報提供等に当たられるようご指導方お願いする。

(参 考)

○風しんとは

 風しんウイルスに感染してから14〜21日の潜伏期間の後、発熱とともに全身に淡い発疹が出現する.通常3日程度で消失し、麻しん(はしか)のように発疹のあとが長く残ることはない.一般に三日ばしかとも呼ばれている.発熱は麻しんのように高熱が続くことは少なく微熱程度で終わることも多くある.またその他の症状としては耳の後ろや頭部あるいは後頭下部のリンパ節が腫れることも特徴である.通常は数日で治癒するが、稀には、血小板減少性紫斑病や脳炎などの重篤な合併症を併発することがある.また、感染しても無症状のもの(不顕性感染者)が約15%存在するといわれており、発熱、発疹、リンパ節腫脹がすべてそろわない場合もある.
 上気道粘膜より排泄されるウイルスが飛沫を介して伝播されるが、その伝染カは麻しん、水痘よりは弱い.ウイルスの排泄期間は発疹出現の前後約1週間とされているが、解熱すると排泄されるウイルス量は激減し、急速に感染力は消失する.
 かつてはほぼ5年ごとの周期で、風しんの全国的流行が発生していたが、平成6年以降は大流行はなく、局地流行や小流行に留まっている.

○先天性風しん症候群(congenitaIrubella syndrome:CRS)とは

 妊娠初期の女性が風しんに羅患すると、風しんウイルスが胎盤を介して胎児に感染し、出生児が先天性風しん症候群を発生することがある.
 妊娠中の感染時期により重症度、症状が異なるが、妊娠2カ月以内の女性が風しんにかかると、出生児は白内障、先天性の心臓病、難聴の2つ以上を持って生まれてくることが多い.妊娠3〜5カ月に感染した場合でも難聴が多くみられる.その他、子宮内での発育が遅い、網膜の病気、緑内障、小頭症、髄膜炎、精神運動発達に遅れがある、肝臓や脾臓が腫れる、血小板減少性紫斑病などの症状が出生児に認められる場合がある.
 先天性風しん症候群に対するウイルス特異的な治療法はなく、個人防衛として女性は妊娠する前にワクチンによって風しんに対する免疫を獲得すること、社会防衛としては風しんワクチンの接種率を上げることによって風しんの流行そのものを抑制し、妊婦が風しんウイルスに曝露されないようにすることが重要である.
 日本では、昭和40年に沖縄で400人以上の先天性風しん症候群の児が出生した.また、昭和52年から54年には全国的な風しん大流行があり、先天性風しん症候群患児の出産を恐れて、多くの人が人工妊娠中絶を行った.最近では、平成11年の報告患者数は0名、平成12年から15年までは毎年1名の患児が報告されている.

以上


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