3sep2004

日本産科婦人科学会専門医制度卒後研修目標
VI. 母性衛生と法規


(注)

改訂にあたって

 平成16年度より新医師卒後臨床研修制度が開始されるにあたり、専門医制度卒後研修目標の内容を更新すると共に、卒後研修5年間のうち初期2年間の卒後研修における研修目標を明示した。初期2年間のうち、産婦人科研修中に習得すべき項目をで、他科研修中に習得すべき項目をで、3年目以降で研修する項目をで示した。これらの複数の要素が混在している場合には、その見出し語、説明文を黒で示した。


** 目 次 **


I. 総 論 

II.  婦人科腫瘍
1. 腫瘍 2. 病理 3. 手術 4. 放射線療法 5. 化学療法 

III. 生殖内分泌
1.内分泌 2. 不妊症 3. 不育症 

IV. 産科・周産期 
1)知識  2)技能 3)態度

  V. 女性のヘルスケア
1. 感染症 2. 心身症 3. 更年期障害

  VI. 母性衛生と法規

 


VI. 母性衛生と法規

[A] 母性衛生

(一般目標)

(1) 母性の生涯にわたる各時期における生理、心理を理解し、適切な保健指導ができる能力を身につける。
(2) 日本および世界各国の母子保健統計の実態を理解し、母性衛生活動に参加する意義を認識する。

(行動目標)

(1) 思春期
a. 思春期の生理、心理、行動などの特性を理解し、性教育の重要性を知り、保健指導を行うことができる。
b. 思春期に特有な疾病の診断、治療を行うことができる。
(2) 性成熟期
a. 家族計画の指導を実施することができる。
各種避妊法:経口避妊薬、IUDその他
b. 公費健(検)診制度による保健指導、健(検)診を行うことができる。
母子健康手帳、妊産婦健診、B型肝炎母子感染防止、先天代謝異常
c. 母体保護法の意義を理解し、人工妊娠中絶の適応を決定することができる。
(3) 更年期
a. 更年期以後に好発する疾患について、予防対策、早期診断、治療の要点を理解し、適切に実施することができる。
-1- 更年期障害
-2- 骨粗鬆症
-3- 高脂血症
b. 老人保健法による検診を適切に実施することができる。
-1- 子宮頸癌、体癌
一次検診
適切な検診計画、問診
正しい細胞診標本採取、塗抹、固定
正確な細胞診断
二次検診
頸癌検診ではコルポスコピーによる狙い生検
組織診
体癌検診では内膜組織診
精査・治療機関への紹介
-2- 乳癌
一次検診
適切な検診計画
問診、視診、触診
マンモグラフィー
二次検診
超音波検査、細胞診
組織診(2週間以内の手術を前提とする)
(4) 老年期
老年婦人に好発する疾患について適切な指導、管理を実施することができる。
(5) 母子保健統計
a. 母子保健統計から我国の将来人口構成を知り、適切な保健指導を行うことができる。
人口、年齢別人口構成、出生率、死亡率、合計特殊出生率、妊産婦死亡率、周産期死亡率、新生児死亡率、死産率、人工妊娠中絶件数

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[B] 医療と法律

(一般目標)

医療と各種の法律、法制度の関わりについて理解し、適法な診療が実施できる知識・態度を身につける。

(行動目標)

1) 知識
(1) 医師法
医師の使命、定期届出義務、免許の取消、医業停止、応招義務、無診察治療等の禁止、診断書、証明書の記載義務、死亡診断書、死体検案書の記載義務、異状死体等の届出義務、処方箋交付の義務、診療録の記載および保管義務(5年間)
(2) 医療法
病院、診療所、病床、標榜科
(3) 健康保険法、国民健康保険法、老人保健法
保険医療機関および保険医療養担当規則
(4) 薬剤師法、薬事法
調剤、医師が調剤できる条件
(5) 保健師、助産師、看護師法、その他の認可業種に関する法律
放射線技師および診療X線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士その他
(6) 妊娠・分娩に関連した法規
a. 母子保健法
-1- 妊娠届
-2- 母子健康手帳の交付
-3- 低体重児の届出
-4- 未熟児の訪問指導
-5- 未熟児の養育医療
b. 出生の届出
c. 死産の届出
(7) 母体保護法
a. 不妊手術
-1- 適応
b. 人工妊娠中絶
-1- 指定医師
-2- 適応
-3- 妊娠22週未満
-4- 届出義務
(8) 刑法
過失致死、堕胎罪、文書偽造、守秘義務違反
(9) 労働基準法、男女雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法、育児介護休業法
妊産婦等に関わる危険有害業務の就業制限、産前産後、育児時間、育児休業
(10) 民法
「医事紛争」:不法行為、債務不履行


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