専門医制度
専攻医研修目標・評価表
1. 研修カリキュラム、研修項目の現状と今回の改正点
現在、専攻医の研修項目を規定する文書は、①「研修カリキュラム」:年に2回日本産科婦人科学会雑誌に掲載される、②研修項目を列記した「研修項目」と題された冊子、③研修手帳、の3つである。それぞれに研修項目が記載されているが、項目はバラバラで一致していない。しかも、「研修項目」に挙げられている項目は非常に多項目で、研修項目として現状に合わない項目もある。
今回、研修項目を整理し、専攻医が研修すべき、基本的で、重要な項目を厳選して研修カリキュラムとした。さらに、「研修カリキュラム」と「研修手帳」の項目を一致させ、一貫性のある研修目標を設定した。
2. 改定のポイント
もっとも重要な改善点は研修カリキュラム・項目としてとりあげる項目を、専攻医が研修すべき、基本的で、重要な項目を厳選した点である。
個々の項目について特記すべきことを以下に記す。
総論:
1. 2) インフォームドコンセントの重要性を強調した。
2. 2) 医学・医療にかかわる倫理指針の理解(臨床研究、治験、疫学研究、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を含め)をあげた。
2. 3) EBMの理解と、最近、多くの分野で整備されたガイドラインに準拠した医療ができること、をあげた。
7. チーム医療を実践できることをあげた。
8. 医療安全の理解を求めた。
10. 2) 地域医療の重要性の理解を求めた。
12. 生涯学習の重要性をとりあげ、専門医試験の受験資格として求められる学会発表と、論文執筆に積極的に取り組むことを求めた。
生殖・内分泌
IV. 態度:生殖医療における倫理面の重要性を強調した。
婦人科腫瘍
II. 1. 手術:婦人科手術合計で50例、単純子宮全摘術5例は増加させる方向で見直しの可能性がある。
周産期
I. 4. 新生児の管理方針に[新生児蘇生法]NCPRに基づくことを求めた。
II. 2. 13) 産科ショックの管理は、「産科危機的出血へのガイドライン」に基づくことを求めた。
VI. 4. 帝王切開の執刀数は現在の10例から増加させる可能性がある。
女性のヘルスケア
昨年、周産期、婦人科腫瘍、生殖・内分泌に加えて、第4の領域として日本産科婦人科学会で正式に認められた「女性のヘルスケア」領域も研修項目に加えた。この領域の眼目は、「女性の生涯にわたる全人的医療を行う」ことである。
I. 1. 思春期 生殖・内分泌分野とオーバーラップするが、おもに「女性のヘルスケア」で取り上げた。
4) 思春期のなかで「HPVワクチン」を取り上げた。
2. 「中高年女性のヘルスケア」で脂質異常症、高血圧などの内科的疾患の重要性を強調した。
3. 評価の実際
1) 評価の記入
専攻医:各項目について達成度を自己評価してA, Bを記入する。達成していないと自己評価したらFを記入する。
指導医:専攻医の自己評価を参考にして、指導医の評価を達成度に応じて○、△または×を指導医評価欄に記入する。
2) 必修項目
項目に○印を付した項目は必修項目である。
これらの項目は、全項目で専攻医の評価がAまたはBでなくてはならない。
かつ、すべての項目で指導医の評価も○または△でなければならない。
3) 必修項目以外の項目
70%以上の項目で専攻医の評価がAまたはBでなくてはならない。
かつ、70%以上の項目で指導医の評価も○または△でなければならない。
4) 努力目標の項目
茶色の文字で書かれた項目は努力目標である。これらの項目はポジティブな評価のみとし、研修されていなくてもネガティブな評価の対象としない。すなわち、専攻医の評価がAまたはBで指導医も研修したと認められる場合は、達成された項目として、70%以上を要求する必修項目以外の項目に加える。一方、指導医が達成されていないと評価した場合は研修項目から除いてカウントする。
5) 専攻医と指導医の評価が一致しないとき
専攻医の自己評価は尊重されなければならないが、専攻医がAまたはB評価であっても、指導医が研修されたと認めがたい場合は×とし、指導医の評価が優先される。
[目次]
I. 総論
1. 基本的診療能力
2. 医の倫理とプロフェショナリズム
3. 産婦人科診察と所見の記載
4. 検査法
5. 基本的治療法・手技
6. 救急患者のプライマリケア
7. チーム医療
8. 医療安全
9. 保健指導、予防医学的・遺伝医学的対応
10. 医療の社会的側面
11. 診断書、証明書の記載
12. 生涯学習
II. 生殖・内分泌
1. 経験すべき疾患
2. 検査
3. 手術
Ⅲ. 婦人科腫瘍
1. 検査
2. 治療
3. 疾病各論
Ⅳ. 周産期
1. 正常妊娠・分娩・産褥の管理
2. 異常妊娠・分娩・産褥のプライマリケア、管理
3. 異常新生児のプライマリケアとリスクの評価
4. 妊婦、産婦、褥婦ならびに新生児の薬物療法
5. 各種産科検査法
6. 産科手術
7. 産科麻酔
Ⅴ. 女性のヘルスケア
1. 思春期・性成熟期
2. 中高年女性のヘルスケア
3. 感染症
4. 母性衛生
注1:○は必修項目、茶色は努力目標項目、残りの項目については70%以上の達成を目標とする。
注2:専攻医のチェック欄には、A(十分に研修できた)、B(一応研修できたがやや不十分)、
F(研修できていない)を記入。指導医のチェック欄は、○(十分に合格)、△(合格だが、やや不十分)、×(不合格)で評価を記入。
<研修目標(
xls 99KB)>